Yasuhiroさん
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おそるべしゆとり世代、再び!朝井リョウのエッセイ第二弾。本人には気の毒だが最後の肛門記が最高に笑える。
朝井リョウを読むシリーズ、ゆとり世代のトンデモ大学生活を綴った「時をかけるゆとり」に続く第二弾「風と共にゆとりぬ」です。堂々と巻頭に「マーガレット・ミッチェルに捧ぐ」と書いてあります。よう言うた、というか、どの口が言う、というか。。。
とにもかくにも猫毛で馬面、胴長短足猫背で痔持ちの
第一部「日常」は
ですので、基本的に前回と同じノリ。前作でものすごい存在感を示した謎の眼科医の先生が再登場し、いきなり笑わせてくれます。
とは言え、前作以降のエッセイですので必然的に大学卒業後就職生活についての記事が多くなりますので、学生時代とは違っておふざけ度はやや控えめとなっています。そんななかでもバレーボール愛に満ちた奮闘ぶりは微笑ましい。4人で出られるビーチバレー大会にエントリーしたらきっちり一人が大寝坊で間に合わず、「四人います」とウソをついた当の相手である受付けのオバサンをスカウトしてくる仲間の行動力には脱帽。
それでも社会人生活にはそれなりにまあまあ大人の雰囲気が漂うわけですが、高校時代のエピソードは本領発揮、前作並みにおバカ度満開。
インキンタムシをカナダにもたらしたホームステイ、高校卒業と大学入学のはざまのモラトリアム時期に友人と初体験するアルバイトが「結婚式場の披露宴フロア係」といういきなりハイレベルすぎる仕事でお決まりの大失敗する話など、楽しめました。
ちょっと驚いたのは「ままならないから私とあなた」収録の短編「レンタル家族」を編集者と一緒に実地で実験しているくだり。レンタル家族っていう仕事、やっぱり本当にあるんだ〜、と妙に感心しました。
第二部「プロムナード」は
なのでさすがにマジメ度数アップ、ここまでの1.5巻ほどのバカ笑いはできませんが、相変わらずの面白さです。
そして最後に地雷ならぬ「痔雷」が待っていました。第三部「肛門記」です。
学生時代から痔と粉瘤に悩まされていたリョウですが、仕事の忙しさにかまけて痛くても治療を先延ばしにしていたところ、ついに一番厄介な「痔瘻」になっていることが判明。
がこの第三部となっています。作者には悪いけど思いっきり笑わせてもらいました。
いやあ、これだから朝井リョウはやめられない。
朝井リョウを読むシリーズ
桐島、部活やめるってよ(2010年2月 集英社 / 2012年4月 集英社文庫)
チア男子!!(2010年10月 集英社 / 2013年2月 集英社文庫)
星やどりの声(2011年10月 角川書店 / 2014年6月 角川文庫)
もういちど生まれる(2011年12月 幻冬舎 / 2014年4月 幻冬舎文庫)
少女は卒業しない(2012年3月 集英社 / 2015年2月 集英社文庫)
何者(2012年11月 新潮社 / 2015年6月 新潮文庫)
世界地図の下書き(2013年7月 集英社 / 2016年6月 集英社文庫)
スペードの3(2014年3月 講談社 / 2017年4月 講談社文庫)
武道館(2015年4月 文藝春秋 / 2018年3月 文春文庫)
世にも奇妙な君物語(2015年11月 講談社 / 2018年11月 講談社文庫)
ままならないから私とあなた(2016年4月 文藝春秋 / 2019年4月 文春文庫)
何様(2016年8月 新潮社 / 2019年6月 新潮文庫)
死にがいを求めて生きているの(2019年3月 中央公論新社)
エッセイ
時をかけるゆとり(2014年12月 文春文庫)
とにもかくにも猫毛で馬面、胴長短足猫背で痔持ちの
スットコドッカー、さくらももこさんの
少し長め、かつ、メッセージ性皆無のくだらないエピソードばかりで編まれたエッセイ集(引用でわかるように、私が言ってるんじゃありませんので...)をお手本に仰ぐ朝井リョウの快進撃は続きます。今回は三部構成となっており、順番に見ていきます。
第一部「日常」は
小説に込めがちなメッセージや教訓を「込めず、つくらず、もちこませず」をモットーに綴ったエピソード12編
ですので、基本的に前回と同じノリ。前作でものすごい存在感を示した謎の眼科医の先生が再登場し、いきなり笑わせてくれます。
とは言え、前作以降のエッセイですので必然的に大学卒業後就職生活についての記事が多くなりますので、学生時代とは違っておふざけ度はやや控えめとなっています。そんななかでもバレーボール愛に満ちた奮闘ぶりは微笑ましい。4人で出られるビーチバレー大会にエントリーしたらきっちり一人が大寝坊で間に合わず、「四人います」とウソをついた当の相手である受付けのオバサンをスカウトしてくる仲間の行動力には脱帽。
それでも社会人生活にはそれなりにまあまあ大人の雰囲気が漂うわけですが、高校時代のエピソードは本領発揮、前作並みにおバカ度満開。
インキンタムシをカナダにもたらしたホームステイ、高校卒業と大学入学のはざまのモラトリアム時期に友人と初体験するアルバイトが「結婚式場の披露宴フロア係」といういきなりハイレベルすぎる仕事でお決まりの大失敗する話など、楽しめました。
ちょっと驚いたのは「ままならないから私とあなた」収録の短編「レンタル家族」を編集者と一緒に実地で実験しているくだり。レンタル家族っていう仕事、やっぱり本当にあるんだ〜、と妙に感心しました。
第二部「プロムナード」は
日本経済新聞で2015年下半期の半年間連載というフィールドオブドリームスに錯乱した著者が、新聞購読者を増やしたいという野心に司られつつ綴ったコラム21編
なのでさすがにマジメ度数アップ、ここまでの1.5巻ほどのバカ笑いはできませんが、相変わらずの面白さです。
そして最後に地雷ならぬ「痔雷」が待っていました。第三部「肛門記」です。
学生時代から痔と粉瘤に悩まされていたリョウですが、仕事の忙しさにかまけて痛くても治療を先延ばしにしていたところ、ついに一番厄介な「痔瘻」になっていることが判明。
お尻の穴が増えちゃう病気、こと、痔瘻。
発症、手術、入院、その全てを綴った肛門界激震の一大叙事詩。
がこの第三部となっています。作者には悪いけど思いっきり笑わせてもらいました。
いやあ、これだから朝井リョウはやめられない。
朝井リョウを読むシリーズ
桐島、部活やめるってよ(2010年2月 集英社 / 2012年4月 集英社文庫)
チア男子!!(2010年10月 集英社 / 2013年2月 集英社文庫)
星やどりの声(2011年10月 角川書店 / 2014年6月 角川文庫)
もういちど生まれる(2011年12月 幻冬舎 / 2014年4月 幻冬舎文庫)
少女は卒業しない(2012年3月 集英社 / 2015年2月 集英社文庫)
何者(2012年11月 新潮社 / 2015年6月 新潮文庫)
世界地図の下書き(2013年7月 集英社 / 2016年6月 集英社文庫)
スペードの3(2014年3月 講談社 / 2017年4月 講談社文庫)
武道館(2015年4月 文藝春秋 / 2018年3月 文春文庫)
世にも奇妙な君物語(2015年11月 講談社 / 2018年11月 講談社文庫)
ままならないから私とあなた(2016年4月 文藝春秋 / 2019年4月 文春文庫)
何様(2016年8月 新潮社 / 2019年6月 新潮文庫)
死にがいを求めて生きているの(2019年3月 中央公論新社)
エッセイ
時をかけるゆとり(2014年12月 文春文庫)
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馬鹿馬鹿しくなったので退会しました。2021/10/8
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:315
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- 発売日:2017年06月30日
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