書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

たけぞう
レビュアー:
ラトビアの話が読みたくて。
小川糸さんの著作は何作か読んでいますが、小説以外はほぼ初めてです。
ほぼというのは、至近に読んだ「ミ・ト・ン」、が童話と旅エッセーの
コラボだったからなのです。
旅エッセーが素晴らしくて、もう一冊と思い本書を手にしました。
ラトビアの話が出てくると聞いていましたし。

読んでみて満足度は星三つです。
前半の百ページちょっとは、飼い犬のゆりねと夫のペンギンと過ごす日記です。
エッセーであれば、話のたねがもととなった著者の考えや思いを聞けて、
著者の人となりや世界観を楽しめるのですね。

わたし、日記をこういう形で読んだのは初めてです。
どうやって楽しんだらいいのか皆目わからず困りました。
犬がふかふかの布団でお昼寝できてよかったねとか、
銭湯で赤ちゃんのうんちを放置してとんずらしたトンデモお母さんのお話とか、
文庫になった「リボン」が届いた話とかが漫然と並んでいて、
それで? という言葉しか出てきませんでした。

どうしようと思っていたところで念願のラトビア篇が始まりました。
こころの中でガッツポーズです。
ミ・ト・ンの巻末の旅エッセーがそれくらい素晴らしかったのですね。

ヘルシンキ経由でラトビアの首都リガに入りました。
四国くらいの大きさの国に二百万人が住む国です。
四国は四百万人弱ですから、ゆったりした国なのでしょう。
ロシアの隣に位置し、長く支配された歴史を持ちます。
ラトビア神道が人々のこころを支えており、穏やかで素朴な雰囲気があるのです。
著者はいっぺんにこの国を好きになり、たくさんの話を聞いて
物語の芽を育てています。

昔ながらの歌と踊りの祭典を大事にし、民族衣装での参加を誇りに思う人たちです。
必ず手仕事を身につける伝統があり、そのうちの一つがミトン作りです。
四本指がつながった手袋ですね。
人にはそれぞれ神様が宿っていて、著者は雷神とのことです。
帰国後、お願いしていた雷神模様が入ったミトンが届き、宝物となります。

この本の後半の、ラトビアの話や、ベルリンの話、北海道の話など
旅エッセー部分がよかったです。行きたくてうずうずしてきます。
憧れますね。
この本を読むきっかけとなったミ・ト・ン、お薦めですよ。
この本はそのおまけみたいな感じです。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
たけぞう
たけぞう さん本が好き!免許皆伝(書評数:1468 件)

ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。

自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。

読んで楽しい:7票
参考になる:21票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『卵を買いに』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ