Yasuhiroさん
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超平和バスターズ最新映画のノベライズ。映画のシーンが丁寧に文章化されており、後日談も追加されているので映画のファンには買い。#カドフェス2020
人気アニメ制作チーム超平和バスターズの、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(通称「あの花」)」「心が叫びたがってるんだ(通称「ここさけ」)」に続いて昨秋公開された「空の青さを知る人よ」のノベライズ作品で、書いておられるのは超平和バスターズではなく、額賀澪という作家さんです。映画は公開時に観ており、今回 #カドフェス2020 のリストにあったので読んでみました。
舞台は「あの花」「ここさけ」とこの作品を入れて秩父三部作と呼ばれている通り、今回も脚本担当の岡田麿里の故郷秩父市です。山に囲まれた風光明媚な土地ではあるけれど、都会志向の若者にとっては山に囲まれた盆地が
主人公は相生あかね(31)、あおい(17)姉妹。小説はあおいの語りで終始進められます。
二人は13年前に交通事故で両親を亡くし、あかねが親代わりとなりあおいを育ててきました。あかねその当時高3で、当時つきあっていた金室慎之助(通称「しんの」)と二人で上京し専門学校へ進学するつもりだったのですが、そういう事情で故郷に残りました。「しんの」はバンドを組んでいたのでギタリストとして成功する夢を持って上京し、それきりになっていました。あおいは当時4歳で、バンドに差し入れにいくあかねにくっついて練習場所の寺のお堂にいっては「しんの」に可愛がられ、将来バンドのベーシストにしてやると言われていました。
時は流れ現在、あおいはこれ以上あかねの負担になりたくないと、高校卒業後進学せず上京する決意を固めています。そしてベーシストとして音楽業界での成功を夢見て、今もあのお堂で練習を重ねています。あかねは役場に勤め堅実な生活をしつつ、あおいの送迎までしています。高校時代のバンドのドラマーであったバツイチコブツキの中村正道はあかねに気があり、あわよくば結婚したいと思っていますが、あかねはいつもはぐらかしています。
そんなお膳立てをした上でのある日、お寺のお堂で練習するあおいの前に、13年前そのまんまの「しんの」が現れたからさあ大変!
しかも同じ日にあかねとあおい、正道親子の前に、正道が町おこしイベントで招聘した大物演歌歌手のバンドの専属ギタリストとして、本物の慎之助が現れた!
お堂の「しんの」は「生き霊」なのか?にしても何故?
そこからあおいとあかね、「しんの」と慎之助の奇妙な四角関係騒動が始まります。超平和バスターズお得意の不思議でちょっと切なくて「大人でも泣ける」物語、あとは読んでのお楽しみ。
全体に丁寧にノベライズされており、作家としての個性は消してうまく各シーンを文字で再現していく額賀澪さんの筆致には好感が持てます。ゴダイゴのガンダーラの音楽とともに、どのページをめくっても半年以上前に見たきりであった映画のシーンが鮮明に蘇ってきました。あかねが卒業文集に書いた
の意味、そして使われ方もうまく再現されています。
敢えて言えば、あおいの語りで話が進むため、他の人物、特に今回は正道の掘り下げ方が浅かったように思いました。
それでも映画をしっかり追体験でき、映画ではエンドロール中の絵での紹介でしか見られなっかった「その後」についても「エピローグ」でしっかり書かれていますので、映画が好きな方にはお勧めです。映画がまだの方でも一日あれば十分読めますし、イラストもたくさん挿入されているので楽しめます。ストーリーが気に入ればぜひ映画もご覧ください。
これからも超平和バスターズからは目が離せません! ( ← 額賀澪さんじゃないのか )
舞台は「あの花」「ここさけ」とこの作品を入れて秩父三部作と呼ばれている通り、今回も脚本担当の岡田麿里の故郷秩父市です。山に囲まれた風光明媚な土地ではあるけれど、都会志向の若者にとっては山に囲まれた盆地が
牢獄のように思える田舎町。
主人公は相生あかね(31)、あおい(17)姉妹。小説はあおいの語りで終始進められます。
二人は13年前に交通事故で両親を亡くし、あかねが親代わりとなりあおいを育ててきました。あかねその当時高3で、当時つきあっていた金室慎之助(通称「しんの」)と二人で上京し専門学校へ進学するつもりだったのですが、そういう事情で故郷に残りました。「しんの」はバンドを組んでいたのでギタリストとして成功する夢を持って上京し、それきりになっていました。あおいは当時4歳で、バンドに差し入れにいくあかねにくっついて練習場所の寺のお堂にいっては「しんの」に可愛がられ、将来バンドのベーシストにしてやると言われていました。
時は流れ現在、あおいはこれ以上あかねの負担になりたくないと、高校卒業後進学せず上京する決意を固めています。そしてベーシストとして音楽業界での成功を夢見て、今もあのお堂で練習を重ねています。あかねは役場に勤め堅実な生活をしつつ、あおいの送迎までしています。高校時代のバンドのドラマーであったバツイチコブツキの中村正道はあかねに気があり、あわよくば結婚したいと思っていますが、あかねはいつもはぐらかしています。
そんなお膳立てをした上でのある日、お寺のお堂で練習するあおいの前に、13年前そのまんまの「しんの」が現れたからさあ大変!
しかも同じ日にあかねとあおい、正道親子の前に、正道が町おこしイベントで招聘した大物演歌歌手のバンドの専属ギタリストとして、本物の慎之助が現れた!
お堂の「しんの」は「生き霊」なのか?にしても何故?
そこからあおいとあかね、「しんの」と慎之助の奇妙な四角関係騒動が始まります。超平和バスターズお得意の不思議でちょっと切なくて「大人でも泣ける」物語、あとは読んでのお楽しみ。
全体に丁寧にノベライズされており、作家としての個性は消してうまく各シーンを文字で再現していく額賀澪さんの筆致には好感が持てます。ゴダイゴのガンダーラの音楽とともに、どのページをめくっても半年以上前に見たきりであった映画のシーンが鮮明に蘇ってきました。あかねが卒業文集に書いた
井の中の蛙 大海を知らず されど 空の青さを知る
の意味、そして使われ方もうまく再現されています。
敢えて言えば、あおいの語りで話が進むため、他の人物、特に今回は正道の掘り下げ方が浅かったように思いました。
それでも映画をしっかり追体験でき、映画ではエンドロール中の絵での紹介でしか見られなっかった「その後」についても「エピローグ」でしっかり書かれていますので、映画が好きな方にはお勧めです。映画がまだの方でも一日あれば十分読めますし、イラストもたくさん挿入されているので楽しめます。ストーリーが気に入ればぜひ映画もご覧ください。
これからも超平和バスターズからは目が離せません! ( ← 額賀澪さんじゃないのか )
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馬鹿馬鹿しくなったので退会しました。2021/10/8
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:224
- ISBN:9784041086551
- 発売日:2019年08月23日
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