書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

かもめ通信
レビュアー:
#カドフェス “千年先まで名を残す”ことになる傑出した皇后の物語だというのに、レビューの方は思いっきり上から目線ですみません!でもこれ、結構面白かったよ。 
いわゆる“中華風ラノベ”といえば、
多少の設定の違いはあるにしても
既存の型にはまらない才気溢れる年若い女性が
皇帝をはじめ身分の高い男性の寵愛を受けながらも
自らの力で運命を切り開いていく……というパターンだろうという思い込みが
私の中にはあったのだけれど、
この物語はちょっと、いやかなり、違っていた。

なにしろ主人公からして三十路の既婚者だ。
それではきっと、さしたる後ろ盾もないまま
皇帝の寵愛を受け、さまざまなイジメを受けながらも
皇子を生んで守り育てる話か…と思いきやさにあらず。

このヒロイン、ある意味初っぱなから既に頂点を極めている。
なんと皇后なのだ。

しかもその生い立ちときたらこれまたびっくり。

貧農の出で15歳で徴兵され
一兵卒から実力だけで30一歩手前という若さで将軍までのぼりつめたがいいが
公私ともになかなかいい仲だった年下の部下が
並み居る王位継承者をすっとばしいきなり皇帝になってしまったがために
後宮入りを請われ、ついには皇后になってしまったというのである。

しかも皇帝の口説き文句がこれまたすごい。
この国では、一定の条件を満たせば、高位の妃が軍を率いることができる。
女として寵愛を受けかねない将軍を取り立てるのは難しくても
後宮で寵愛を受けた女に軍を率いらせることはあまり難しくない
ひいては皇后になっていかんなくその才能を発揮してくれといったというのである。

千年先まで名を残す皇后の最初の1年という
ストーリーが展開する中で
そうしたことが紹介されていくのだが、
もうおわかりだろう。
ツッコミどころは満載だ。
そしてこれ、
「いやいやそれは…」とツッコミながら読むのがなかなか楽しい。

元はネット小説で、第二回ラノベ文芸大賞受賞を機に
大幅に修正加筆したとのこと。

人気が出たのだろう。
続編も何冊か出て、現在著者はこの第一作に至るまでの
ヒロインの生い立ちを語った物語を執筆中なのだとか。

この一作を読んだ限りでは、
文章は荒削りだし、日本語としてどうなの?と首をかしげる箇所もなくはないが
この勢いでどんどん書いていくならば
あるいは大化けするかもしれない…と思わせるものがあるデビュー作だった。


※祐太郎さん主催の掲示板企画 勝手にコラボ企画「カドフェス2018」を制覇するぜ!!への参加レビューです。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2238 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

読んで楽しい:16票
参考になる:17票
共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. michako2018-07-03 09:09

    荒い・・ですよね。粗いか。
    面白いけど残念とも感じたのですが、デビュー作でしたか。
    コミックにもなってますよね。
    またこれが好みではなくて残念だったんですよ・汗

  2. かもめ通信2018-07-03 14:28

    さすがmichakoさん,チェック済でしたか!
    そう,かなり粗いですよねw
    私はKindleの(セールで購入して)読んだので,さらっと流せましたが,
    これ紙本だとかなり苛ついたと思います。
    次の巻もよんでみるかどうか…迷っていますw

  3. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『紅霞後宮物語』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ