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yukoさん
yuko
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ミレニアム第五弾!今回はドラゴンの意味と、リスベット・サランデルの幼少期が明らかに!
上下巻合わせてのレビューです。


前作の続きで有罪となったリスベット・サランデルは刑務所に収監されているところから物語は始まります。

刑務所内では看守までも恐れ従う、ギャングの一員である囚人、ベニートが好き放題。
美しいバングラディシュ出身の囚人、ファリア・カジは毎晩ベニートの餌食に。
それを看守たちも所長も見て見ぬふりをしていることがリスベットは気に食わない。

そんなリスベットが心から信頼している元後見人である、ホルゲル・パルムグレンが、介護がないと生きていけない体なのに、介護タクシーにわざわざ乗り、酸素マスクをして車椅子で刑務所まで面会にやって来ます。


リスベットにタトゥーのことを尋ね、炎のようなあざのある女について語った時、
ホルゲルが、
「レジストリーの人間じゃないのか?」
と言います。

リスベットが子供のころ入院させられていた児童精神科で秘書をしていた女性が訪ねて来て、リスベットのことを新聞で読んだ、興味があるかと思って、と書類を渡して帰った、
その書類にウプサラの遺伝環境研究レジストリーについて書いてあったような気がするというのです。


ウプサラの遺伝環境研究レジストリー。
ホルゲルの話から、幼い頃の記憶を手繰り寄せていくリスベット。
幼少時代になにか大きな秘密があったのではと考え、ミカエルにも手伝ってもらいながら調べ始めますが・・・



物語は前作に出てきた双子の妹カミラに少しだけからみつつ、
『双子』をキーワードに、遺伝環境研究、はたまたイスラム世界のごたごたまで巻き込み、ものすごいスピードで進んでいきます。

スティーグ・ラーソン亡き後、三部作の続きを書いているダヴィド・ラーゲルクランツも今作がシリーズ二作目。
個人的には前作よりも今作の方が読みやすくて、疾走感もあり、エンターテインメント性が高い気が。
人間の成長により影響を与えるのは遺伝子なのか、環境なのか、というテーマも面白く、
上下巻の長さを全く感じさせない作品でした。


しかし毎回思うけれど、
ミレニアムシリーズって、小柄で華奢なリスベットがめっぽう強くて賢くて、
誰にも屈さず、悪に向かって戦う、というスーパーヒロインものなので、
いつも・・・悪者ですら、女性の登場人物がみんなすごく生き生きとしていて、逆に男性陣があんまり魅力的な人がいない(笑)!
やたらめったら女性がみんな強すぎる!
悪者ですらボスは女性、手下どもが男性で、顎でみんなこき使われているもんねぇ・・・

まぁそのあたりも読んでいてスカッとする一因なんでしょうけどねぇ。


しかし、相も変わらず痛々しいシーンも多かったですが、
物語の最後の最後、
リスベットが語るドラゴンの意味を知って、
そうなのか、だからあなたは戦うのだねと、しみじみ。


第六作目まではダヴィド・ラーゲルクランツが書くのだと決まっているのだそうだとか。
次作も楽しみです!
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yuko
yuko さん本が好き!1級(書評数:303 件)

仕事のことで鬱状態が続いており全く本が読めなかったのですが、ぼちぼち読めるようになってきました!

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