ぷるーとさん
レビュアー:
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癖の強い骨董屋と、彼を取り巻く癖の強い人々。
『珍品堂主人』は、戦中から戦後すぐ頃の話。
モデルとなったのは、泰秀雄という骨董屋で、骨董だけでなく料理屋もやっていた。戦後すぐ千駄ヶ谷で開いた「梅茶屋」は、疎開先から帰ってきた友人たちで賑わい、文士のたまり場のようになって、小林秀雄、青山二郎、河上徹太郎、今日出海、三好達治などが毎日のように出入りしていたという。
井伏鱒二は、作家として泰秀雄に興味を抱き、彼の知人たちからさまざまな話を聞いて、『珍品堂主人』を書いた。骨董屋同士の騙し合いから始まって、料亭を任されることになりその料亭から放り出される経緯などが面白おかしく描かれている。
話の中心は料亭の件なのだが、やはり骨董屋同士の自慢合戦、意地の張り合い、騙し合いの方が読んでいて面白い。料亭で失敗したあとのしょげている主人公を慰める友人文士の優しさもいいが、これは、小林秀雄がモデルなのだそうだ。
井伏鱒二らを伴った能登半島への旅行では、骨董屋の仕事ぶりが垣間見える。白洲正子の文章もいい。
モデルとなったのは、泰秀雄という骨董屋で、骨董だけでなく料理屋もやっていた。戦後すぐ千駄ヶ谷で開いた「梅茶屋」は、疎開先から帰ってきた友人たちで賑わい、文士のたまり場のようになって、小林秀雄、青山二郎、河上徹太郎、今日出海、三好達治などが毎日のように出入りしていたという。
井伏鱒二は、作家として泰秀雄に興味を抱き、彼の知人たちからさまざまな話を聞いて、『珍品堂主人』を書いた。骨董屋同士の騙し合いから始まって、料亭を任されることになりその料亭から放り出される経緯などが面白おかしく描かれている。
話の中心は料亭の件なのだが、やはり骨董屋同士の自慢合戦、意地の張り合い、騙し合いの方が読んでいて面白い。料亭で失敗したあとのしょげている主人公を慰める友人文士の優しさもいいが、これは、小林秀雄がモデルなのだそうだ。
井伏鱒二らを伴った能登半島への旅行では、骨董屋の仕事ぶりが垣間見える。白洲正子の文章もいい。
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 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 
この書評へのコメント
- やどかり2024-02-02 10:59永井荷風『来訪者』(青空文庫で読めます)を連想しました。荷風から原稿を預かりその筆跡を真似て売りさばいていた伊庭心猿という俳人が贋作作者だったと。荷風だけではなく、樋口一葉の短歌も色紙に写して本人のものであるかのように売りさばいていたとか。荷風は、それで『四畳半襖下張り』が世間に晒されることになる。荷風の春本として高く売っていたようです。https://www.honzuki.jp/book/321944/review/300462/ クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。
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- 出版社:中央公論新社
- ページ数:250
- ISBN:9784122065246
- 発売日:2018年01月23日
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