DBさん
レビュアー:
▼
ヒトが生き延びた理由の本
人間に一番近いとされるのはチンパンジーだが、ヒトとチンパンジーは約700万年前にわかれてそれぞれの進化の道をたどってきた。
そしてヒトに至るその進化の過程の中にはおよそ25種もの人類がいたという。
その25種の中で唯一生き残ったのがホモ・サピエンスだった。
本書ではその進化の歴史をたどりながら、ホモ・サピエンスが生き残る要因が何であったのかを探っていく。
ホモ・サピエンスを含む広義の意味での人類の特徴は、直立二足歩行をすることだ。
チンパンジーやゴリラは基本は四足歩行なので、大後頭孔という脊椎と頭蓋骨をつなぐ穴は後ろの方についている。
これが直立二足歩行をするようになると大後頭孔の穴の位置が前の方になるので、頭蓋骨を見ただけでその種が四足だったか二足だったかがわかるそうだ。
直立二足歩行がなぜ進化したのかは人類の進化における最大の謎だそうですが、それは直立二足歩行をすることで足が遅くなるという致命的な欠点があるからだ。
それに頭が高くなって遠くを見渡せるという利点も、遠くから目立つという欠点を併せ持つ。
それにもかかわらずなぜ人類は直立二足歩行の道を進んでいったのか。
大型類人猿と人類のもう一つの大きな違いである犬歯の縮小と共に、人類の進化の謎を詳しく検証していきます。
二足歩行をすることで有利となるのは空いた両手で食料を運ぶことができるようになったことだが、これにより仲間や家族に食料を与えることで群の生存確率を上げていたというのが今のところ一番有力な説のようだ。
初期人類であるアルディピテクス・ラミダスの次に登場するのがアウストラロピテクスになるが、彼らはしっかりとした土踏まずを持っていることからアルディピテクスより二足歩行を発展させていたそうです。
そして集団で身を守ることと子供を多く生むことで繁栄していた。
類人猿では子供の面倒を見るのは母親のみだが、人類では父親や祖母、群れの仲間といった同族の助けを得て子育てをする。
これにより子供を多く残すことができたアウストラロピテクスが生き残り、進化の道を進んでいった。
次に登場するのがホモ属ですが、彼らの最大の特徴は石器を使ったことだった。
そして脳の容量も増大するが、脳の容量が増えればその分だけ必要なエネルギーも増大するので良し悪しの戦略だそうです。
この脳についてたくさんダウンロードしてしまった有料アプリに例えているのがわかりやすくて面白い。
ホモ・エレクトゥスになると走ることができるようになり、直立二足歩行から得られるメリットが大きくなる。
そして最後の人類であるホモ・サピエンスと、同じ時代に存在したこともあるネアンデルタール人を比較してなぜホモ・サピエンスが生き残ったかを探っていきます。
もちろん言語と象徴化による高度な社会を発展することができたというホモ・サピエンスの強みもあるが、多産で丈夫だったから生き残ることができたという点もあるようだ。
ネアンデルタール人やデニソワ人とホモ・サピエンスの混血についても書かれていて、人類の進化の歴史を短くまとめてある楽しい本だった。
そしてヒトに至るその進化の過程の中にはおよそ25種もの人類がいたという。
その25種の中で唯一生き残ったのがホモ・サピエンスだった。
本書ではその進化の歴史をたどりながら、ホモ・サピエンスが生き残る要因が何であったのかを探っていく。
ホモ・サピエンスを含む広義の意味での人類の特徴は、直立二足歩行をすることだ。
チンパンジーやゴリラは基本は四足歩行なので、大後頭孔という脊椎と頭蓋骨をつなぐ穴は後ろの方についている。
これが直立二足歩行をするようになると大後頭孔の穴の位置が前の方になるので、頭蓋骨を見ただけでその種が四足だったか二足だったかがわかるそうだ。
直立二足歩行がなぜ進化したのかは人類の進化における最大の謎だそうですが、それは直立二足歩行をすることで足が遅くなるという致命的な欠点があるからだ。
それに頭が高くなって遠くを見渡せるという利点も、遠くから目立つという欠点を併せ持つ。
それにもかかわらずなぜ人類は直立二足歩行の道を進んでいったのか。
大型類人猿と人類のもう一つの大きな違いである犬歯の縮小と共に、人類の進化の謎を詳しく検証していきます。
二足歩行をすることで有利となるのは空いた両手で食料を運ぶことができるようになったことだが、これにより仲間や家族に食料を与えることで群の生存確率を上げていたというのが今のところ一番有力な説のようだ。
初期人類であるアルディピテクス・ラミダスの次に登場するのがアウストラロピテクスになるが、彼らはしっかりとした土踏まずを持っていることからアルディピテクスより二足歩行を発展させていたそうです。
そして集団で身を守ることと子供を多く生むことで繁栄していた。
類人猿では子供の面倒を見るのは母親のみだが、人類では父親や祖母、群れの仲間といった同族の助けを得て子育てをする。
これにより子供を多く残すことができたアウストラロピテクスが生き残り、進化の道を進んでいった。
次に登場するのがホモ属ですが、彼らの最大の特徴は石器を使ったことだった。
そして脳の容量も増大するが、脳の容量が増えればその分だけ必要なエネルギーも増大するので良し悪しの戦略だそうです。
この脳についてたくさんダウンロードしてしまった有料アプリに例えているのがわかりやすくて面白い。
ホモ・エレクトゥスになると走ることができるようになり、直立二足歩行から得られるメリットが大きくなる。
そして最後の人類であるホモ・サピエンスと、同じ時代に存在したこともあるネアンデルタール人を比較してなぜホモ・サピエンスが生き残ったかを探っていきます。
もちろん言語と象徴化による高度な社会を発展することができたというホモ・サピエンスの強みもあるが、多産で丈夫だったから生き残ることができたという点もあるようだ。
ネアンデルタール人やデニソワ人とホモ・サピエンスの混血についても書かれていて、人類の進化の歴史を短くまとめてある楽しい本だった。
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
この書評へのコメント
 - コメントするには、ログインしてください。 
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:NHK出版
- ページ数:249
- ISBN:9784140885413
- 発売日:2018年01月08日
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。






















