休蔵さん
レビュアー:
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ひょんなことから見守り屋という職についた犬森祥子。彼女の人生と仕事を整理するのは、仕事終わりのランチと酒だった。食事シーンはまるでノンフィクションの小説。
バツイチの犬森祥子は、見守り屋という仕事をしていた。
同級生である亀山太一から声をかけられたことがきっかけで就いた職。
営業時間は二十二時から五時で、その間の見守り、付き添い業だけが内容だ。
後半にはなし崩し的に介護のようなことも行うようになるが、それは祥子に人生の展望を与えることになる。
本書はこの見守りという仕事の様子と、バツイチの祥子の元の家庭(小学二年生の女の子、明里)の展開を示しているが、それぞれの様相に対応した食の様子を詳細に記している。
むしろ、こちらがメインとも言えるだろう。
祥子の日々を支えるのは、仕事終わりのランチ。
彼女はちょっとした朝食と、気持ちに応じたランチと酒の一日二食という生活スタイルだ。
ランチの様子は詳細で、実際の地名や施設の名前を出しながら、とある店に入り、その中のメニューから食べるものを選択して、それに合わせた酒を選ぶ。
多くの人たちにとっては、昼間っからの酒など、なかなか許されない。
しかし、祥子には一日の最期を飾る重要な食事だ。
酒なしなんて考えられない。
それでも、なかなか割り切れるわけではなく、どことなく後ろめたい想い吐露しながら一杯を楽しむ様子が好ましい。
店探しの道程や店の様子、そして料理の内容や味の描写は詳細すぎて、ここだけはノンフィクションなのではと思わせる。
だからこそ、食べたいという気持ちにさせてくれる内容だ。
個人的に食を主軸に掲げた小説が妙に気になってしまう。
なんとも妙な性分と思うが、気になるものは仕方がない。
最近では、近藤史恵の『タルトタタンの夢』や『ヴァン・ショーをあなたに』、『マカロン・マカロン』がお気に入りだ。
『美味しんぼ』や『孤独のグルメ』など、食をメインに取り扱った漫画は数多くあるが、こちらにはそこまでの興味はわかないから不思議だ。
もちろん、読むことは読む。
でも、具体的な料理が形となって示されると、その時点で終了という気になってしまうようだ。
文章を読んだだけで具体的な姿を思い浮かべることはできないのだが、それでも妙においしそうな想像ができてしまう。
本書は深夜に読むには危険な小説である。
かと言って、昼間に読むのも危険である。
なぜなら、本書の食事シーンには酒が必ず登場する。
しかも、酒の種類のみならず、その銘柄まで具体的に示されてしまう。
こうなると、昼から酒を飲まずにはおられない。
やはり、夜にゆっくりと読むのがよろしかろう。
その場合、お供のお酒とつまみは準備しておきたい。
カロリーのことは気にしない心持ちも整えておきたい。
同級生である亀山太一から声をかけられたことがきっかけで就いた職。
営業時間は二十二時から五時で、その間の見守り、付き添い業だけが内容だ。
後半にはなし崩し的に介護のようなことも行うようになるが、それは祥子に人生の展望を与えることになる。
本書はこの見守りという仕事の様子と、バツイチの祥子の元の家庭(小学二年生の女の子、明里)の展開を示しているが、それぞれの様相に対応した食の様子を詳細に記している。
むしろ、こちらがメインとも言えるだろう。
祥子の日々を支えるのは、仕事終わりのランチ。
彼女はちょっとした朝食と、気持ちに応じたランチと酒の一日二食という生活スタイルだ。
ランチの様子は詳細で、実際の地名や施設の名前を出しながら、とある店に入り、その中のメニューから食べるものを選択して、それに合わせた酒を選ぶ。
多くの人たちにとっては、昼間っからの酒など、なかなか許されない。
しかし、祥子には一日の最期を飾る重要な食事だ。
酒なしなんて考えられない。
それでも、なかなか割り切れるわけではなく、どことなく後ろめたい想い吐露しながら一杯を楽しむ様子が好ましい。
店探しの道程や店の様子、そして料理の内容や味の描写は詳細すぎて、ここだけはノンフィクションなのではと思わせる。
だからこそ、食べたいという気持ちにさせてくれる内容だ。
個人的に食を主軸に掲げた小説が妙に気になってしまう。
なんとも妙な性分と思うが、気になるものは仕方がない。
最近では、近藤史恵の『タルトタタンの夢』や『ヴァン・ショーをあなたに』、『マカロン・マカロン』がお気に入りだ。
『美味しんぼ』や『孤独のグルメ』など、食をメインに取り扱った漫画は数多くあるが、こちらにはそこまでの興味はわかないから不思議だ。
もちろん、読むことは読む。
でも、具体的な料理が形となって示されると、その時点で終了という気になってしまうようだ。
文章を読んだだけで具体的な姿を思い浮かべることはできないのだが、それでも妙においしそうな想像ができてしまう。
本書は深夜に読むには危険な小説である。
かと言って、昼間に読むのも危険である。
なぜなら、本書の食事シーンには酒が必ず登場する。
しかも、酒の種類のみならず、その銘柄まで具体的に示されてしまう。
こうなると、昼から酒を飲まずにはおられない。
やはり、夜にゆっくりと読むのがよろしかろう。
その場合、お供のお酒とつまみは準備しておきたい。
カロリーのことは気にしない心持ちも整えておきたい。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント
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- 出版社:祥伝社
- ページ数:280
- ISBN:9784396635343
- 発売日:2017年11月14日
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