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たけぞう
レビュアー:
子どもたちを愛する。時として狂気にみえるほど。
ああ、どうしましょう。どこからがネタバレになるのか悩みます。
紹介がとても難しい作品です。
小川洋子さんらしい、目のつけどころが違う世界が広がっていて、
とても印象に残る一冊でした。

お薦め読者は、子どものいる人と、いつか親になることを意識している人です。
人が人を愛することを、ちょっと変わった切り口で書いています。
偏執的とも言えますが、そんな単純なレッテル貼りをしたくない
雰囲気があります。
親の愛が中心ですが、恋人どうしという人もいます。

共通点は、直接会うことがかなわない人を、愛し続けるということです。
愛ってなんなのだろう、書評を書きながらそんな言葉が胸に浮かびました。

私の住んでいる家は、昔、幼稚園だったので、
何もかもが小振りにできている。


冒頭の一文です。物語の世界は、この一文を土台にして
全て広がっているという重要な意味を持ちます。
なぜ幼稚園に住んでいるのでしょう。
昔というからには、廃止されているのでしょう。
そんなところに、どうやって住んでいるのか気になります。
まさかホームレス? なんて、考えたりもします。

どうやら電気も水もガスも使えるようです。
しかし疑問は続きます。
なぜそんなところにいるのか、何をしているのか。

小川ワールドですね。
主人公の私は、昔の幼稚園の子どもたちの記憶を糧にして生きている人です。
そして、記憶の時間を使いたいと望む人たちのために管理人をしているのです。

小箱は、記憶の管理をするために、私が準備した仕組みです。
人々が、どんな思いで私の元を訪れるのか、交流をつぶさに読みとることで
読んでいるこちらのこころの中に小さな蝋燭の炎が灯ります。

それは狂気にみえるかもしれません。

ごめんなさい。もうこれ以上、何を書いたらいいのか分からなくなり、
はなはだ途中ではありますが、興味を持たれたらどうぞ。
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たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1468 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

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