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かもめ通信
レビュアー:
待っていました!絶対読むと決めている #オリヴァーとピア シリーズの最新作!実はこの本、ラッキーなことに、東京創元社さんのTwitterキャンペーンで戴いてしまいました。
川で発見された少女の遺体には
長期間にわたって虐待された痕があった。
死因は溺死だと判明したが、川の水ではなく塩素水で溺れていた。
警察は直ちに捜査を開始したが、
二週間たっても少女の身元は判明しなかった。

やがて川のそばのキャンプ場に
かつて小児性愛者として服役した男が暮らしていたことが明らかになる。


ホーフハイム刑事警察署の2人の警部、
オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインと
ピア・キルヒホフが活躍するドイツミステリシリーズ第6弾。

環境問題やらナチスに関するあれこれやら、
その都度、ドイツ社会が抱える様々な問題を絡めながら展開してきた
このシリーズの今回のテーマは児童虐待。

テーマは重く、事件は凄惨、思わず眉間に皺が寄るが、
それでもページをめくる手が止められないのも、
こんなにも悲惨なのに後味は決して悪くないのもお約束だ。

これまでとちょっと違っているのは、
捜査される側はもちろん、する側の方も含めて、
登場人物の誰もが皆秘密を抱え、誰もが皆怪しげで、
入り組んだ人間関係が、事件の真相とともに
少しずつが明らかになっていく……というパターンが、
シリーズも6作目になったせいか、
お馴染みのメンバーの気心が知れてきて、
読者も比較的容易に容疑者が絞れるようになってきたことか……。
今回は怪しい人物は最初から怪しく、
先の展開が全く読めない…ということはないような
………と思っていたら!なんとまあ!
まさか、この件とずっと昔のあの件が繋がっていたとは!!
という予想を裏切る驚きの展開も。

この1冊だけ取り上げて読んでみても十分読み応えがあるが
シリーズ通して読めばより面白いという仕掛けが心憎い。

ここのところ全く良いところなしで、
かつての理想の上司像とはほど遠くなってしまった感のあったオリヴァーは、
私生活のゴタゴタに一定の区切りがついたことで、
冷静さを取り戻しつつある模様。

一方のピアは、出世もし、恋人との間も順調のよう。
彼の孫娘との間には一悶着あるものの……って、
ええっ?!まずいよねえ。
このテーマで幼い女の子が登場させては!
案の定、ああ!ピア!あなた大丈夫なの~!!!


最後まで気を抜けない展開のあと
事件はようやく収束に向かうが、
これから先のシリーズに
再びあの人物、この人物の登場はあるのか?!
そのあたりも気になるところ。

次作も必ず読まねばなるまい。


<シリーズ既刊レビュー>(時系列順)
悪女は自殺しない
死体は笑みを招く
深い疵
白雪姫には死んでもらう
穢れた風
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2236 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. ef2018-11-14 06:30

    ってことはプールで溺死した後、川に死体が運ばれたってことっすか?

  2. かもめ通信2018-11-14 06:36

    さすがefさん。そのとおり!
    その調子でぜひ名探偵ぶりを発揮してくださいw
    今回は案外わかりやすいとおもいますがww
    まあ、読みどころは推理(だけ)ではないと言うことなんですけれどね!

  3. No Image

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