たけぞうさん
レビュアー:
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やっぱりお寿司が好き!
おいしい文藝シリーズというのがあるのですね。
本が好き! のおいしいもの書評マスターの薄荷さんが追いかけていて、
毎回そそられていました。
しかし、多くの積読と図書館の新刊ラッシュに読み順を
ねじ込むことができません。いつか読もうとリストに入れるばかりでした。
そんな状況でしたが、お寿司篇が出てついに陥落です。
きっかけはこちらです。「薄荷さんの書評」
まったく罪な書評です。だってわたし、何よりもお寿司が大好きですから。
全部で三十二篇のエッセーのアンソロジーです。
古今東西、あちこちの本から拾い集めています。
巻末に出典があるのですが、とんでもなく幅が広いことが分かります。
有名作家さんのオンパレードで、よく集めたなあと感心しますし、
内容もしっかりしているので読んでよかったと思いましたね。
古くは石川達三さん・中谷宇吉郎さんなど、
グルメ代表で嵐山光三郎さん・北王子魯山人さんの超有名どころ、
文学者以外では林家正蔵さん・山田五郎さん、
現代作家で角田光代さん・宮下奈都さん・柚木麻子さん。
幸田文さんや穂村弘さんもありますし、
村上春樹さんと安西水丸さんの対談なんていうのもあります。
これでも有名作家をこぼしまくりで、目次を見ると驚きのメンバーで
あることがお分かり頂けると思います。
グルメといわれる人たちの情熱はすごいものがあります。
新たに銀座や新橋に出てきた安い系の寿司屋を批判し、
あるいは現代になれば回転すしをあんなものと切り捨てます。
高級寿司至上主義、いいものでなければ食べる価値なしの主張です。
一方で、安いお寿司だっていいじゃん、充分満足できるものもあるよという
主張をする人もいます。よくある対立構造です。
まあどっちもどっちだよなと思いつつ、この本を読んだからこそ
気づいたことがあります。
自分の主張が正しいというマウント思考は、圧倒的に男性作家なのです。
しかも外食ばかり。
じゃあ女性作家はというと、自分で作ったちらし寿司とか、
実家の母の味とか、家庭的なつながりが中心です。
仲間うちでいかに自分の居場所を保つかという感じです。
何かの本質を見た気がします。
わたし、一番好きなネタはサーモンで、続いて光りものです。
小学生のころ、スモークサーモンに生たまねぎを載せ、
緑色のケイパーとともに食べるという組み合わせに衝撃を受けたことが
始まりです。その時に何かのスイッチが入ったようなのです。
最近の回転寿司に多いトロサーモンは油がべたべたすぎて嫌いで、
ましてやマヨネーズを載せたサーモンは論外です。
蓄養の悪さではないかと思っています。
マヨネーズが嫌いという訳ではなく、サラダ巻きはOKです。
サーモンマヨネーズは、素材の味を壊してしまっているから嫌なのです。
サーモンに限らないのですが、身の中に詰まった油を感じつつ、
外身は爽やかにという食べ合わせが好きでして。
素材の味が生かされている感じがするんですよね。
きっとそれは、生たまねぎとケイパーと一緒に食べた記憶が
ベースにあるからなのでしょう。
光ものも、やはり脂ののった身をさっぱり食べられるネタが好きです。
いわし、あじはもちろんのこと、生に近いしめ鯖は最高です。
ちょっと雰囲気の違うさよりも好きです。
さんまの握りは店による差がとても大きいネタで、
廻らない寿司屋さんで食べた一品がいまだに忘れられません。
自分の記憶の中のお寿司を味わえる作品です。
安い高いや、お店や家庭で優劣をつけるのは愚の骨頂、
どれもが素敵でそれぞれにいいところがあることに気づく、
お寿司好きの人のための一冊です。
本が好き! のおいしいもの書評マスターの薄荷さんが追いかけていて、
毎回そそられていました。
しかし、多くの積読と図書館の新刊ラッシュに読み順を
ねじ込むことができません。いつか読もうとリストに入れるばかりでした。
そんな状況でしたが、お寿司篇が出てついに陥落です。
きっかけはこちらです。「薄荷さんの書評」
まったく罪な書評です。だってわたし、何よりもお寿司が大好きですから。
全部で三十二篇のエッセーのアンソロジーです。
古今東西、あちこちの本から拾い集めています。
巻末に出典があるのですが、とんでもなく幅が広いことが分かります。
有名作家さんのオンパレードで、よく集めたなあと感心しますし、
内容もしっかりしているので読んでよかったと思いましたね。
古くは石川達三さん・中谷宇吉郎さんなど、
グルメ代表で嵐山光三郎さん・北王子魯山人さんの超有名どころ、
文学者以外では林家正蔵さん・山田五郎さん、
現代作家で角田光代さん・宮下奈都さん・柚木麻子さん。
幸田文さんや穂村弘さんもありますし、
村上春樹さんと安西水丸さんの対談なんていうのもあります。
これでも有名作家をこぼしまくりで、目次を見ると驚きのメンバーで
あることがお分かり頂けると思います。
グルメといわれる人たちの情熱はすごいものがあります。
新たに銀座や新橋に出てきた安い系の寿司屋を批判し、
あるいは現代になれば回転すしをあんなものと切り捨てます。
高級寿司至上主義、いいものでなければ食べる価値なしの主張です。
一方で、安いお寿司だっていいじゃん、充分満足できるものもあるよという
主張をする人もいます。よくある対立構造です。
まあどっちもどっちだよなと思いつつ、この本を読んだからこそ
気づいたことがあります。
自分の主張が正しいというマウント思考は、圧倒的に男性作家なのです。
しかも外食ばかり。
じゃあ女性作家はというと、自分で作ったちらし寿司とか、
実家の母の味とか、家庭的なつながりが中心です。
仲間うちでいかに自分の居場所を保つかという感じです。
何かの本質を見た気がします。
わたし、一番好きなネタはサーモンで、続いて光りものです。
小学生のころ、スモークサーモンに生たまねぎを載せ、
緑色のケイパーとともに食べるという組み合わせに衝撃を受けたことが
始まりです。その時に何かのスイッチが入ったようなのです。
最近の回転寿司に多いトロサーモンは油がべたべたすぎて嫌いで、
ましてやマヨネーズを載せたサーモンは論外です。
蓄養の悪さではないかと思っています。
マヨネーズが嫌いという訳ではなく、サラダ巻きはOKです。
サーモンマヨネーズは、素材の味を壊してしまっているから嫌なのです。
サーモンに限らないのですが、身の中に詰まった油を感じつつ、
外身は爽やかにという食べ合わせが好きでして。
素材の味が生かされている感じがするんですよね。
きっとそれは、生たまねぎとケイパーと一緒に食べた記憶が
ベースにあるからなのでしょう。
光ものも、やはり脂ののった身をさっぱり食べられるネタが好きです。
いわし、あじはもちろんのこと、生に近いしめ鯖は最高です。
ちょっと雰囲気の違うさよりも好きです。
さんまの握りは店による差がとても大きいネタで、
廻らない寿司屋さんで食べた一品がいまだに忘れられません。
自分の記憶の中のお寿司を味わえる作品です。
安い高いや、お店や家庭で優劣をつけるのは愚の骨頂、
どれもが素敵でそれぞれにいいところがあることに気づく、
お寿司好きの人のための一冊です。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:河出書房新社
- ページ数:208
- ISBN:9784309027852
- 発売日:2019年03月14日
- 価格:1728円
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