書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

DBさん
DB
レビュアー:
ピラミッドを解明する本
ピラミッド。金字塔。
なんと呼ぼうが人力が主な動力源であった古代エジプトにおいて、気の遠くなるような労働の末に作られた建造物である。
本書はそのピラミッドがどのようにして作られたかに主眼を置いて書かれた本です。
40年くらい前の本なので、その後もいろいろと新たな発見があるのだろうけど読んでて面白かった。

「黄金のファラオと大ピラミッド展」を見に行く前に、予習がてら気分を盛り上げておこうと買って読んだのは何年前だろう。
今年になってようやくエジプトに行くチャンスがあり、ギザの三大ピラミッドを目にすることができた。
間近で見るほどその大きさに圧倒されたし、これだけのものを作り上げる原動力がどこにあったのだろうと思いました。

ピラミッドは第三王朝ジョセル王のために宰相イムホテプが発案し設計したのが最初であるとされる。
農民と遊牧民の混合であった上下エジプトの国民の誰もが、偉大なファラオの墓を崇められるような建造物になるように。
それが形になったのが階段ピラミッドという未曾有の建造物です。
発案の経緯と当時のエジプトの死生観についても詳しく説明されている。

そして第四王朝へと移り、スネフル王の屈折ピラミッドを経て有名な三大ピラミッドの建造がはじまった。
ピラミッドは農閑期を利用して、食料などの対価を支払う形で労働力を確保したという。
男女の権利が平等に近かったことといい、古代エジプトの社会は暗黒の中世に比べれば随分と人権に公平だったのかもしれない。
人々もファラオの墓を作る手伝いをすることで、自分も死後の世界でより良い生活ができると信じていたようだし。
今で言う寺社仏閣への寄進のようなものでしょうか。

三大ピラミッドのあとも規模を縮小し場所を移動しながらピラミッドが作られたようで、100基以上のピラミッドが発掘されているそう。
そしてピラミッドがどのようにして作られたのかについて、石の切り出し方や平行の取り方、南北の調整に石の積み上げ方などを検証していく。
レンガで足場を作ってから積み上げていったのが有力な説のようです。
使用後のレンガはいくらでも再利用できるしね。

他にもピラミッドの作り方として出された説も紹介されている。
運河を作って石を積み上げる説が、超能力で石を運んで積み上げた説と同列に置かれているのが面白い。
ピラミッドパワーについて真剣に検証した実験についても書かれています。
カミソリの刃が切れるようになったり、ウィスキーやオレンジジュースがまろやかになったり。
防腐作用やピラミッドパワーで浄化した水の美肌効果なんていうのもありました。
磁力や宇宙エネルギーなんていう説も出ているが、物理的に解明されることがあるのだろうか。
使われている石の総量について数学的に分析している部分もあったが、全体的には素人向けにわかりやすく書かれていて読みやすかった。
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
DB
DB さん本が好き!1級(書評数:1999 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

読んで楽しい:3票
参考になる:24票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『ピラミッドの謎』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ