ぽんきちさん
レビュアー:
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街で見かけるあのネコ、このネコ。いろんな色や柄があるのはなぁぜ?
ニャンコである。
図鑑である。
かわいいネコ写真満載である。
でもそれだけではないのがこの本のミソ。
ネコの色や柄がどうして生まれるのか、不思議に思ったことはないだろうか。
このお父さんとこのお母さんからどんな模様の子が生まれるのか。
この子のお父さんは不明なんだけど、いったいどんな色柄だったのか。
この本を読めばだいたいわかるという仕組み。
ネコの毛は、主に、白・黒・茶からなる。黒には1本の毛が全部黒のものと、根本と先端が黒で中間が茶色(アグチ)のものがある。
そしてネコの主な模様はといえば、キジ(縞)、単色、ブチ、二毛、三毛である。
細かく分ければもっと分けることはできるが、基本はこうなる。
で、それぞれを支配するのは、遺伝子である。
ネコの毛色とその配置を決める遺伝子が、そのネコの模様を決めていく。
W遺伝子は毛を白にする。
O遺伝子は毛を茶色にする。
A遺伝子は毛をアグチにする。
C遺伝子は体全体に毛の色素を作る。
D遺伝子は毛の色全体を濃くする。
S遺伝子はブチを作る。
といった具合。
これらにはそれぞれ優性遺伝子(大文字)と劣性遺伝子(小文字)があり、個体はこれらをペアで持つ。例えばWの場合はWWとWwとwwを持つものがいるが、Wが1つでもあれば白い個体になる。wwの場合のみ、白い毛の発現が抑えられて、別の色の個体となるわけである。
これらの遺伝子の働きが組み合わされてネコの色柄が生まれるのだが、1つおもしろいのは、Wである。この遺伝子は、働きが強く、Wが1つあれば、ほかの色は抑えられて、その個体は白ネコになる。
でもあれあれ? 白ネコってそんなに多いかなぁ・・・?
そう、白の遺伝子Wは遺伝的には優性だけど、それは生存力の強さとは一致しない。
白い個体は自然界では目立ち、また、Wは聴細胞の発育不全とも関連すると考えられている。白ネコは実は生き残るには不利なのだ。
その他、二毛や三毛はどうしてメスだけなのか、など、ネコの毛色のあれこれがいっぱい。
巻末には遺伝子当てクイズ付き。
かわいいネコの写真でちょっぴりお勉強、の図鑑です。
*遺伝子と生物。こんなのもあります
・『変化朝顔図鑑』
・『よくわかる 犬の遺伝学』
図鑑である。
かわいいネコ写真満載である。
でもそれだけではないのがこの本のミソ。
ネコの色や柄がどうして生まれるのか、不思議に思ったことはないだろうか。
このお父さんとこのお母さんからどんな模様の子が生まれるのか。
この子のお父さんは不明なんだけど、いったいどんな色柄だったのか。
この本を読めばだいたいわかるという仕組み。
ネコの毛は、主に、白・黒・茶からなる。黒には1本の毛が全部黒のものと、根本と先端が黒で中間が茶色(アグチ)のものがある。
そしてネコの主な模様はといえば、キジ(縞)、単色、ブチ、二毛、三毛である。
細かく分ければもっと分けることはできるが、基本はこうなる。
で、それぞれを支配するのは、遺伝子である。
ネコの毛色とその配置を決める遺伝子が、そのネコの模様を決めていく。
W遺伝子は毛を白にする。
O遺伝子は毛を茶色にする。
A遺伝子は毛をアグチにする。
C遺伝子は体全体に毛の色素を作る。
D遺伝子は毛の色全体を濃くする。
S遺伝子はブチを作る。
といった具合。
これらにはそれぞれ優性遺伝子(大文字)と劣性遺伝子(小文字)があり、個体はこれらをペアで持つ。例えばWの場合はWWとWwとwwを持つものがいるが、Wが1つでもあれば白い個体になる。wwの場合のみ、白い毛の発現が抑えられて、別の色の個体となるわけである。
これらの遺伝子の働きが組み合わされてネコの色柄が生まれるのだが、1つおもしろいのは、Wである。この遺伝子は、働きが強く、Wが1つあれば、ほかの色は抑えられて、その個体は白ネコになる。
でもあれあれ? 白ネコってそんなに多いかなぁ・・・?
そう、白の遺伝子Wは遺伝的には優性だけど、それは生存力の強さとは一致しない。
白い個体は自然界では目立ち、また、Wは聴細胞の発育不全とも関連すると考えられている。白ネコは実は生き残るには不利なのだ。
その他、二毛や三毛はどうしてメスだけなのか、など、ネコの毛色のあれこれがいっぱい。
巻末には遺伝子当てクイズ付き。
かわいいネコの写真でちょっぴりお勉強、の図鑑です。
*遺伝子と生物。こんなのもあります
・『変化朝顔図鑑』
・『よくわかる 犬の遺伝学』
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分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。
本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。
あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。
「実感」を求めて読書しているように思います。
赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。現在、中雛、多分♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw
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この書評へのコメント
- ぽんきち2019-11-11 22:09
そうそう、三毛はほぼメスですが、まれにオスが出ることがあるそうですね。
茶色を作るO遺伝子はOだと茶色、oだと黒になります。Ooの場合にのみ、茶と黒とが出ます。三毛の場合はこれにさらにブチを作るSが必要になります。
ところで、O遺伝子は性染色体であるX染色体に乗っています。メスの場合はX染色体が2つありますから、Oとoの両方を持つことができます。ところがオスは通常、XYですから、Oかoしか持つことができず、基本、三毛は生まれないことになります。
それでもオスの三毛が出てくるのはなぜかというと、XXY(クラインフェルター症候群)のオスが生まれることがあるためです。また転座と呼ばれる遺伝子の移動が起こりO遺伝子がY染色体上に移る場合もあります。いずれも確率としては非常に低いので、オスの三毛は非常に珍しいということになります。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 コメントするには、ログインしてください。
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- 出版社:化学同人
- ページ数:112
- ISBN:9784759820157
- 発売日:2019年08月08日
- 価格:1540円
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