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力を得るということ。

普通の生活を送っていると、突出した人物を羨むことがある。
その気持ちはしばしば妬みにまで発展する。
突出の背景はさまざまで、スポーツが万能であったり、頭の回転が速かったり、記憶力が良かったりといった個人的な能力のこともあれば、その人が生まれついた出自に起因することもある。
運が作用することも多い。
しかしながら、その能力が魔術であった場合、その受け止め方は人それぞれのようだ。
連州の貴族ジェラルド家の末子、ペンリック・キン・ジェラルドは、結婚式への道中に病で倒れた老女を看取った。
老女は魔術師ルチア。
魔術師の魔術の源は魔。
ルチアは息を引き取る際、ペンリックに自らの魔を託した。
後にデスデモーナと名付けられる魔は、過去10人とライオン1頭、馬1頭の転々としてきた。
その間、200年ほど。
その経験と知識、例えば様々な言語が理解可能というものなど、とセットで魔術がペンリックのもとに。
一見、羨ましいことではあるが、それはペンリックに不要な困難をもたらすことに・・・。
力を得るということはどういうことだろうか。
代々の家業を受け継ぐ場合、その家業の勢力いかんによっては羨む対象にも憐れむ対象にもなる。
段違いの運動神経を持った場合、それを伸ばす環境が得られなかったら持てあますことにもなるだろうが、羨む対象であることは間違いない。
頭の回転が良すぎると、他者との円滑なコミュニケーションにも支障が生じそうで、そんな人が回りにもいたが、受験なんかを考えると相当に憧れる能力だ。
では、魔術という普通ではない能力の場合はいかがか?
しかも、本人が望んだわけではなく、偶然のタイミングで突然飛び込んできたとしたら。
本書の世界では、神殿で選び抜かれた人物が魔を身につけるのが主流という。
でも、たまたま魔術師が死んでしまうと、その人物に宿っていた魔は近くの生物に憑依せざるを得ない。
そして、ペンリックはたまたまルチアを看取ったことで魔を身に宿した。
それを羨み、妬んで奪おうとすることは十分あり得ることで、ペンリックは窮地に落ちそうになる。
しかも、信頼していた人物からは猜疑の目が向けられ、そこにも罠が・・・。
そのせいでペンリックには、いろいろな災厄が降りかかることになった。
加えて冒険も。
本書はペンリックにまつわる中編3本を掲載している。
そんなペンリックの物語を読んでも、やはり人より突出するということには羨む気持ちを抱いてしまう。
なんといっても平凡な人間が平凡な生活を送っているのだ、そんな気持ちにもなってしまっても仕方ないではないか。
そもそも平凡とは一体何なのか。
平凡ということも、ある意味では能力なのかもしれない。
ペンリックは結婚式への道中、魔を身に宿すことになった。
この結婚式は自身のもの。
魔を宿したことでペンリックは婚約破棄となり、家族からも距離をとられることになってしまった。
ペンリックにとっては結婚をして生活を送ることができなくなってしまったのだ。
たとえ、どんなに強力な魔を宿そうとも・・・。
結婚生活に二つとして同じものは存在しない。
みんな独自のものを築いていく。
という意味では結婚生活をつつがなく送るという能力も突出した能力ということができよう。
その気持ちはしばしば妬みにまで発展する。
突出の背景はさまざまで、スポーツが万能であったり、頭の回転が速かったり、記憶力が良かったりといった個人的な能力のこともあれば、その人が生まれついた出自に起因することもある。
運が作用することも多い。
しかしながら、その能力が魔術であった場合、その受け止め方は人それぞれのようだ。
連州の貴族ジェラルド家の末子、ペンリック・キン・ジェラルドは、結婚式への道中に病で倒れた老女を看取った。
老女は魔術師ルチア。
魔術師の魔術の源は魔。
ルチアは息を引き取る際、ペンリックに自らの魔を託した。
後にデスデモーナと名付けられる魔は、過去10人とライオン1頭、馬1頭の転々としてきた。
その間、200年ほど。
その経験と知識、例えば様々な言語が理解可能というものなど、とセットで魔術がペンリックのもとに。
一見、羨ましいことではあるが、それはペンリックに不要な困難をもたらすことに・・・。
力を得るということはどういうことだろうか。
代々の家業を受け継ぐ場合、その家業の勢力いかんによっては羨む対象にも憐れむ対象にもなる。
段違いの運動神経を持った場合、それを伸ばす環境が得られなかったら持てあますことにもなるだろうが、羨む対象であることは間違いない。
頭の回転が良すぎると、他者との円滑なコミュニケーションにも支障が生じそうで、そんな人が回りにもいたが、受験なんかを考えると相当に憧れる能力だ。
では、魔術という普通ではない能力の場合はいかがか?
しかも、本人が望んだわけではなく、偶然のタイミングで突然飛び込んできたとしたら。
本書の世界では、神殿で選び抜かれた人物が魔を身につけるのが主流という。
でも、たまたま魔術師が死んでしまうと、その人物に宿っていた魔は近くの生物に憑依せざるを得ない。
そして、ペンリックはたまたまルチアを看取ったことで魔を身に宿した。
それを羨み、妬んで奪おうとすることは十分あり得ることで、ペンリックは窮地に落ちそうになる。
しかも、信頼していた人物からは猜疑の目が向けられ、そこにも罠が・・・。
そのせいでペンリックには、いろいろな災厄が降りかかることになった。
加えて冒険も。
本書はペンリックにまつわる中編3本を掲載している。
そんなペンリックの物語を読んでも、やはり人より突出するということには羨む気持ちを抱いてしまう。
なんといっても平凡な人間が平凡な生活を送っているのだ、そんな気持ちにもなってしまっても仕方ないではないか。
そもそも平凡とは一体何なのか。
平凡ということも、ある意味では能力なのかもしれない。
ペンリックは結婚式への道中、魔を身に宿すことになった。
この結婚式は自身のもの。
魔を宿したことでペンリックは婚約破棄となり、家族からも距離をとられることになってしまった。
ペンリックにとっては結婚をして生活を送ることができなくなってしまったのだ。
たとえ、どんなに強力な魔を宿そうとも・・・。
結婚生活に二つとして同じものは存在しない。
みんな独自のものを築いていく。
という意味では結婚生活をつつがなく送るという能力も突出した能力ということができよう。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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- 出版社:東京創元社
- ページ数:560
- ISBN:9784488587147
- 発売日:2018年09月28日
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