Kuraraさん
レビュアー:
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無人島で生き残る自信、ありますか?
本性が出ると言われる旅行。
普段の生活環境と違った場所で見えてくるいつになく頼もしい姿に感動することもあれば、逆に幻滅し、もうこりごりと別れに至ってしまうこともある。
その究極版ともいえる状況を表した本書。
30代夫婦リュドヴィックとルイーズ。
彼らは惰性で生きているこれまでの日常から抜け出し、「これぞ人生」という体験をと長期休暇を取り大海原へくり出したのだ。
南極近くの美しい無人島。
その島に魅了され、ほんのひと時を過ごす予定で降り立った。
しかし、突然の嵐に出遭い、停泊させていた船がどこかへ流されてしまったのだ。
そこから無人島でたった二人の生活が始まる。
最初は廃墟となった基地の修復をするなどどこか気楽なムードがあった。
唯一の食糧源であるペンギンやアザラシを捕らえ、それを食することも覚え、まずは生存できる道が開けた感があったが、やがて明日が見えないという果てしない絶望という深い闇が容赦なく襲いかかる。
イライラ、焦り、不安、相手に対しての不満爆発・・・・。
まだまだ互いにぶつかり合っている間は良かったかもしれない。
やがて一緒に居る人がどんどん無気力になり、痩せ細り、「死」を感じさせられる姿になる。それをじっと何も出来ず見ていなければならない状況ほどの恐怖はない。いっそ一人の方がこんな思いもしなくて済んだかもしれない...なんてことまで考えてしまう。
サバイバル的なシーンの迫力・生々しさは言うまでもない。しかし、本書の見どころは究極の環境において人の心理がどのように変化していくかにあった。
楽天的なリュドヴィック、慎重派のルイーズ。
この対局な二人の性格の違いが各々の行方を左右したようにも思える。
愛し合う二人が最後まで寄り添って・・・
なんて美しい話では終わらなかったことだけは記しておこう。
第一部「向こう」、第二部「こちら」という構成になっています。
第二部で二人のその後が描かれている。
ということで、二部についてもあれこれ書きたいところだが、ネタバレになってしまうので控えます。
最初はもっとお気楽な漂流ものを想像していましたが、何というか、強烈に「生」を欲する小説であった。
普段の生活環境と違った場所で見えてくるいつになく頼もしい姿に感動することもあれば、逆に幻滅し、もうこりごりと別れに至ってしまうこともある。
その究極版ともいえる状況を表した本書。
30代夫婦リュドヴィックとルイーズ。
彼らは惰性で生きているこれまでの日常から抜け出し、「これぞ人生」という体験をと長期休暇を取り大海原へくり出したのだ。
南極近くの美しい無人島。
その島に魅了され、ほんのひと時を過ごす予定で降り立った。
しかし、突然の嵐に出遭い、停泊させていた船がどこかへ流されてしまったのだ。
そこから無人島でたった二人の生活が始まる。
最初は廃墟となった基地の修復をするなどどこか気楽なムードがあった。
唯一の食糧源であるペンギンやアザラシを捕らえ、それを食することも覚え、まずは生存できる道が開けた感があったが、やがて明日が見えないという果てしない絶望という深い闇が容赦なく襲いかかる。
イライラ、焦り、不安、相手に対しての不満爆発・・・・。
まだまだ互いにぶつかり合っている間は良かったかもしれない。
やがて一緒に居る人がどんどん無気力になり、痩せ細り、「死」を感じさせられる姿になる。それをじっと何も出来ず見ていなければならない状況ほどの恐怖はない。いっそ一人の方がこんな思いもしなくて済んだかもしれない...なんてことまで考えてしまう。
サバイバル的なシーンの迫力・生々しさは言うまでもない。しかし、本書の見どころは究極の環境において人の心理がどのように変化していくかにあった。
楽天的なリュドヴィック、慎重派のルイーズ。
この対局な二人の性格の違いが各々の行方を左右したようにも思える。
愛し合う二人が最後まで寄り添って・・・
なんて美しい話では終わらなかったことだけは記しておこう。
第一部「向こう」、第二部「こちら」という構成になっています。
第二部で二人のその後が描かれている。
ということで、二部についてもあれこれ書きたいところだが、ネタバレになってしまうので控えます。
最初はもっとお気楽な漂流ものを想像していましたが、何というか、強烈に「生」を欲する小説であった。
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ジャンルを問わず、年間200冊を目標に読書をしています。
「たしかあの人が、あんなことを言っていたな…」というような、うっすら記憶に残る書評を書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント

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- 出版社:集英社
- ページ数:240
- ISBN:9784087734928
- 発売日:2018年02月05日
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