かもめ通信さん
レビュアー:
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偉業を成し遂げたわけでも、波瀾万丈の人生を歩んだわけでもない。一人の人の一生を淡々と語りあげた作品がどうしてこうも読み手の心に響くのだろう。
幼くして母を亡くし、
オーストリアアルプスにある村の農場主だった伯父の元に引き取られたエッガーは
幼い頃から過酷な労働を強いられたばかりか、
伯父の折檻が原因で生涯、片足を引きずることになる。
それでも寡黙に働き続け、たくましく成長した男は
あちこちで日雇いの賃仕事をひきうけ
貧しいながらも独立し暮らしを営むようになる。
やがて恋をして、
安定した収入を得て、彼女を幸せにしたい一心から
アルプスの山々にロープウェイ建設する会社に職を得て
常に危険と背中合わせの建設現場で働くようになる。
だが、幸せな結婚生活も長くは続かなかった。
戦争、災害、時代の変化と人生の舞台背景は刻々と変わり
エッガーの暮らしぶりもまた様々な変化を余儀なくされるにもかかわらず、
時はいつも静かに流れていく。
本を読み終えたあとも
アルプスの雄大な自然を思い浮かべながら
そこで暮らす人々の暮らしに思いをはせる。
偉業を成し遂げたわけでも、
波瀾万丈の人生を歩んだわけでもない
一人の人の一生を淡々と語りあげた作品が
どうしてこうも読み手の心に響くのだろうと思いながら。
オーストリアアルプスにある村の農場主だった伯父の元に引き取られたエッガーは
幼い頃から過酷な労働を強いられたばかりか、
伯父の折檻が原因で生涯、片足を引きずることになる。
それでも寡黙に働き続け、たくましく成長した男は
あちこちで日雇いの賃仕事をひきうけ
貧しいながらも独立し暮らしを営むようになる。
やがて恋をして、
安定した収入を得て、彼女を幸せにしたい一心から
アルプスの山々にロープウェイ建設する会社に職を得て
常に危険と背中合わせの建設現場で働くようになる。
だが、幸せな結婚生活も長くは続かなかった。
戦争、災害、時代の変化と人生の舞台背景は刻々と変わり
エッガーの暮らしぶりもまた様々な変化を余儀なくされるにもかかわらず、
時はいつも静かに流れていく。
本を読み終えたあとも
アルプスの雄大な自然を思い浮かべながら
そこで暮らす人々の暮らしに思いをはせる。
偉業を成し遂げたわけでも、
波瀾万丈の人生を歩んだわけでもない
一人の人の一生を淡々と語りあげた作品が
どうしてこうも読み手の心に響くのだろうと思いながら。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:新潮社
- ページ数:153
- ISBN:9784105901585
- 発売日:2019年06月27日
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