かもめ通信さん
レビュアー:
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号泣する準備は全くできていなかった!!
朝昼晩、一日三回、クラッカーにチーズをのせて食べ、
一日中、テレビで好きな番組をみる。
最初のうちは、楽しかったのだ。
三日目にチーズがなくなるまでは……ってことだけれど。
しかたなしに前におばあちゃんからもらったお小遣いで
食料の買い出しに行った。
誰かにみとがめられて困ったことにならないように変装をして。
誰かが訪ねてきても怪しまれないように
旅行に行っていることにしよう。
電話にもでないことにして………。
だってもし11歳の女の子がひとりで住んでいるなんてことがバレたら
施設にいられてしまうかもしれないでしょう?
一週間後、連絡がつかないことを心配したおばあちゃんが
列車と車を乗り継いでやってきたとき、
わたしは思わず口にした。
「おこらないで」
「お願い、ママのこと、おこらないで」
「ママはたいへんだったの……」と。
そうしてわたしは、しぶしぶながら
住み慣れた我が家を離れて
おばあちゃんの家で暮らすようになったんだ。
物語の主人公&語り手は11歳の少女オーブリー。
パパと妹を自動車事故で亡くし、
ママと二人で暮らしていましたが、
ある朝、ママはなにもいわずに家を出て行ったきり帰ってこなかったのです。
オーブリーは母方の祖母の元に引き取られることになり、
苦労しながらも新しい生活にも少しずつなじんでいきます。
そんなある日ようやくママの消息が明らかになり………。
やまねこ翻訳クラブの永瀬比奈さんの名前に惹かれて手にした本です。
タイトルと帯に書かれた文言から
ネグレクトを扱った物語なのだろうと見当をつけていたので
それなりの覚悟をもって読み始めたつもりだったのですが……
もうね。
これはちょっとね……。
こういうのは初めてだったかもしれません。
最初から最後まで泣き通しで、
ティッシュボックスとゴミ箱を脇に置き
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにし
周囲の冷たい視線を浴びながら読みました。
作者はこれがデビュー作とのことですが
主人公の少女オーブリーの胸の内が細やかに描かれていているだけではありません。
つらい体験を重ねるオーブリーの目を通して語られているにもかかわらず、
彼女を取り巻く人々の描き方も丁寧で
みごととしかいいようがありません。
読み応えがあり、胸を打つ物語でしたが、
人前で読むことだけは決してお薦めできません。
そしてもう一つ。
主人公と同世代の10代のそこそこの子どもたちが読んだ時
どんな反応を示すのかは、
ママよりもおばあちゃんの歳に近いおばさんには、
今ひとつ想像がつきませんでした。
一日中、テレビで好きな番組をみる。
最初のうちは、楽しかったのだ。
三日目にチーズがなくなるまでは……ってことだけれど。
しかたなしに前におばあちゃんからもらったお小遣いで
食料の買い出しに行った。
誰かにみとがめられて困ったことにならないように変装をして。
誰かが訪ねてきても怪しまれないように
旅行に行っていることにしよう。
電話にもでないことにして………。
だってもし11歳の女の子がひとりで住んでいるなんてことがバレたら
施設にいられてしまうかもしれないでしょう?
一週間後、連絡がつかないことを心配したおばあちゃんが
列車と車を乗り継いでやってきたとき、
わたしは思わず口にした。
「おこらないで」
「お願い、ママのこと、おこらないで」
「ママはたいへんだったの……」と。
そうしてわたしは、しぶしぶながら
住み慣れた我が家を離れて
おばあちゃんの家で暮らすようになったんだ。
物語の主人公&語り手は11歳の少女オーブリー。
パパと妹を自動車事故で亡くし、
ママと二人で暮らしていましたが、
ある朝、ママはなにもいわずに家を出て行ったきり帰ってこなかったのです。
オーブリーは母方の祖母の元に引き取られることになり、
苦労しながらも新しい生活にも少しずつなじんでいきます。
そんなある日ようやくママの消息が明らかになり………。
やまねこ翻訳クラブの永瀬比奈さんの名前に惹かれて手にした本です。
タイトルと帯に書かれた文言から
ネグレクトを扱った物語なのだろうと見当をつけていたので
それなりの覚悟をもって読み始めたつもりだったのですが……
もうね。
これはちょっとね……。
こういうのは初めてだったかもしれません。
最初から最後まで泣き通しで、
ティッシュボックスとゴミ箱を脇に置き
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにし
周囲の冷たい視線を浴びながら読みました。
作者はこれがデビュー作とのことですが
主人公の少女オーブリーの胸の内が細やかに描かれていているだけではありません。
つらい体験を重ねるオーブリーの目を通して語られているにもかかわらず、
彼女を取り巻く人々の描き方も丁寧で
みごととしかいいようがありません。
読み応えがあり、胸を打つ物語でしたが、
人前で読むことだけは決してお薦めできません。
そしてもう一つ。
主人公と同世代の10代のそこそこの子どもたちが読んだ時
どんな反応を示すのかは、
ママよりもおばあちゃんの歳に近いおばさんには、
今ひとつ想像がつきませんでした。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:徳間書店
- ページ数:320
- ISBN:9784198633172
- 発売日:2011年12月17日
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