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ぽんきち
レビュアー:
男の子のなりたい職業1位が「学者・博士」に。そんな今年のヒーロー像!
今年初めに発表された第一生命・第 29 回「大人になったらなりたいもの」 アンケート調査結果。15年ぶりに未就学児・小学生の男の子のなりたい職業1位が「学者・博士」になったと、ニュースにもなった。背景には、理科の実験授業の浸透や3年連続の日本人ノーベル賞受賞があると推測されている。
タイムリーと言おうか、本誌特別企画が「仮面ライダーの方程式」。昨年9月から始まった新シリーズ『仮面ライダー ビルド』の主人公は、天才物理学者なのである。
宇宙から持ち帰ったボックスの作用で、日本は3つに分断された。未確認生物と闘う記憶喪失の天才物理学者は、2種類のボトルをベルトに装着して反応させ、仮面ライダーに変身する。自らの記憶を取り戻し、人類の平和を守れ!
・・・とわかったようなわからないような話なのだが、番組には物理学者がアドバイザーについており、番組で黒板に書かれている方程式は、実際に物理や数学で使われている式なのだそうだ。しかも一応、内容とリンクしている、というところがすごい。
第1話:「ベストマッチな奴ら」では「ケナード・ロバートソン不確定性関係」、第5話:「危ういアイデンティティー」では「重力波」、第8話:「メモリーが語り始める」では「公開鍵暗号」という具合。いや、我ながら書いていてさっぱりわからないのだが(^^;)。
オープニングでは、放映の話数に合わせて、答えがその数字になる数式を流すという凝りよう。第9話はx-y=1(x,y∈{m^n})、第13話は#{Archimedean solid}だそうである。
アドバイザーのツイッターアカウント@Perfect_Insiderでは仮面ライダーに出てくる数式の解説も毎週行っているので、興味のある方は覗いてみると楽しいかもしれない。
ともあれ、この本気の遊びのすごさに圧倒される。
番組を見ている子供たちの中から、天才物理学者が出てくる日も来る、かもしれない。

発生のトピックから「胎盤の不思議」。
ブラジルでジカウイルスが流行し、母親から胎児に達すると小頭症のような重大な損傷をもたらすことがニュースになったのは記憶に新しい。
母と胎児をつなぐ胎盤は、意外に知られていないことが多い臓器である。
多くのウイルスは胎盤でブロックされるのに、なぜジカウイルスは突破できるのか。母親の免疫系はなぜ胎盤や胎児を異物と認識しないのか。
母と子の境界がどう機能しているか、あるいは機能不全が起こる場合は何が起きているのかが解明できれば、妊娠合併症などの理解が進むと考えられる。
胎盤と子宮のマイクロバイオームのバランスの崩れが妊娠のいくつかの障害の原因になっているという説も提唱されてきており、今後の検証が待たれる。


*そんなわけで仮面ライダー、1話見てみたのですが、未知の生命体と戦い、友情は守り、平和は守らねばならず、記憶も取り戻さなくちゃならない、と盛りだくさん。いやはや現代のヒーローは大変だなぁ・・・(^^;)。ン十年ぶり(?)に仮面ライダーを見たので、ちょっと新鮮でした。しばらく見てみようかと思っていますw

*最初は、仮面ライダーで物理学者が主人公になったから、なりたい職業で学者がランクアップしたのかと思ったのですが、調査期間が17年7月~9月で、番組開始が9月なので、主因とはちょっと言えなそうです。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1831 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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この書評へのコメント

  1. 風竜胆2018-01-31 00:39

    >15年ぶりに未就学児・小学生の男の子のなりたい職業1位が「学者・博士」
    サッカー選手や野球選手になりたいというよりはかなり健全でしょうかw
    でも、お金を稼ぐなら野球選手かも(ただし上位組のみ)ww

  2. Tetsu Okamoto2018-01-31 01:10

    仮面ライダー1号の本郷猛は天才科学者にしてオートレーサーという設定でした。ビルドは原点回帰かもしれません。

  3. 三太郎2018-01-31 05:38

    博士といえば鉄腕アトムのお茶の水博士を思うのは、還暦以上の人かな・・・

    彼は今でいればロボット工学やAIの研究者なのでしょう。この分野なら将来も生活に困らないかも。でも日本のノーベル賞受賞者は基礎研究畑で、戦前生まれの人が多い。

    理学部出身の僕としては、若い人にも基礎科学で人のやらない研究を目指してほしいけれどね。

  4. ぽんきち2018-01-31 09:21

    お。たくさんコメントいただき、ありがとうございます。

    風竜胆さん
    そうですねぇ・・・。いずれの職業もトップになるのは大変なことでしょうが、学者の道は少なくとも一攫千金からは遠そうですね。
    大学院を出ても職がないというような事態は、今の子供たちが大人になる頃に改善されていればよいですが、どうでしょうかね。

  5. ぽんきち2018-01-31 09:24

    Tetsu Okamotoさん
    本郷猛、藤岡弘さんが演じていた役ですね。何となく薄らぼんやり覚えていますw
    科学者でオートレーサーというのもすごい設定でしたね。彼はショッカーに改造されたんでしたね。
    仮面ライダーシリーズはどこか陰のある設定だったのかな。

  6. ぽんきち2018-01-31 09:34

    三太郎さん

    鉄腕アトムは私はリアルタイムでは見てないですが、確かにお茶の水博士というのは「博士」的イメージとしては大きい存在かもしれません。

    ノーベル賞の日本人受賞者は確かにここのところ続きましたけど、古い業績で受賞した方も多かったですね。新しいというと、ニュートリノ関連やiPS、質量分析あたりかな。

    この先、新しい分野でおもしろい話が出てくるかどうか、科学ファンとしては見守っていきたいところです。

  7. 風竜胆2018-01-31 21:28

    >仮面ライダー
    キンドルで1巻無料で出ていました。今読むと、結構ツッコミどころが多いかもw

  8. ぽんきち2018-01-31 22:30

    風竜胆さん

    ご紹介ありがとうございます。
    石ノ森章太郎デジタル大全って、全部で500冊分あるみたいですね。すごい。
    http://ishinomori.jp/
    ゴレンジャーとかイナズマンも石ノ森章太郎だったんだー。

  9. 風竜胆2018-02-03 13:51

    イナズマンは、昔レビューを書きました。仮面ライダーは、一応下書きは出来たので、近いうちに公開予定です。後はボチボチですかw

    そういえばゴレンジャーは、雑誌連載中に突然「ゴレンジャーごっこ」というギャグマンガに変わったのを記憶していますw

  10. oldman2018-02-03 14:29

    この国じゃ、学者になるとノーベル賞を取っても、仕事の半分は研究費の寄付をお願いして回ることになるよ!って子供達は知らないんだろうなぁ(´д`|||)

  11. ぽんきち2018-02-03 17:23

    風竜胆さん

    そうでしたね、サナギマンのやつですよねw
    仮面ライダーのレビュー、楽しみにしてます♪

    > 雑誌連載中に突然「ゴレンジャーごっこ」というギャグマンガに変わった
    そうだったんですか!? 自由すぎるw

  12. ぽんきち2018-02-03 17:29

    oldmanさん

    そうですねぇ・・・。
    現状、キビしいところはありますが。

    子どもたちが純粋に知識を得ることの楽しさを知り、それを先につなげていければよいのですが。

  13. No Image

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