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かもめ通信
レビュアー:
#はじめての海外文学 vol.4と #東京創元社 #文庫創刊60周年 フェアの両方にエントリーされ、近々第2弾も発売予定と聞いては、読んでおかないわけにはいかないでしょ!?
レオポルド・ロングシャンクス、通称シャンクスはミステリ作家。
旧知の仲であるスパイ小説を書くベストセラー作家のロス・ペリーほどには本も名前も売れてはいないが、映画化された作品もあるし、ミステリ好きなら名前ぐらいは知っているはず。
もっともシャンクス自身は、映画の出来を快くは思っていないが。

ちなみに彼の妻コーラは、ロマンス作家。
シャンクスよりかなり遅れて作家デビューを果たしたのだが、近頃では彼女の本の方が売れている。
ジャンルが違うから、お互い気にはならないというのが、公式見解ではあるのだけれど……。

この本にはそんなシャンクスを主人公にした短篇が14篇も収録されている。

偶然目にした詐欺事件、現場に居合わせた初版本盗難事件や、巻き込まれた殺人事件など、安楽椅子探偵ものあり、日常の謎あり、本格ミステリありと、バラエティに富んだラインナップではあるが、「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」というスタンスのシャンクスは豊富な知識と鋭い観察眼で見事に謎解きをするも、名探偵を気取ることなくあくまでも控えめだ。
もっともそこはミステリ作家。
実際の事件で知ったことを創作に取り入れたりも。

謎解き以外にも、作家仲間とのやりとりや、作家の生活ぶりなども美味しい読みどころ。


ちなみにこの著者、ロバート・ロプレスティ氏は兼業作家で、もうひとつの顔は図書館司書なのだとか。
短篇ごとに、アイデアの源泉や初出や掲載が叶わなかったといったエピソードが添えられていて、こちらもなかなか興味深い。

作中のミステリ作家シャンクスと、シャンクスを生んだロバート・ロプレスティ氏という、「二人の作家」の素顔が垣間見られるという趣向も面白かった。

もっともそこは作家の話。
話半分ぐらいに聞いておかないと、すっかり騙されてしまいそうではあるけれど。
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2234 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

読んで楽しい:3票
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この書評へのコメント

  1. かもめ通信2019-07-11 06:16

    昨日めでたくフェア銘柄100タイトルを読破した本が好き!公式企画
    【公式】東京創元社文庫創刊60周年祝企画 くらりからの挑戦状
    https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no354/index.html?latest=20

    タカラ~ムさん主催の
    #はじめての海外文学 vol.4応援読書会
    https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no337/index.html?latest=20
    の両方に参加するレビューです。

  2. No Image

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