oldmanさん
レビュアー:
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ウラヤマシイ! こんな風に一年間を過ごせるなんて、本当にうらやましいぞ。
皆さんの書評を読んで買ったけれど、ずっと積んであった一冊です。
宮下さん一家が北海道大好きのご主人の希望で北海道に移り住むのですが、帯広だった当初の予定がこれまたご主人の思い付きでいきなりトムラウシ山麓の新得町屈足という山奥に山村留学という形で住むことになったのです。
いいのか? 本当にいいのか?
一番近いスーパーまで37キロ 新聞は1日遅れ テレビは難視聴地域だぞ!
本屋は山を下りた町に一軒 酒屋と文房具屋を兼ねた本屋さん。雑誌が主で文庫の棚が一つ
単行本は本屋大賞をとったものが一冊だけ……
いやぁ 僕にはです 無理 絶対無理!
今でこそ人気の北海道ですが、ちょっと前までは僻地のイメージしか無かったものです。
「網走支店勤務」「稚内へ左遷」がギャグのネタだったものです。
その北海道の更に僻地へなんてねぇ……
でも宮下さん一家は行っちゃうのです。ご主人と宮下さん。中二・小六の長男次男そして小三の娘の五人で一年間移住しちゃうんです。
夏でも遭難者が出てしまうトムラウシ山 冬になると零下30度になるという度外れた厳しい自然環境。
しかし其処は「カムイミンタラ」(アイヌ語で神々の遊ぶ庭)と呼ばれる美しい景観を誇る場所。
元々トムラウシという名前もアイヌの言葉で「花の多いところ」という位美しいところだそうです。
余談ですが、トムラウシは漢字では富良牛と書くそうです。
今人気のコミックに「ゴールデンカムイ」がありますが、その背景にアイヌ民族の風俗習慣いたいするに深い畏敬の念が感じられますが、地名に対しても自然に対する素直な気持ちが解りますね。
しかし、三人のお子さんたちは大丈夫なんでしょうか?……と心配するまでも無くなんか楽しそうです。
悠然とした長男 厨二病全開の次男(自ら希望して「漆黒の翼」後に「英国紳士」改め「ボギー」……
そして、天然ボケの長女達の言動には笑わせられます。
基本的には月刊誌への連載エッセイなので、明るい楽しい話ばかりですが、その裏には辛いことや悲しいこと、暗くなるような事もも有ったでしょう。
しかし、宮下さんポジティブです。地域の人との交流にも自ら飛び込んでいきます。回りの人たちもそんな一家を温かく迎えてくれますし、何より学校の先生方が魅力的です。
勿論北海道という地の住民性や、山村留学を積極的に受け入れているという土地柄もあるでしょう。
正直言うと僕にとって田舎暮らしというのはあまり良い思い出は有りません。
親の仕事の関係で意思とは関係なく転校を繰り返すのは辛かったし、決して楽しくは無かったのです。
でも宮下さんみたいな母親なら、そんなにも辛くなかったと思えてきます。
長男のヒロト君(仮名)はもう社会人? 次男のボギー君(仮名)は大学生 長女のきなこ(仮名)さんは中学生 それぞれどんな想いをこの一年間に抱いているのでしょう?
ちょっと知りたい気もします。
それにしても宮下さん『羊と鋼の森』は此処で書いていらしたんですね。
あの森の表現はただ者ではないと思っていましたが、なるほど実体験だったんだ。
本屋大賞をとって新得町の本屋さん置かれて良かったですね。
この本もきっとたくさん置かれているのでしょう。
追記 カムイミンタラを「神さまの遊ぶ庭」と通常は訳されているのですが、「ヒグマの遊ぶ場所」(要するに<ヒグマに注意>)とも解釈できるという説もあることを書いておきます。
宮下さん一家が北海道大好きのご主人の希望で北海道に移り住むのですが、帯広だった当初の予定がこれまたご主人の思い付きでいきなりトムラウシ山麓の新得町屈足という山奥に山村留学という形で住むことになったのです。
いいのか? 本当にいいのか?
一番近いスーパーまで37キロ 新聞は1日遅れ テレビは難視聴地域だぞ!
本屋は山を下りた町に一軒 酒屋と文房具屋を兼ねた本屋さん。雑誌が主で文庫の棚が一つ
単行本は本屋大賞をとったものが一冊だけ……
いやぁ 僕にはです 無理 絶対無理!
今でこそ人気の北海道ですが、ちょっと前までは僻地のイメージしか無かったものです。
「網走支店勤務」「稚内へ左遷」がギャグのネタだったものです。
その北海道の更に僻地へなんてねぇ……
でも宮下さん一家は行っちゃうのです。ご主人と宮下さん。中二・小六の長男次男そして小三の娘の五人で一年間移住しちゃうんです。
夏でも遭難者が出てしまうトムラウシ山 冬になると零下30度になるという度外れた厳しい自然環境。
しかし其処は「カムイミンタラ」(アイヌ語で神々の遊ぶ庭)と呼ばれる美しい景観を誇る場所。
元々トムラウシという名前もアイヌの言葉で「花の多いところ」という位美しいところだそうです。
余談ですが、トムラウシは漢字では富良牛と書くそうです。
今人気のコミックに「ゴールデンカムイ」がありますが、その背景にアイヌ民族の風俗習慣いたいするに深い畏敬の念が感じられますが、地名に対しても自然に対する素直な気持ちが解りますね。
しかし、三人のお子さんたちは大丈夫なんでしょうか?……と心配するまでも無くなんか楽しそうです。
悠然とした長男 厨二病全開の次男(自ら希望して「漆黒の翼」後に「英国紳士」改め「ボギー」……
そして、天然ボケの長女達の言動には笑わせられます。
基本的には月刊誌への連載エッセイなので、明るい楽しい話ばかりですが、その裏には辛いことや悲しいこと、暗くなるような事もも有ったでしょう。
しかし、宮下さんポジティブです。地域の人との交流にも自ら飛び込んでいきます。回りの人たちもそんな一家を温かく迎えてくれますし、何より学校の先生方が魅力的です。
勿論北海道という地の住民性や、山村留学を積極的に受け入れているという土地柄もあるでしょう。
正直言うと僕にとって田舎暮らしというのはあまり良い思い出は有りません。
親の仕事の関係で意思とは関係なく転校を繰り返すのは辛かったし、決して楽しくは無かったのです。
でも宮下さんみたいな母親なら、そんなにも辛くなかったと思えてきます。
長男のヒロト君(仮名)はもう社会人? 次男のボギー君(仮名)は大学生 長女のきなこ(仮名)さんは中学生 それぞれどんな想いをこの一年間に抱いているのでしょう?
ちょっと知りたい気もします。
それにしても宮下さん『羊と鋼の森』は此処で書いていらしたんですね。
あの森の表現はただ者ではないと思っていましたが、なるほど実体験だったんだ。
本屋大賞をとって新得町の本屋さん置かれて良かったですね。
この本もきっとたくさん置かれているのでしょう。
追記 カムイミンタラを「神さまの遊ぶ庭」と通常は訳されているのですが、「ヒグマの遊ぶ場所」(要するに<ヒグマに注意>)とも解釈できるという説もあることを書いておきます。
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最近歳のせいか読書スピードが落ちているにもかかわらず、本好きが昂じて積読本が溜まっております。
そして、歩けるうちにとアチコチヘ顔を出すようになりました。
現在はビブリオバトルを普及することに力をいれております。
その為読書メーターにはコミュニティーも作りました。
( ゚∀゚)つ https://bookmeter.com/communities/337701
いささかひねくれた年寄りですがよろしくお願いいたします。
2016年12月 読書メーターのプロフィル画像とハンドルネームをちょっと変えてみました(*^^*)
読メハンドルネーム oldman獺祭魚翁
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この書評へのコメント
- oldman2018-07-31 13:12
三太郎さん
コメントありがとうございます。 まぁ半分ジョーク的に最後に書いたんですが、
詳しい説やゴールデンカムイなどを読んでいると、アイヌ語ではカムイは神全般を指すようですね。
アイヌの信仰はアニミズム的なもので、カムイ自体は霊的な存在で人の前に姿を見せるときにヒグマやシマフクロウ・エゾシカ或いは赤い服を纏った老婆だったりするようです。
北海道には「カムイミンタラ」と呼ばれる場所は、他にも何ヵ所かあるようで、一番有名なのは大雪山の山麓の様です。
狩猟民族であるアイヌの風習や実に興味深いものがあって、知れば知るほど面白く、機会があれば専門的な本も読んでみたいと思っています。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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- 出版社:光文社
- ページ数:325
- ISBN:9784334775056
- 発売日:2017年07月11日
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