有坂汀さん
レビュアー:
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苛烈を極めた弾圧にも関わらず、現在に至るまで変わらなかった信仰——本書はかくれキリシタン信仰の歴史とその真の姿を追ったフィールドワークを纏めたブックレットです。長崎・平戸とヨーロッパを結ぶ信仰の軌跡。
かくれキリシタン。
その信仰が現在に至るまで受け継がれていたことを知ったのは、TBS系列で絶賛放送されている『クレイジージャーニー』にて2016年5月12日放送されていたオカルト研究家の吉田悠軌氏が現地、長崎にてかくれキリシタンの信仰生活の実態を取材した様子が放送され、すでに絶えたと思っていた信仰が今なお、脈々と受け継がれ、存在しているという事実には本当に衝撃を受けたことからでした。
その後、マーティン・スコセッシ監督作品の映画『沈黙‐サイレンス‐』と原作である作家・遠藤周作の小説『沈黙(新潮文庫)』(新潮社)を読み、さらに篠田正浩監督が1971年に『沈黙 SILENCE』を見ることができ、そしてYoutubeでかくれキリシタンのことを特集した番組をいろいろと漁り、そうした上で本書を手に取って読む仕儀と相成りました。
本書の中ではかくれキリシタンの祈りである「オラショ」についての言及がメインなのですが、その分布や信仰生活の在り方、さらには神道、仏教、さらに禁教令が解かれてから普及したカトリックなどに至るまで、現地に根付くさまざまな他宗教との「共存」などにも言及されており、ブックレットながらその内容は非常に濃い物であり、かくれキリシタンそのものや『沈黙』の世界にも理解に役立つなと、そう感じました。
信仰とは何か? 寛容とは何か? 愛とは何か? 信頼とは何か? 普通の人に行ってもまず理解されないようなことを考えている自分にとって、とても「啓発的」な読み物であったことは間違いありません。
その信仰が現在に至るまで受け継がれていたことを知ったのは、TBS系列で絶賛放送されている『クレイジージャーニー』にて2016年5月12日放送されていたオカルト研究家の吉田悠軌氏が現地、長崎にてかくれキリシタンの信仰生活の実態を取材した様子が放送され、すでに絶えたと思っていた信仰が今なお、脈々と受け継がれ、存在しているという事実には本当に衝撃を受けたことからでした。
その後、マーティン・スコセッシ監督作品の映画『沈黙‐サイレンス‐』と原作である作家・遠藤周作の小説『沈黙(新潮文庫)』(新潮社)を読み、さらに篠田正浩監督が1971年に『沈黙 SILENCE』を見ることができ、そしてYoutubeでかくれキリシタンのことを特集した番組をいろいろと漁り、そうした上で本書を手に取って読む仕儀と相成りました。
本書の中ではかくれキリシタンの祈りである「オラショ」についての言及がメインなのですが、その分布や信仰生活の在り方、さらには神道、仏教、さらに禁教令が解かれてから普及したカトリックなどに至るまで、現地に根付くさまざまな他宗教との「共存」などにも言及されており、ブックレットながらその内容は非常に濃い物であり、かくれキリシタンそのものや『沈黙』の世界にも理解に役立つなと、そう感じました。
信仰とは何か? 寛容とは何か? 愛とは何か? 信頼とは何か? 普通の人に行ってもまず理解されないようなことを考えている自分にとって、とても「啓発的」な読み物であったことは間違いありません。
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有坂汀です。偶然立ち寄ったので始めてみることにしました。ここでは私が現在メインで運営しているブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』であげた書評をさらにアレンジしてアップしております。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:弦書房
- ページ数:64
- ISBN:9784863291270
- 発売日:2015年10月10日
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