ぽんきちさん
レビュアー:
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「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」・観光案内xファンタジーx温泉道
別府八湯が舞台の痛快ファンタジーアクション。
別府は言わずと知れた温泉地である。この地には、八湯と呼ばれる、それぞれ特色ある温泉郷が8つある。
毎年春先に別府八湯温泉祭りが開かれてきたが、近年、別府八湯・表泉家(おもてせんけ)主催の「べっぷ(温泉マーク)フロマラロン」なるイベントが登場した。フロマラソンとフルマラソンを掛けて、42.195湯を3日以内で制覇するというユニークな企画である(ちなみに0.195湯は手湯というw)。
それはそれで実際に行っているということもスゴいけれども、さらにこれに武者小路泉家主催の裏行事、「別府フロマラソン」が存在した、というのがこの物語のキモである(もちろん架空のイベント)。こちらは別府八湯のそれぞれの数多くの温泉からその年選ばれた1湯ずつ、それに加えてこの日にだけあらわれる露天風呂と普段は入れない「隠し湯」の計10湯を探し当て、3分ずつつからなければならない。これを何と1日で行わねばならず、そして自動車など、文明の利器の使用は禁じられるという過酷さである。
だが、優勝の報酬は大きい。何でも願いがかなうというのだ。
別府出身ではないけれども別府大学に通う明礬湯太郎は、別府八湯の1つの明礬温泉の名を苗字に持ち、しかも名前が湯太郎。別府で温泉に入るために生まれてきたかのような名前である。
ここ、別府大学には温泉研究会という謎のサークルが存在し、むくつけき大男、十三(じゅうざ)先輩が君臨している。十三先輩は温泉道を極めんがため、4年を超えてなお大学に在籍している猛者である。だが先輩の怪しい風体から、温泉研究会に入ろうとするものは少なく、「女人禁制」とのうわさも流れる。
湯太郎は、自身の名前から、十三先輩に目をつけられ、半ば無理やり温泉研究会に参加させられる。
そして今年も恒例の別府フロマラソンの日がやってきた。温泉研究会たるもの、優勝を目指さずになんとする!? かくして湯太郎と十三先輩の珍道中が始まる。
湯太郎の願いは、入学式で一目ぼれした愛夢ルナと交際すること。十三先輩にも秘めた願いがあるようなのだが・・・。
足を引っ張るライバルや、謎の天狗、裏路地を闊歩する猫たち、ライオンやユニコーンなど、多彩なメンツが入り乱れて、フロマラソンレースが展開される。
波乱万丈のストーリーに加えて、別府温泉名人会と学生有志による、懇切丁寧な注釈も楽しい。
もりみーや万城目を連想させる壮大なバカ話。
楽しく読み終わった暁には、あなたもきっと別府温泉博士。
別府は言わずと知れた温泉地である。この地には、八湯と呼ばれる、それぞれ特色ある温泉郷が8つある。
毎年春先に別府八湯温泉祭りが開かれてきたが、近年、別府八湯・表泉家(おもてせんけ)主催の「べっぷ(温泉マーク)フロマラロン」なるイベントが登場した。フロマラソンとフルマラソンを掛けて、42.195湯を3日以内で制覇するというユニークな企画である(ちなみに0.195湯は手湯というw)。
それはそれで実際に行っているということもスゴいけれども、さらにこれに武者小路泉家主催の裏行事、「別府フロマラソン」が存在した、というのがこの物語のキモである(もちろん架空のイベント)。こちらは別府八湯のそれぞれの数多くの温泉からその年選ばれた1湯ずつ、それに加えてこの日にだけあらわれる露天風呂と普段は入れない「隠し湯」の計10湯を探し当て、3分ずつつからなければならない。これを何と1日で行わねばならず、そして自動車など、文明の利器の使用は禁じられるという過酷さである。
だが、優勝の報酬は大きい。何でも願いがかなうというのだ。
別府出身ではないけれども別府大学に通う明礬湯太郎は、別府八湯の1つの明礬温泉の名を苗字に持ち、しかも名前が湯太郎。別府で温泉に入るために生まれてきたかのような名前である。
ここ、別府大学には温泉研究会という謎のサークルが存在し、むくつけき大男、十三(じゅうざ)先輩が君臨している。十三先輩は温泉道を極めんがため、4年を超えてなお大学に在籍している猛者である。だが先輩の怪しい風体から、温泉研究会に入ろうとするものは少なく、「女人禁制」とのうわさも流れる。
湯太郎は、自身の名前から、十三先輩に目をつけられ、半ば無理やり温泉研究会に参加させられる。
そして今年も恒例の別府フロマラソンの日がやってきた。温泉研究会たるもの、優勝を目指さずになんとする!? かくして湯太郎と十三先輩の珍道中が始まる。
湯太郎の願いは、入学式で一目ぼれした愛夢ルナと交際すること。十三先輩にも秘めた願いがあるようなのだが・・・。
足を引っ張るライバルや、謎の天狗、裏路地を闊歩する猫たち、ライオンやユニコーンなど、多彩なメンツが入り乱れて、フロマラソンレースが展開される。
波乱万丈のストーリーに加えて、別府温泉名人会と学生有志による、懇切丁寧な注釈も楽しい。
もりみーや万城目を連想させる壮大なバカ話。
楽しく読み終わった暁には、あなたもきっと別府温泉博士。
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分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。
本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。
あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。
「実感」を求めて読書しているように思います。
赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:書肆侃侃房
- ページ数:160
- ISBN:9784863852716
- 発売日:2017年08月10日
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