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かもめ通信
レビュアー:
この装丁からはちょっと想像できないけれど、16歳の少女が生と死に正面から向き合う物語なのです!しかも淡くせつない恋のお相手はなんと……?! #やまねこ祭 #やまねこ20周年
2017年秋、2ヶ月にわたって開催された祝 #やまねこ20周年 記念読書会の中で、michakoさんが紹介してくださった本。
“とても上質なYAなのに、ハーレクインみたいな表紙が残念”とも聞いていたので
表紙に惑わされぬよう、早速読みたい本のリストに入れたのですが……。
気がつけばあれからもう半年以上時が経っている!!

いやいや月日が経つのって本当に早いよね。
見目麗しい少年サイモンが過ごしてきた300年に比べたら
本当にあっという間!のはずだしねえ。

というわけで『銀のキス』(The Silver Kiss)。
YA小説に分類されていますが
ロマンス好きにもお薦めです。
(ただし濡れ場はなし!)

16歳の少女ゾーイの母親は重い病気で入院中。
父親は妻の看護とその医療費捻出のために多くの仕事を抱えていていて
娘をかまう心の余裕がまるでない。
親友のロレインは遠方への引越すことが決まり、
ゾーイの寂しさは増すばかり。

誰にも必要とされていない。
誰もが私を忘れている。

そんな孤独を抱えたゾーイが夜の公園で出会ったのは
とても美しくどこか謎めいた不思議な雰囲気をもつ青年サイモン。

共に孤独を抱えたふたりは急速に惹かあう。
だがこのサイモン、実は人間ではなく、
人の生き血を吸って命をつなぐ呪われた種族だったのだ。


“恋”とよぶにはまだ淡い
なかなか初々しい感じが胸キュン度合いを高めます。

サイモンの秘密を知ったゾーイは
母親に永遠の命を与える方法があることを知り、
新たな葛藤を抱えると同時に
「死」と正面から向き合わざるを得なくなる。

そしてまたふたりには
自分の寂しさを癒やすために
ふたり一緒に永遠の時を旅するという選択肢もあるわけで。

サイモンがとある事情から
長い年月をかけて
追い続けてきた吸血鬼も絡んで
物語が大団円を迎えるとき、
ああこれは、切ない、とても切ない物語ではあるけれど
生きること、死ぬことの意味を問う
上質の物語だと頬をぬらしながらおもうのでした。






しかし確かに、michakoさんのおっしゃるとおり
これはこの装丁ですごく損をしてしまっている感じ。
ちなみに原書の装丁もAmazonから拾ってみたけれど
うーん。イメージがどれも違うんだよねえ。
あえて選ぶなら……葉っぱに1票??


    • Amazonで拾った装丁その1
    • Amazonで拾った装丁その2
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かもめ通信
かもめ通信 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2238 件)

本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。

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この書評へのコメント

  1. michako2018-04-20 09:44

    海外でもこんな表紙なんですか!!
    違いますよねぇ。
    ショッキングなものではないし
    ハーレクインみたいのとも違う。
    吸血鬼ものといえば黒と赤を使う気がしますが
    この作品の肝はそこではないですよね。

  2. たけぞう2018-04-20 22:29

    >かもめ通信さん
    Wikiで確認していたのですが、第一版の表紙絵を日本版にそのまま採用したんですね。その後の原書の表紙絵の変遷、面白いです。どんどん残念な方向に行っているのが分かります。

  3. No Image

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