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佐野史郎+ハダタカヒトによる、得体の知れない恐ろしい何か。

  • 怪談えほん (11) まどのそと
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  • 出版社:岩崎書店
怪談えほん (11) まどのそと
怪談えほんシリーズの中で一番怖い作品はどれ?

Amazonレビューなどを見ると、比較的多くの人が京極夏彦+町田尚子の『いるの いないの』を一番怖いと評価しているようだ。だが、そこでやっているのは、語り手が最後の最後にいきなり大声を出して聞き手を驚かす「怪談語り」の手法そのもののでしかなくて、残念ながら私には少しも怖いと思えなかった(私としては、絵に出てくるネコたちが可愛いので結構好きな1冊ではあるのだが)。

対して、私がここまでのシリーズの中で一番怖いと思ったのが、佐野史郎+ハダタカヒトによる、この『まどのそと』である。

『まどのそと』の怖さは、恐怖の対象が何なのかよく分からない点にある。まどが かたかた なっている家に暮らす少年が主人公で、にゅーすで かざんが ふんかしたという一文からは自然災害を恐怖の対象にしているようにも見えるが、それ以上に少年の周囲は何かがおかしい。それはふんかがもたらしたものなのか、それより前からそうだったのかは分からないが、ふんか以上に異様で、それゆえに得体の知れない恐さがある。

怪談えほんのシリーズ編集を務める東雅夫は「こけおどしではない、本気で怖い本作りを目指した」と述べているが、といっても所詮は子供向けだから、いつもは気にせずページをめくれる。けれど、この本だけはページをめくる手がとても緊張した。
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  • 掲載日:2022/05/31
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