あられさん
レビュアー:
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閉じた世界は「より近く、よりゆっくり、より寛容に」若い人たちはもう気付いている。
『資本主義の終焉と歴史の危機』の続編、読みました。だって気になります、世界がこの先どんな風になっていくのか。
歴史書のような趣があった前作に比べ、こちらは経済的な考察も多く少し難しいです。
著者が想定する未来は「『閉じた帝国』が複数並び立つ世界システム」、日本は「EUに加盟申請を出す」。二つ目の未来については半ば冗談で半ば本気とのことですが、その背景は地域で連帯するにしても近代化の途中にある中国はまだまだ世界を閉じられない、アジアの地域の機が熟すまでEUに加盟申請を出し時間かせぎをして、日本は経済的には定常状態を保つ。選択肢が生まれる時に備える。
定常状態を保つとは具体的には①財政を均衡させる(普通国債をこれ以上増やさない)、②エネルギーの国産化(太陽光パネル、蓄電池)、③地方政府(日本をいくつかの経済圏に分け、閉じる)
・・・どれもかなりハードル高そうです。
でもこのままの社会のあり方にはみな限界を感じているのは事実でしょう。
コロナウィルスの日本の対応を見ても「より遠くに、より速く、より合理的に」の社会が人々に危害を与えているのは明らかです。社会よ、もっと寛容になって。
経済が成長しなくても今あるもので何とかやっていけますよ。宅配が時間通りに届かなくても待てますよ。電車が遅れても目的地は消滅しないし。
もう「24時間働けますか」で生きてきた人たちは少し後ろに下がって、若い人たちの直感がのびのびと働くよう場所を譲るべきと心底思います。「24時間働けますか」の人たちはきっと世界を閉じられない。
物を買わない、内にこもっていると批判的に語られますが、彼らの直感は正しいのです、そう思います。
歴史書のような趣があった前作に比べ、こちらは経済的な考察も多く少し難しいです。
著者が想定する未来は「『閉じた帝国』が複数並び立つ世界システム」、日本は「EUに加盟申請を出す」。二つ目の未来については半ば冗談で半ば本気とのことですが、その背景は地域で連帯するにしても近代化の途中にある中国はまだまだ世界を閉じられない、アジアの地域の機が熟すまでEUに加盟申請を出し時間かせぎをして、日本は経済的には定常状態を保つ。選択肢が生まれる時に備える。
定常状態を保つとは具体的には①財政を均衡させる(普通国債をこれ以上増やさない)、②エネルギーの国産化(太陽光パネル、蓄電池)、③地方政府(日本をいくつかの経済圏に分け、閉じる)
・・・どれもかなりハードル高そうです。
でもこのままの社会のあり方にはみな限界を感じているのは事実でしょう。
コロナウィルスの日本の対応を見ても「より遠くに、より速く、より合理的に」の社会が人々に危害を与えているのは明らかです。社会よ、もっと寛容になって。
経済が成長しなくても今あるもので何とかやっていけますよ。宅配が時間通りに届かなくても待てますよ。電車が遅れても目的地は消滅しないし。
もう「24時間働けますか」で生きてきた人たちは少し後ろに下がって、若い人たちの直感がのびのびと働くよう場所を譲るべきと心底思います。「24時間働けますか」の人たちはきっと世界を閉じられない。
物を買わない、内にこもっていると批判的に語られますが、彼らの直感は正しいのです、そう思います。
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今まで読むばかりの読書、少しはかたちに残してみたい。
未知の感情を体験されてくれる本、あらすじを説明できないような本が好きです。
勢いで大学の通信部の史学科に入学。歴史の本の合間に良質な物語も読んでいきたい。
この書評へのコメント

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- 出版社:集英社
- ページ数:272
- ISBN:9784087208832
- 発売日:2017年05月17日
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