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かもめ通信
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トレードマークは縁なし眼鏡と右側がぴょこんと跳ねたショートヘア。「おかしいわ。ここに入れたはずだけど……」とバッグの中をガサゴソ探って、小柄な彼女がようやく取り出すのが警察バッジなのはお約束。
黒っぽいスーツ姿で、縁なしの眼鏡をかけ、
髪はショートで大抵は右側の一部がぴょこんとはねている。
身長152センチと小柄なこの女性、
大抵の登場シーンでバッグを開けて中味を探る。
「おかしいわ。ここに入れたはずだけど……」
そうしてようやく取り出すのは警察バッジ。

その間に、彼女を知らない現場の制服警官が
「関係者以外立ち入り禁止」だと
押し戻すのもお約束だ。

どこぞの事務員か、セールスか
あるいは就職活動中の……?
と初対面の相手を惑わすその風貌の主こそが本書主役の福家警部補。
たとえ鑑識の人間だろうが、
自分が着くまでは何も動かしてはいけない
そう厳命する殺人事件の捜査を指揮する敏腕刑事というわけだ。

本書は彼女の活躍を描いた連作短篇集ではあるが、
主役の彼女が登場するのは毎度毎度
物語がはじまって暫くたってからになる。

そうこれは、
物語の出だしで犯人や犯行の様子が明かされる倒叙ミステリ集だったのだ。

収録作品は
「最後の一冊」
「オッカムの剃刀」
「愛情のシナリオ」
「月の雫」
の4篇。

倒叙ミステリの場合どうしても
読者は探偵役よりも犯人との方がつきあいが長くなる分、
情が移ってしまいがちな気がするのだけれど、
これは短篇集であることや
探偵役の福浦警部補と
その相方的役割を担う機動鑑識班の二岡氏が
いい味をだしていることもあって
すんなりと主役に肩入れすることができる。
TVドラマにも向いてるかも……
と思ったら、とうの昔(2009年)に永作博美主演で放映されていたらしい。

なかなか面白く読んだので
続編に手を伸ばしてもいいかも…と思いつつも
Kindle版には解説が未収録だったことには少なからぬショックを受けた。
(紙本よりも価格が安い分、しかたがないことなのだろうか?)
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2236 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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参考になる:28票
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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2019-05-28 06:28

    【公式】東京創元社文庫創刊60周年祝企画 くらりからの挑戦状
    https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no354/index.html?latest=20
    参加レビューです。

  2. タカラ~ム2019-05-28 07:10

    >TVドラマにも向いてるかも……
    >と思ったら、とうの昔(2009年)に永作博美主演で放映されていたらしい。

    2014年には、檀れい主演でもドラマ化されてますね。

  3. かもめ通信2019-05-28 07:49

    ええっ!そうなの?知らなかったww

  4. かなえ2019-05-28 19:56

    kindle本には、解説が無いものが多いみたいですね。
    クリスティー文庫も解説が無いので、
    手離した紙本をまた集め出したりしてます( ̄▽ ̄;)

  5. かもめ通信2019-05-28 20:26

    解説未収録なら未収録でその旨、明記しておいてくれればいいんですけれどね~。
    既読の翻訳物なんか解説読みたくて買うことさえありますからね( ̄▽ ̄;)

  6. No Image

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