別の本を買うために書店へ行ったんだけど、他に何かあるかと棚を眺めていたらこの表紙が目に入っちゃった訳ですよ。
見れば描かれているのは、ウォルター・マッソーにバセットハウンドそしてモーゼルC96
……中を覗いたら映画ライターの渡辺麻紀によつ押井守監督のインタビュー集。
目次を見たらモーゼルだけで一章使っているし、もうこれは買うっきゃ無い本ということで、即バスケットに入れました。
いやぁ「神は細部に宿る」というのはフローベルが発祥とも言われるけど、押井監督のこだわりは実に細かいのですよ。
全8章で、それぞれ 動物・ファッション・ごはん・モンスター・携行武器・兵器・女優・男優となっていてそれぞれにお気に入りの映画を3作紹介しているんですけど……
例えば動物編では犬ならバセー(バセット・ハウンド)ということで、そのうちの二編はバセーの映画なんです。
確かにバセーは僕のお気に入りで飼いたい犬ナンバーワンだけど、他にもブルテリアやワイマラナーだっていい犬だと思うんですけど……
監督本人もバセーは、芸もしない泳ぎも苦手という「何もしない(出来ない)犬……」と言ってます。
バセーは小動物用の猟犬で、短い足は藪の中に潜り込み易い為に改良されたんだけど、まぁ今現在は確かに運動が得意でもないし頑固だし……ありゃ確かに何も出来ない犬かぁ( ̄▽ ̄;)……でも欲しい(´ρ`)
携行武器の暗器(このテーマでは文句あり、冷蔵庫に入れたブローニングは正確には暗器じゃないと思う)では「ロシアより愛を込めて」のロバート・ショウの腕時計(あのワイヤーが出るヤツね)やらロッテ・レーニャ(スメルシュのクレップ大佐)が靴先に仕込んだ毒を塗ったナイフやら楽しい物が色々と出てくるんですよね。
拳銃に関してはひたすらモーゼルC96にこだわってます。……で紹介する映画は「殺しのライセンス」という超B級スパイ映画……
これは僕もお気に入りの映画で確かにモーゼルマニア(そんなのが居るんかいっ?)にとってはたまらない映画なんですよ。
映画そのものは当時の007映画のヒットに便乗したスパイ映画の一つで、英国製のためかひたすら地味で暗くてつまらないんですけど……
もうハリウッド映画の「電撃フリント」(ジェームズ・コバーン主演)の様に能天気で破天荒なところは一つもないのですよ(;つД`)
主人公の殺しのライセンスを持つ平凡な二枚目顔の秘密情報部員バインにはトム・アダムス(ありゃぁ 名前まで平凡だよぉ)という新人俳優。
出てくる敵の武器もステンガンやウェブリーMkVIリボルバー(考えたらイギリスって小火器に関しては地味な国だったなぁ)という超地味な銃器ばかりなんです。
どうしようもないB級スパイアクションなんですけど、唯一の見所はバインが使う拳銃がモーゼルC96ということで、最後に対決する敵の殺し屋も同じモーゼルC96(こちらはショルダーストック付き)マジにモーゼル・マニアにはたまらない映画なんです。
モーゼルC96は全長30㌢以上 重さも1㌔を超える大型拳銃でもっとも携帯に不向きな銃、バインも特殊なホルスターで背中に逆さに貼りつけています。
これが出てくる有名な冒険小説 「深夜プラス1」では、主人公のルイス・ケインが相棒のハーヴェイに「あんなデカい銃どうやって持っていくんだ?貨物列車で送るのか?」とからかわれていますよね。
小銃に関しては、ひたすら狙撃(スナイピング)について語っています。
監督自身も言っているけど、スナイパーって物凄く地味で一番映画に向かないものなんですよね。隠れてひたすら待って、待って待ち続けて……パーンと一発撃っておしまい( ̄Ω ̄)
ここでは「スターリングラード」について誉めちぎっているけれど、確かにあの映画は面白かったです。
他にも戦車で「レッドアフガン」や「フューリー」 航空機はひたすらヘリコプター(……と言っても「地獄の黙示録」じゃなくて「ブルーサンダー」や「ブラックホーク・ダウン」です)
潜水艦では「Uボート」一作のみ、あれは確かに物凄い映画だったなぁ。
そして男優ではウォルター・マッソーやエド・ハリス押し
いやはや、もう重箱の隅を爪楊枝でつつくような映画論だけど、こういう話大好きです(人´ з`*)♪
監督……お好きですねぇ……
こだわるオタクのオタクによるオタクの為の映画解説本
堪能させて頂きました。
ネットで本を買うと外出する手間も無いし、重くも無いし、凄く楽なんですけど、
ワザワザ書店に行くのはこういう拾い物を見つけるアナログな楽しみが有るから止められないんだよねぇ
- バセット・ハウンド 欲しいなぁ(´ρ`)
- モーゼルC96 100年以上前の銃 もはや「なんでも鑑定団」で扱う骨董品的な代物 でも撃ってみたい
- ウォルター・マッソー コメディーからサスペンスまで、何をやらせても上手い名優でしたね。





最近歳のせいか読書スピードが落ちているにもかかわらず、本好きが昂じて積読本が溜まっております。
そして、歩けるうちにとアチコチヘ顔を出すようになりました。
現在はビブリオバトルを普及することに力をいれております。
その為読書メーターにはコミュニティーも作りました。
( ゚∀゚)つ https://bookmeter.com/communities/337701
いささかひねくれた年寄りですがよろしくお願いいたします。
2016年12月 読書メーターのプロフィル画像とハンドルネームをちょっと変えてみました(*^^*)
読メハンドルネーム oldman獺祭魚翁
この書評へのコメント
- ランピアン2018-09-15 19:33
『殺しのライセンス』ご覧になっているとは羨ましい!子供時分に「Gun」誌の特集で知って以来、ぜひ観たいと念じてきたのですが、DVD化もされないためいまだに未見のままです。YOU TUBEのおかげで断片的には観ることができましたが・・・。
この映画を観られない私にとっての「モーゼル映画」は、今のところ『殺しが静かにやって来る』です。コルト六連発の悪役たちをモーゼルの速射で皆殺しにする、マカロニならではの卑怯なガンファイトでした(笑)。
当時の銃器のデザインは味がありますね。装弾数はグロックの半分でも、美しさではモーゼルが断然上だと思います。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 - oldman2018-09-16 15:33
ランピアンさん
コメントありがとうございます。『殺しのライセンス』は昔映画館で一度、そしてその後テレビ放送で観た記憶があります。
なんで、ミュージカル映画狂いだった僕がこんなB級スパイ物をわざわざ観たのか不思議ですが、どうやらモーゼル見たさに入ったんだと思います。
『殺しが静かにやって来る』は押井監督も3等賞に挙げていました。こっちは僕は観ていないんです。(ちなみに2等賞は『地獄のターゲット』)
書評でも挙げましたが、モーゼルが活躍する小説はなんと言っても『深夜プラス1』に尽きます。
本当にこの時代の銃器には味がありますね。特にオートマチックは稼働方法やら、使用方法にまだ迷いが有るらしく、皆色々と模索していることが良くわかります。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 コメントするには、ログインしてください。
- 出版社:東京ニュース通信社
- ページ数:255
- ISBN:9784198646776
- 発売日:2018年08月08日
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