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献本書評
かもめ通信
レビュアー:
クリムト好きなあなたはもちろん、ちょっと苦手だというあなたにもお薦めな見応えのある1冊!
“パイインターナショナルと海野弘さんのタッグとなれば、これはもう豪華な装丁でボリュームたっぷりの美しい本に違いない!”
そう思って、うきうきしながら献本に応募し、運良く当選して送っていただいた本を手にして驚いた。
なんと!この本、光っている!!
写真ではいまいちわからないかもしれないが、表紙の装丁からして黄金色!!まばゆいばかりに光っているのだ!
コレを見て思いだしたのは、かつてウィーンで見たゼツェシオン館(分離派会館)。



そういえばあれも建物からして金ぴかだったっけ。
そしてついで(?)に思い出した。
そういえば私、クリムトってちょっと苦手だったんだっけ。(っていまさら!)

あれこれ考えながら、ページをめくると最初に登場するのは、クリムトが活躍した世紀末の時代背景と西洋の東に位置する都、ウィーンの案内だ。
なるほどここに展開されているのは、この本をじっくり楽しむ上でも欠かせない予備知識なのだろうが、いかんせんちょっとくすんだ黄金色のページに載った細かい字がとても読みづらいのが難点だ。

続いて展開するクリムトの絵画作品を紹介する章は、同じ金色でも本当に光沢をもっていて、黒い文字は細かいながらもくっきりと浮かび上がって読みやすい。
ここからは次第に図版も増えて、なんともゴージャスな装い。
ページをめくりながら、初期の作品からその後の変遷をじっくり鑑賞することができる。
(こんな絵も描いていたのか!)と驚きの連続。
クリムトといえば、すぐに『ユディト』や『接吻』を思い浮かべるが、逆に言うとそれぐらいしか知らなかったのだと、改めて自分の無知を知る。

それにしても、クリムトの描く女の尻ときたら!これ、うまいなあ!と思わずうなってしまったり、クリムト版オフィーリアに驚いたり、アールヌーボー風の絵や古代エジプト美術や日本的な文様など様々な文化を取り入れている様子にも興味津々。

ちょっと意外なところは風景画の収録点数も多く、これがなかなか見応えがあること。
エゴンシーレをはじめ同時代の芸術家達の紹介もあり、そんじょそこらの美術展の図録よりよっぽど充実しているはず。
クリムト好きなあなたはもちろん、ちょっと苦手だというあなたにもお薦めできる見応えのある1冊だ。
帯には「ウィーン・モダン クリムト。シーレ世紀末への道」展覧会の割引引替券もついていた。

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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2236 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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