かもめ通信さん
レビュアー:
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少しずつ読んだ。繰り返し読んだ。読むたびにその先見性に驚かされた。そしてまたオーウェルの予想を裏切ることができなかったばかりか、今なお、70年前と変わっていないあれこれに愕然とした。
ジョージ・オーウェルといえば、『一九八四年』。
そのあまりの鋭さに、いったいどういう人なのか作者の人となりが気になっていたところでもあったので、光文社古典新訳から評論集が出ると聞いて即座に飛びついた。
以来2ヶ月。
少しずつ読んだ。繰り返し読んだ。読むたびにその先見性に驚かされた。そしてまた彼の予想を裏切ることができなかったばかりか、今なお、70年前と変わっていない世の中のあれこれに愕然とした。
巻頭に収録されている「あなたと原爆」は、広島と長崎に原爆が投下されてわずか2ヶ月余りのうちに書かれた論文だ。オーウェルはこの短い文章の中で、「核兵器時代」の本質とその後の核兵器を巡る国際政治世界の成り行きを、的確に言い当てている。
核をめぐる大国の対立を予見し、「冷戦」(the Cold War)という言葉を産み落とす。
サッカーを例にあげて展開する「スポーツ精神」は、ワールドカップだオリンピックだと沸き立つ、今の日本にも大いに当てはまるあれこれが。
ビルマでの体験を描いた「絞首刑」や「象を撃つ」といったエッセイは、十二分の読み応え。
「スペイン内戦回顧」を読めば、なんとしても『カタロニア讃歌』を読まなければという気になる。
「本対タバコ」や「ある書評家の告白」には、なるほどとうなずいたり、耳が痛かったりも。
いやはやこれは、この先何度も繰り返し読むことを考えれば、本当にお買い得な本だった。
そのあまりの鋭さに、いったいどういう人なのか作者の人となりが気になっていたところでもあったので、光文社古典新訳から評論集が出ると聞いて即座に飛びついた。
以来2ヶ月。
少しずつ読んだ。繰り返し読んだ。読むたびにその先見性に驚かされた。そしてまた彼の予想を裏切ることができなかったばかりか、今なお、70年前と変わっていない世の中のあれこれに愕然とした。
巻頭に収録されている「あなたと原爆」は、広島と長崎に原爆が投下されてわずか2ヶ月余りのうちに書かれた論文だ。オーウェルはこの短い文章の中で、「核兵器時代」の本質とその後の核兵器を巡る国際政治世界の成り行きを、的確に言い当てている。
核をめぐる大国の対立を予見し、「冷戦」(the Cold War)という言葉を産み落とす。
サッカーを例にあげて展開する「スポーツ精神」は、ワールドカップだオリンピックだと沸き立つ、今の日本にも大いに当てはまるあれこれが。
ビルマでの体験を描いた「絞首刑」や「象を撃つ」といったエッセイは、十二分の読み応え。
「スペイン内戦回顧」を読めば、なんとしても『カタロニア讃歌』を読まなければという気になる。
「本対タバコ」や「ある書評家の告白」には、なるほどとうなずいたり、耳が痛かったりも。
いやはやこれは、この先何度も繰り返し読むことを考えれば、本当にお買い得な本だった。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:光文社
- ページ数:307
- ISBN:9784334754082
- 発売日:2019年08月08日
- 価格:968円
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