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rodolfo1さん
rodolfo1
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パリに爆弾魔が現れ、パリは大混乱に陥る。しかも犯人は自首して来た。カミーユを名指しで担当に要求した犯人は、意外な要求をする。再びカミーユ・ヴェルーヴェン警部が活躍するシリーズ最終作。
なんでもルメートル先生は、このミステリのトリックを突然思いつき、更にかのカミーユ・ヴェルーヴェンを再登場させる事も思いついてしまった模様です。あの複雑な彼の嬉しい再登場ですね。

パリの街に爆弾魔が登場します。第一次世界大戦の折、フランスに降り注いだ多数の砲弾は未だに多くが放置されていました。爆弾魔、ジャン・ガルニエは、そうした砲弾を拾って来て、爆弾を自作しました。それをパリの街角に仕掛け、爆発する所を撮影しました。爆弾は見事に爆発し、街角は大混乱に陥りますが、幸い死人は出ませんでした。

パリ警視庁の警部、カミーユは、爆発のニュースをラジオで聞きながら、彼女の家に行こうとしていました。すると突然警視庁から呼び出しを食らいます。爆弾魔が自首して来て、有名なヴェルーヴェン警部にしか話をしないと言ったのでした。目撃者の証言から、その男、ジャンが犯人であると確定されました。ジャンは爆弾を全部で7つ仕掛けたと言いました。そしてカミーユに目的を告げます。自分と、逮捕拘留中の母親ロージーを釈放して新しいIDを用意し、オーストラリア行きのチケットと500万ユーロを用意しろと言うものでした。

母親のロージーは、ジャンの彼女を轢き殺したのでした。ロージーとジャンは毎日言い争ってばかりの生活でした。何故その母親を助けようとするのかとカミーユは聞きますが、ジャンは母親のせいではなかったのだと言いました。カミーユは担当を外され、テロ対策班にジャンの身柄は移されました。しかしジャンは黙秘し、カミーユとしか話さないと言い、またカミーユは担当に戻されました。次の爆弾は今日の朝9時に爆発する、幼稚園に仕掛けたと言いました。ロージーにジャンを説得させようと二人を会わせますが、ロージーは、私を捨てないでと絶叫し、ジャンは震えながら固まっていました。そして仕掛けた場所はパリではない、と言いました。

万策尽きたカミーユでしたが、幸い爆弾は爆発しませんでした。ある作業員が共同溝に仕掛けられていた爆弾を発見しました。その爆弾は、3日後に爆発するようセットされていました。カミーユはロージーの調書を精査し、ある日ロージーが理由なく仕事を休んだ事に気づきました。その日は、元のジャンの雇い主が作業場から落ちて死んだ日でした。また、カミーユはジャンの彼女だった年増女が、入浴中にドライヤーで感電死した事を掴みました。その事実をジャンに告げますが、ジャンは頑なに要求を繰り返しました。

夜の9時になり、オルレアンの幼稚園が爆破されました。今回も誰も死にませんでした。カミーユは上層部に、ジャンの要求を容れるよう要求します。カミーユは首相に呼び出されます。。。。

通常のルメートル作品の大体半分の長さのミステリでした。しかしトリックは大変良く出来ており、最後までぐいぐいひっぱる迫真の出来でした。ルメートル先生は、もうカミーユ物を書かないと明言されておられますので、ファンにとっては貴重な作品になったと思いました。
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rodolfo1
rodolfo1 さん本が好き!1級(書評数:857 件)

こんにちは。ブクレコ難民です。今後はこちらでよろしくお願いいたします。

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