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DBさん
DB
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水族館の裏側を描いた本
2011年12月にオープンした沼津深海水族館のできるまでとその後について書かれた水族館の裏側の本です。
水族館を旅行のメインに沼津に行ったのはいつだっけと振り返ってみたら2016年の夏だった。
その時はメンダコちゃんには会えなかったけど、シーラカンスはしっかり見てきました。
そして沼津名物の深海丼もちゃんと食べたけど、深海バーガーを食べ損ねたのでまた行こうと思ってそのままだったんだ。

こないだ加茂水族館の閑古鳥が鳴いているというツイートが話題になっていたが、深海水族館のオープン初日は冬だというのに大盛況でパニックになってしまったそうです。
多すぎても少なすぎても困るというのが客商売の難しいところですね。
水族館の館長であり著者である石垣氏が沼津と縁ができたのは、さかなクンに頼まれて魚を輸送したのがきっかけだったそうです。
このさかなクンのエピソードはいろんなところで顔を出すが、一番すごいと思ったのはさかなクンが魚の顔を覚えているという話だ。
小学校で飼っていたヒゲダイが大きくなって困っていると相談を受けてさかなクンが手配をして八景島シーパラダイスに引き取ってもらったが、海遊館で泳いでいたヒゲダイが以前自分が手配したヒゲダイだと気づいて聞いてみると八景島からやってきた個体だったそうです。
自分の水槽の魚ならともかく、そんな魚の顔まで覚えているなんてどういう記憶力なんだろう。
それはともかくいろんな縁が絡まってとんとん拍子に話は進み、沼津に水族館を作ろうということになってシーラカンスを目玉にすることに決める。
そして海外の研究者が羨望の眼差しで見つめる駿河湾の漁港ともなれば、深海水族館というコンセプトは決まったも同然だ。

オープンに向けてやることは多いに決まっているが、工事が始まってから資金繰りに奔走したり知事の許可をもらったりと紆余曲折あったようです。
それにハリモグラも飼うことになったけど、飼育方法がわからず工夫した話も出てきていた。
実際にお客さんの声を集めてみると「深海生物が少ない」というのがけっこう多かったそうです。
確かにエビとかカニとかの仲間が多くていかにも深海生物っていう魚は少なかった。
デメニギスとかリュウグウノツカイなんかが泳いでいたらインパクトあるんだろうけど。
実際に深海生物を捕まえてきて飼育する難しさも語られているだけに、「エビばっかりでつまんない」とは言えないな。
沼津深海水族館にはこれからも驚くような進化を遂げてほしいと思います。
本書を読んでから水族館に行ったら二倍楽しめると思います。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2033 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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