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休蔵さん
休蔵
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小さな小さなアリンコは、幼虫のために大きな大きな冒険に出る。ばかでっかいモンスターたちに出会いながら.
 自分と異なる存在の視線でものごとを観察する機会なんて、なかなか訪れるものではない。
 でも、写真という機会を使うことで、それは可能になる。
 その場合、しっかりと視線の軸を確立しておく必要がある。
 本書の軸はアリだ。

 本書はアリが地面から這い出してきた瞬間から始まる。
 アリの目的は幼虫のエサを獲得すること。
 そこで、苦難の旅に出ることになる。
 もちろん、人間にとってはごくごく身近な旅路に過ぎないが、アリにとっては大冒険だ。
 この大冒険の間、アリは多くの昆虫たちと出会う。

 最初に出会ったのはトノサマバッタだ。
 近寄ったら、アリを蹴飛ばして大ジャンプ!
 次はダンゴムシだ。
 足は14本もあるとのこと。
 
 それから、ギンヤンマ、アゲハチョウ、カマキリと出会っていく。
 巨大な鎌を持ち、なんとなく黒目のような斑点を持つオオカマキリ。
 ところで、オオカマキリはアリを捉えることがあるのだろうか?
 その答えは不明なまま、アリは林へ逃亡。
 そこで出会ったのはオオスズメバチ。
 人間にとっても脅威な存在であるオオスズメバチもアリは相手にしないという。
 
 そして、セミ、ノコギリクワガタ、カブトムシと続く。
 見開き画面いっぱいに広がるクワガタの顎は、恐怖の対象としてしかうつらない。
 でも、アリにとっては無関係。
 挟めるものなら挟んでみるといったところか。
 カブトムシは戦い中。
 1匹が相手を投げ飛ばし、勝敗がついた。
 でも、アリからみると、投げられるものなら投げてみろといった感じだろう。
 
 最後はチョウの羽をゲット!

 アリの視線から物事を見ると、どの昆虫も巨大なモンスターになってしまう。
 でも、小さすぎるアリにとっては無関係だ。
 このアリ、日本にいるオオクロアリだから良いが、もしもグンタイアリだったらどうだろう。
 その辺を歩く生き物たちは、どれもが巨大なごちそうに見えているに違いない。
 もちろん、人間も特大なごちそうだ!
 
 養老孟司と宮崎駿の対談集、『虫眼とアニ眼』という1冊があるが、本書は本当の虫眼だ。
 ただぼんやり眺めるもよし、巨大化した虫をじっくり観察するもより、写真の撮影方法に思いをはせるもよしだ。
 さらに、異なる視線でものごとを観察するという方法論を自らに課す人もいるかも知れない。
 僕は・・・眺めるだけかな。
 
 
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休蔵
休蔵 さん本が好き!1級(書評数:448 件)

 ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
 それでも、まだ偏り気味。
 いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい! 

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