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かもめ通信
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「むすびつき」と聞けば、てっきりこの世の「縁」のことだと思いきや……。
江戸は通町にある廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋の若だんなは、たいそう病弱なことで有名なのだが、人にはなかなか打ち明けられられない秘密を抱えている。
なにしろこの若だんな、齢三千年という大妖を祖母に持つ故、巷の人には見えない妖もしっかり見えるし、何をさしおいても「若だんな第一」という二人の兄やは、人の姿はしているものの、それぞれ名だたる妖なのだ。

こういう事情があるために、若だんなの住む長崎屋の離れには、数多の妖が入り浸る。
おまけにこの若だんな、年中寝付いているくせにどういうわけか、これまた年中事件にまきこまれ、毎度お馴染みの大騒動。
年1ペースで刊行されている「しゃばけ」シリーズも本書でなんと17冊?!
長崎屋の面々ともすっかり顔なじみになるわけだ。

さて今回収録されているお話はというと“むすびつき”をキーワードに緩やかに繋がる連作短篇5作品。

貧乏神の金次が長崎屋にいついたわけが今明らかに?!(「昔会った人」)

箱根で湯治中のはずの若だんなの留守に長崎屋の離れにやってきたのは、旅先で亡くなった若だんなの生まれ変わりだと称する死神だった?!(「ひと月半」)

もしかしたらあの方も前世の若だんなだったのかも?!と鈴彦姫が思い浮かべた相手はなんと幽霊になっていた?!(「むすびつき」)

「若さん、会いたかった。」と若だんなに駆け寄った美女の正体はなんと鬼女だった!(「くわれる」)

輪廻があるなら死も怖くない?!多少の無茶をしたってヒーローになる価値があるというものだ?!(「こわいものなし」)

「むすびつき」と聞けば、てっきりこの世の「縁」のことだと思いきや、前世の前世のそのまた前世もあり?!時代も時空も飛び越えてむすばれているあれこれだった。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2238 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. アーミー2018-08-10 19:55

    かもめ通信さん
    ついに読まれたのですね。多少マンネリしてきている感があっても、面白く読めるシリーズだと思います。妖たちの活躍を毎回楽しみにしています。

  2. かもめ通信2018-08-10 21:47

    アーミーさん、遅ればせながら読みました!
    そうそう多少のマンネリは許容範囲、いつもながら、仁吉兄は格好いいし、鳴家はかわいいし。次作もきっと読んでしまうに違いありませんw

  3. No Image

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