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星落秋風五丈原
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こんな学校あったらどうしますか?
イギリスのある町。元気のいいロイドとおとなしいハービー兄弟が暮らすハンター家に、11才のダイナ・グラスがやってきた。ダイナは1才で両親を亡くしてから、こどもの家で暮らしていた。ダイナは転校第一日目校長室で奇妙な体験をする。緑色の目をした黒ずくめの校長先生が、黒い眼鏡をゆっくりと外す。話し始めると、その後の記憶を失ってしまったのだ。

SPLATのメンバー達が、謎めいた校長の陰謀を暴くメインストーリーに、同い年の女の子ダイナの出現に戦々恐々のロイド、兄に同調するハービー、自分の才能を隠す事が処世術だと割り切っているダイナ達3人の心のふれ合いが、並行して描かれる。

 校長先生の野望達成の方法として利用される、学校対抗クイズ・ショウの馬鹿馬鹿しさにはに、それを止める方法の馬鹿馬鹿しさに、大いに笑うも良し。でも、ちょっと考えてみよう。

 校門から一歩入れば、学校の中は治外法権。大人は先生しかいない。そして、学校外の大人がまず信用するのは、まず大人。たとえ、ほんのわずかの生徒—子供達が、真っ当な事を言ってたとしても。現実ってそうじゃない?

 だとしたら、私達の知らない所で、実はこんな企てが深く静かに進行中かもしれない。ほうら、笑ってる場合ではないでしょう?
子供達に謎解きの楽しさを教えてくれる一方で、見かけのまともさ、正しさに惑わされがちな大人に、軽いジャブ。集団催眠、洗脳というテーマが、柴田昌弘氏漫画『ハトの旋律』と似ている。
本書は1982年に出版され、ミュージカルにもなり、1996年にTV放送されビデオ化もされたシリーズもので、全5册。
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星落秋風五丈原
星落秋風五丈原 さん本が好き!1級(書評数:2308 件)

2005年より書評業。外国人向け情報誌の編集&翻訳、論文添削をしています。生きていく上で大切なことを教えてくれた本、懐かしい思い出と共にある本、これからも様々な本と出会えればと思います。

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