休蔵さん
レビュアー:
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本書が紹介する「私設圖書館」は、京都市にある有料のスペース。本書は「私設圖書館」を立ち上げて、経営してきた店主が著した1冊。「型にはまらない生き方」を追求した先に結実した空間です。
本書が紹介する「私設圖書館」をはじめて知ったのは、NHK総合の「ドキュメント72時間」だった。
いろんな人たちが思い思いに過ごす不思議な空間が映し出されていて、妙に魅かれてしまった。
京都市にあること、そして有料のスペースであることも番組で知った。
本書は「私設圖書館」を立ち上げて、経営してきた店主が著した1冊である。
「型にはまらない生き方」
それが「私設圖書館」を運営するもとになった考え方。
「型にはまらない」の意味するところは、「「自分の人生を他人に預けない」「人まかせにしない」ということらしい。
それは相当難しい選択だと思う。
多くの人は高校卒業あるいは大学卒業のタイミングで自分の将来のことを考える。
真剣さは人それぞれで、なんとなく先輩が歩むルートを追随したり、親が示してくれた道を選択することもある。
もちろん、自分なりに調べた道を歩み始める人もいるだろう。
どの道もが正解であり、問われるべきは歩み始めた道でどのように過ごすかだろう。
でも、将来をじっくりと考え込みすぎると、案外前に進めなくなってしまうものかもしれない。
本書著者には大手企業の就職の道もあったとのこと。
京都大学の卒業間近、教授の口利きであっさり内定は手に入れた。
しかしながら、思い悩んだ末、その道は放棄することにした。
そして、「私設圖書館」の開館となる。
「私設圖書館」の大きな特徴は有料であること、夜遅くまで開いていること、そして書籍を配架することい重きを置かないことだろうか。
有料とは言え、徴収する金額なんて知れているし、そもそも儲かろうと気持ちはないようだ。
開館時間が深夜に及ぶことは大きな特徴だろう。
勉強する場所を求める人たちの拠り所として、深夜まで開いていてくれることは重要な条件だ。
「私設圖書館」は本を読んでも、勉強をしても良い。
扱うのは自分の本だって構わない。
飲食も咎められない。
むしろコーヒー付きだ。
他人の邪魔をしなければ、それで良い。
時代が変われば道具は原稿用紙からパソコンになり、いまではwifiも完備されているという。
ただ、その空間で快適に過ごしてくれれば良いということのようだ。
「サードプレイス」という概念がある。
家庭が第1の場所で、第2は職場。
そして、第1でも第2でもなく、リラックスして過ごすことのできる第3の場。
その第3の場所の重要性が主張されるようになってきた。
「私設圖書館」はそんな第3の場所として最適な空間ではないか。
最近では有料の勉強スペースが増えてきた。
資格取得のため、新たな職域のため、多くの人たちが対価を支払って、勉強のための空間を確保するようになった。
それもなかなかの金額で。
前向きな考え方で、少々前のめりな人たちが集まる印象が強く、自分なんてとても足を踏み入れることはできない。
異業種交流の交流というイベントなんかも催されるようで、いよいよ縁遠い。
自分にはそんな空間はまぶしすぎる。
少々薄暗く、周りに干渉せず、干渉されずに静かに過ごす空間があれば十分。
その空間の確保は相当に難しいのが実情だ。
「私設圖書館」はまさしくそんな空間だ。
開館は昭和48年で、半世紀の経営となる。
そんな空間を求め続ける人もまた多いということだろう。
これからもきっと。
いろんな人たちが思い思いに過ごす不思議な空間が映し出されていて、妙に魅かれてしまった。
京都市にあること、そして有料のスペースであることも番組で知った。
本書は「私設圖書館」を立ち上げて、経営してきた店主が著した1冊である。
「型にはまらない生き方」
それが「私設圖書館」を運営するもとになった考え方。
「型にはまらない」の意味するところは、「「自分の人生を他人に預けない」「人まかせにしない」ということらしい。
それは相当難しい選択だと思う。
多くの人は高校卒業あるいは大学卒業のタイミングで自分の将来のことを考える。
真剣さは人それぞれで、なんとなく先輩が歩むルートを追随したり、親が示してくれた道を選択することもある。
もちろん、自分なりに調べた道を歩み始める人もいるだろう。
どの道もが正解であり、問われるべきは歩み始めた道でどのように過ごすかだろう。
でも、将来をじっくりと考え込みすぎると、案外前に進めなくなってしまうものかもしれない。
本書著者には大手企業の就職の道もあったとのこと。
京都大学の卒業間近、教授の口利きであっさり内定は手に入れた。
しかしながら、思い悩んだ末、その道は放棄することにした。
そして、「私設圖書館」の開館となる。
「私設圖書館」の大きな特徴は有料であること、夜遅くまで開いていること、そして書籍を配架することい重きを置かないことだろうか。
有料とは言え、徴収する金額なんて知れているし、そもそも儲かろうと気持ちはないようだ。
開館時間が深夜に及ぶことは大きな特徴だろう。
勉強する場所を求める人たちの拠り所として、深夜まで開いていてくれることは重要な条件だ。
「私設圖書館」は本を読んでも、勉強をしても良い。
扱うのは自分の本だって構わない。
飲食も咎められない。
むしろコーヒー付きだ。
他人の邪魔をしなければ、それで良い。
時代が変われば道具は原稿用紙からパソコンになり、いまではwifiも完備されているという。
ただ、その空間で快適に過ごしてくれれば良いということのようだ。
「サードプレイス」という概念がある。
家庭が第1の場所で、第2は職場。
そして、第1でも第2でもなく、リラックスして過ごすことのできる第3の場。
その第3の場所の重要性が主張されるようになってきた。
「私設圖書館」はそんな第3の場所として最適な空間ではないか。
最近では有料の勉強スペースが増えてきた。
資格取得のため、新たな職域のため、多くの人たちが対価を支払って、勉強のための空間を確保するようになった。
それもなかなかの金額で。
前向きな考え方で、少々前のめりな人たちが集まる印象が強く、自分なんてとても足を踏み入れることはできない。
異業種交流の交流というイベントなんかも催されるようで、いよいよ縁遠い。
自分にはそんな空間はまぶしすぎる。
少々薄暗く、周りに干渉せず、干渉されずに静かに過ごす空間があれば十分。
その空間の確保は相当に難しいのが実情だ。
「私設圖書館」はまさしくそんな空間だ。
開館は昭和48年で、半世紀の経営となる。
そんな空間を求め続ける人もまた多いということだろう。
これからもきっと。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:コトコト
- ページ数:160
- ISBN:9784903822594
- 発売日:2018年11月20日
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