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ソネアキラ
レビュアー:
奇想と暴力―著者の好きな作家は「カフカ、ボルヘス、カルヴィーノ」
『死体展覧会』ハサン・ブラーシム著 藤井光訳を読む。
イラク出身の作家。
過激な作風ゆえネイティブであるアラビア語版は発禁だそうな。
訳者あとがきによると好きな作家は
「カフカ、ボルヘス、カルヴィーノ」。


収録されている14の短編は、どれも確かに残酷でシュールで
暴力的でホラーでSFっぽい。
日本の黎明期の劇画作品にも通じるものもある。
劇画はええとお子様向けの真・善・美の漫画とは一線を画す。
大人が読むもの。

あえて暴力、反社会性をテーマに取り上げ、社会の差別や現実の不合理を訴える。
なんかアルフレッド・ベスター(『虎よ、虎よ!』『ゴーレム100』などの作者)の
書く暴力にも通じるものがある。


作者は映像作家でもあるので『記録と現実』なんて
偽ドキュメンタリー感、ありありで魅力的。

『イラク人キリスト』は、途中でオチを見破ったゼ。珍しい。
敬虔なキリスト教徒はどう思うだろう。
汝撃たれそうになったら右の頬を出すことなく、
巻かれた爆弾ベルトを見せよ。長っ。
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ソネアキラ
ソネアキラ さん本が好き!1級(書評数:2185 件)

女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。

twitter.com/sonenkofu

詩や小説らしきものはこちら。

https://note.mu/sonenkofu

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