たけぞうさん
レビュアー:
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本が売れない。翻弄される編集長の物語。
デビュー作の盤上のアルファの評判がかなり高く、ずっと読んでみたかった
作家さんです。この作品の題材は、雑誌の出版です。
月刊誌のトリニティを取りしきる速水が、出版不況の波におされて
雑誌存続をかけて七転八起するお話です。
大手出版社の薫風社には文芸誌の小説薫風もあるのですが、
根っからの文芸好きである速水はトリニティにも文芸枠を確保しています。
人たらしと言われる速水は、人脈と人あたりの良さで仕事を前に進めていく
スタイルです。気がつくと速水の思い通りになってしまうと言われています。
理路整然ではなく、いつの間にか味方に引き入れてしまう寝技師なのです。
同期で世渡り下手の小山内、人望のない合理主義者の秋村、日和見で
変わり身しか持ち味のない上司の相沢。
ほかにもいかにも的な感じの登場人物が目白押しで、TVドラマみたいな
テッパンものの展開なのですが、それはそれとして、不思議と引きこまれて
しまうのです。
デビュー作から一貫して評判が高い理由がなんとなく分かります。
ベストセラーの要素を、読者に気づかせないように仕込んでいるように思います。
面白く読めたのに書評を書こうとすると切り口に迷うという不思議な作品です。
上手、というのが率直な感想です。
煽ってくるような展開なのに心理面の揺さぶりは軽く、それでいて題材は深刻です。
バランス感覚がいいのでしょうね。
ラストのエピローグは松本清張かよと思いました。
本編通読中は裏設定に気づくこともなかったし、そもそも本編の流れには
影響がないので、思わず唸ってしまいました。
必要かどうかはなんとも言えません。
何はさておき、面白いです。間違いなく。
じゃあ傑作かと聞かれると答えに窮します。推しきれないのです。
そんなエンタメど真ん中の作品です。
なお、俳優の大泉洋さんの写真が表紙や中扉に使われていますが、
ただのイメージキャラクターというだけで特別な意味はありません。
参考まで。
作家さんです。この作品の題材は、雑誌の出版です。
月刊誌のトリニティを取りしきる速水が、出版不況の波におされて
雑誌存続をかけて七転八起するお話です。
大手出版社の薫風社には文芸誌の小説薫風もあるのですが、
根っからの文芸好きである速水はトリニティにも文芸枠を確保しています。
人たらしと言われる速水は、人脈と人あたりの良さで仕事を前に進めていく
スタイルです。気がつくと速水の思い通りになってしまうと言われています。
理路整然ではなく、いつの間にか味方に引き入れてしまう寝技師なのです。
同期で世渡り下手の小山内、人望のない合理主義者の秋村、日和見で
変わり身しか持ち味のない上司の相沢。
ほかにもいかにも的な感じの登場人物が目白押しで、TVドラマみたいな
テッパンものの展開なのですが、それはそれとして、不思議と引きこまれて
しまうのです。
デビュー作から一貫して評判が高い理由がなんとなく分かります。
ベストセラーの要素を、読者に気づかせないように仕込んでいるように思います。
面白く読めたのに書評を書こうとすると切り口に迷うという不思議な作品です。
上手、というのが率直な感想です。
煽ってくるような展開なのに心理面の揺さぶりは軽く、それでいて題材は深刻です。
バランス感覚がいいのでしょうね。
ラストのエピローグは松本清張かよと思いました。
本編通読中は裏設定に気づくこともなかったし、そもそも本編の流れには
影響がないので、思わず唸ってしまいました。
必要かどうかはなんとも言えません。
何はさておき、面白いです。間違いなく。
じゃあ傑作かと聞かれると答えに窮します。推しきれないのです。
そんなエンタメど真ん中の作品です。
なお、俳優の大泉洋さんの写真が表紙や中扉に使われていますが、
ただのイメージキャラクターというだけで特別な意味はありません。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:384
- ISBN:9784040689043
- 発売日:2017年08月31日
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