ぷるーとさん
レビュアー:
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本を読むことが生きる糧になる。
ラングストン少年は、アラバマで母親の愛情に包まれて暮らしていた。だが、その母が病気で亡くなると、彼の生活は一変してしまった。父親が、アラバマを離れてシカゴに住むと言い出したのだ。そんなわけで、ラングストンはシカゴの黒人貧民地区の壊れそうな一部屋のみのアパートで暮らすことになった。
父親は、朝早くに仕事に出てラングストンより帰りが遅い。アラバマでは学校から帰ると母の笑顔が待っていたが、シカゴでは家に帰っても誰もいないし、母のおいしい料理はもう食べられない。さらに、ラングストンはクラスメイトのライモンから「南部のいなかもん!」と執拗ないじめを受けていた。
アラバマにはおばあちゃんも父さんの妹に当たるおばさんもいるのに、どうしてシカゴに来なくてはいけなかったのか。ラングストンには、どうにも納得がいかなかった。
ある雨の日、ラングストンは校門で待ち伏せしているライモンを避けて違う道を進み、とある建物に吸い込まれるように入っていった。そこは、シカゴの外科医で市民の中でも指導的な役割を果たしたジョージ・クリーブランド・ホールがシカゴの黒人が集まる地区に図書館の分館を作ろうと尽力し、医師の死後完成した図書館だった。
アラバマにいたとき、ラングストンは母親から、黒人は図書館に入れてもらえないと聞かされていた。だが、その図書館は、ラングストンが入ってもかまわないという。
それ以降、ラングストンは、父親が帰ってくる時間まで図書館にいるようになり、本を借りて帰るようになった。中でも気に入ったのは詩で、自分と同じ名前のラングストン・ヒューズの詩に共感を覚えた。
図書館に通うことで、ラングストンに新しい友だちができ、父親から、両親は息子の教育のため北部への移住を熱望していたのだが母親が病気になってしまったため移住できずにいたこと、息子を北部に連れていくのは母親の願いでもあったこと、を聞かされる。
図書館に通い、自由に本を読み、たくさんの本から知識を得る。そんな誰もが当たり前にできる権利、その権利を黒人は認められていないという時代があった。ラングストン少年の両親(特に母親)の、息子を唯一誰でも入れる図書館があるシカゴで育てたいとの願いは、当時の全てのアフリカ系アメリカ人の母親の思いだっただろう。そして、本当は、誰よりその図書館に通いたかったのはラングストンの母親だったに違いない。
父親は、朝早くに仕事に出てラングストンより帰りが遅い。アラバマでは学校から帰ると母の笑顔が待っていたが、シカゴでは家に帰っても誰もいないし、母のおいしい料理はもう食べられない。さらに、ラングストンはクラスメイトのライモンから「南部のいなかもん!」と執拗ないじめを受けていた。
アラバマにはおばあちゃんも父さんの妹に当たるおばさんもいるのに、どうしてシカゴに来なくてはいけなかったのか。ラングストンには、どうにも納得がいかなかった。
ある雨の日、ラングストンは校門で待ち伏せしているライモンを避けて違う道を進み、とある建物に吸い込まれるように入っていった。そこは、シカゴの外科医で市民の中でも指導的な役割を果たしたジョージ・クリーブランド・ホールがシカゴの黒人が集まる地区に図書館の分館を作ろうと尽力し、医師の死後完成した図書館だった。
アラバマにいたとき、ラングストンは母親から、黒人は図書館に入れてもらえないと聞かされていた。だが、その図書館は、ラングストンが入ってもかまわないという。
それ以降、ラングストンは、父親が帰ってくる時間まで図書館にいるようになり、本を借りて帰るようになった。中でも気に入ったのは詩で、自分と同じ名前のラングストン・ヒューズの詩に共感を覚えた。
図書館に通うことで、ラングストンに新しい友だちができ、父親から、両親は息子の教育のため北部への移住を熱望していたのだが母親が病気になってしまったため移住できずにいたこと、息子を北部に連れていくのは母親の願いでもあったこと、を聞かされる。
図書館に通い、自由に本を読み、たくさんの本から知識を得る。そんな誰もが当たり前にできる権利、その権利を黒人は認められていないという時代があった。ラングストン少年の両親(特に母親)の、息子を唯一誰でも入れる図書館があるシカゴで育てたいとの願いは、当時の全てのアフリカ系アメリカ人の母親の思いだっただろう。そして、本当は、誰よりその図書館に通いたかったのはラングストンの母親だったに違いない。
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 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 
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- 出版社:ポプラ社
- ページ数:203
- ISBN:9784591164198
- 発売日:2019年11月02日
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