休蔵さん
レビュアー:
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世界最後の秘境、深海。そこには誰にも知られていない生物が数多く生息する。本書は、少しずつだが明らかになりつつある深海生物について紹介する。
人間は昔から秘境を旅してきた。
まるで自分が知らないということが許せないかのような強い探求心がそうさせていたみたいに。
そして、次なるターゲットとして深海が選ばれた、ようだ。
本書は、深海に潜り未知を減らしてきている研究の成果の一部を紹介する。
光が届かない深海。
そこには、地上での生活では理解に苦しむ姿形や生活スタイルに溢れていた。
例えば、身に発光器を宿す生物がいる。
蛍光を発するイソギンチャクの仲間は、太陽光が発する紫外線から体を守る働きがあるとか。
オニアンコウの仲間は、光るルアーを口元にぶら下げて獲物をおびき寄せて、パクリ!
ムネエソの仲間は腹部に発光器をたくさん配置することで、下から襲い掛かる敵に自分の姿を見つけにくくすると考えられているそうだ。
深海で発光するという手段でも、その目的は様々なようだ。
透明というものも重要な武器。
アナゴの仲間の子どもは、葉っぱのように薄く、背骨がはっきり視認できる透明の体をもつ。
サメハダホウズキイカの仲間(子ども)もやはり透明。
透明という機能は、敵から身を守るための能力だ。
でも、骨はしっかり見えるのね。
太陽光に栄養を依存することができない世界では、特殊な細菌との共生が重要な要素となる。
細菌の中には無機物から有機物を作り出せるものがいるそうだ。
この細菌が使う無機物は、硫化水素などが酸素と反応する時に生まれるエネルギーだとか。
このような細菌を“化学合成細菌”という。
この細菌がエサとなり、多くの生物が深海で生息できるようだ。
ただし、その場所は熱水噴出孔。
NHKの番組で熱水噴出孔に真っ白なエビような生物が群がっている映像を見たが、そこには化学合成細菌の存在があったようだ。
生物には様々な姿態がある。
それは、その生物が生きる環境に適したもの。
深海のような環境下では、私たち人間が驚くような姿形をし、そこに驚愕の機能を有していて当然なのかもしれない。
なんでも知っているような顔をして、地球上を自分の生活スタイルに変えている人間様。
環境に適するのではなく、便利な生活スタイルに環境を変えてしまう人間のやり方の延長上には、どんな未来が待ち受けているのだろう。
便利さを失うことは怖いものの、そればかりを追求するばかりも怖いものがある。
例えば、マニュアル車では踏み間違えの事故は起きなかったはず。
ノッキングするからね。
オートマ車で踏み間違え事故が起きるようになり、それを防止するため制御装置を取り付けた。
そして、オートドライブへと開発は進む。
人間が運転しないのが当たり前の世の中、それはまさしく「アイ・ロボット」の世界。
映画ではロボットが支配する様子を恐ろしげに描いていたが、その世界はオートドライブを当たり前としていた。
便利さを追求することも大切だと思うが、過酷な環境に適合しながら生きる存在について考えることも必要なのかもしれない。
まるで自分が知らないということが許せないかのような強い探求心がそうさせていたみたいに。
そして、次なるターゲットとして深海が選ばれた、ようだ。
本書は、深海に潜り未知を減らしてきている研究の成果の一部を紹介する。
光が届かない深海。
そこには、地上での生活では理解に苦しむ姿形や生活スタイルに溢れていた。
例えば、身に発光器を宿す生物がいる。
蛍光を発するイソギンチャクの仲間は、太陽光が発する紫外線から体を守る働きがあるとか。
オニアンコウの仲間は、光るルアーを口元にぶら下げて獲物をおびき寄せて、パクリ!
ムネエソの仲間は腹部に発光器をたくさん配置することで、下から襲い掛かる敵に自分の姿を見つけにくくすると考えられているそうだ。
深海で発光するという手段でも、その目的は様々なようだ。
透明というものも重要な武器。
アナゴの仲間の子どもは、葉っぱのように薄く、背骨がはっきり視認できる透明の体をもつ。
サメハダホウズキイカの仲間(子ども)もやはり透明。
透明という機能は、敵から身を守るための能力だ。
でも、骨はしっかり見えるのね。
太陽光に栄養を依存することができない世界では、特殊な細菌との共生が重要な要素となる。
細菌の中には無機物から有機物を作り出せるものがいるそうだ。
この細菌が使う無機物は、硫化水素などが酸素と反応する時に生まれるエネルギーだとか。
このような細菌を“化学合成細菌”という。
この細菌がエサとなり、多くの生物が深海で生息できるようだ。
ただし、その場所は熱水噴出孔。
NHKの番組で熱水噴出孔に真っ白なエビような生物が群がっている映像を見たが、そこには化学合成細菌の存在があったようだ。
生物には様々な姿態がある。
それは、その生物が生きる環境に適したもの。
深海のような環境下では、私たち人間が驚くような姿形をし、そこに驚愕の機能を有していて当然なのかもしれない。
なんでも知っているような顔をして、地球上を自分の生活スタイルに変えている人間様。
環境に適するのではなく、便利な生活スタイルに環境を変えてしまう人間のやり方の延長上には、どんな未来が待ち受けているのだろう。
便利さを失うことは怖いものの、そればかりを追求するばかりも怖いものがある。
例えば、マニュアル車では踏み間違えの事故は起きなかったはず。
ノッキングするからね。
オートマ車で踏み間違え事故が起きるようになり、それを防止するため制御装置を取り付けた。
そして、オートドライブへと開発は進む。
人間が運転しないのが当たり前の世の中、それはまさしく「アイ・ロボット」の世界。
映画ではロボットが支配する様子を恐ろしげに描いていたが、その世界はオートドライブを当たり前としていた。
便利さを追求することも大切だと思うが、過酷な環境に適合しながら生きる存在について考えることも必要なのかもしれない。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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- 出版社:あかね書房
- ページ数:32
- ISBN:9784251098665
- 発売日:2013年06月15日
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