darklyさん
レビュアー:
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あまり現実的ではな設定なのであればいっそスピード感を重視するほうが良いのでは?
この作者の名前もよく聞きますが読むのは初めてです。カドフェス制覇の協力のため残っている作品を調べたら過去書評もないのでこのサイトでは人気がなさそうな本書を選びました。題名「アノニマス・コール」匿名電話ということですがミステリだろうなという予想通りの作品でした。
朝倉真志は元刑事である。彼はある事件で逮捕され罪を認めて服役した。出所後工場で働く朝倉に娘からの着信があったが無言。別れた妻奈緒美に確認したが行方が分からない。そして奈緒美に娘を誘拐したとの電話が入った。朝倉はそれを知らされたが警察には届けるなと奈緒美に強く言う。朝倉は警察に不信感を持っていたのだ。
それは刑事時代にある交通事故が単なる事故ではないという情報屋からの情報により調査していると警察内部から圧力がかかり調査内容を教えろという。拒否すると全く身に覚えのない罪で逮捕、起訴された。重大な事実につながる何かを手に入れたことが今回の事態を招いたことを悟った朝倉は家族に類が及ぶことを恐れ、離婚し、一切家族に接触しないようにしていた。
朝倉は刑事時代に逮捕したことがある探偵の岸谷、会社の同僚の戸田と共に警察の力を借りずに娘を助けるために行動を起こす。少なすぎる身代金1千万、犯人からの奇妙な要求、朝倉は警察が組織ぐるみで動いているのではないかとの疑念を持つが辻褄が合わない。果たして犯人は誰なのか?交通事故の隠された重大な事実とは?
事件が起こった時からの通常の営利誘拐とは違った展開はもちろん後になって理由は分かるのですが、警察と検察が共謀した朝倉の濡れ衣、主犯及び共犯者、隠蔽された重大な事実とその隠蔽に関わった人物、すべてにおいて現実離れしている感がありどうしてもプロットありきの印象が拭えません。確かにプロットは良く練られているとは思うのですが。
警察にとって都合の悪い情報という爆弾を抱えた孤独な警察官なら「新宿鮫」を思い出しますが、情報が爆発しないためには「新宿鮫」のように飼い殺しにして監視するほうが普通でしょう。警察としてもいきなり濡れ衣で懲戒免職、服役では出所後朝倉がどのような行動に出るのか分かりませんし、またその情報のために娘を誘拐したのだろうと推測する朝倉もどうなのでしょう。
多分こういうことを思ってしまう私はこの手のミステリの読み手には向いてないのでしょう。また複雑なプロットを成立させるため話のスピード感が犠牲になっている感があり物語にのめり込んで一気読みとはいきませんでした。
朝倉真志は元刑事である。彼はある事件で逮捕され罪を認めて服役した。出所後工場で働く朝倉に娘からの着信があったが無言。別れた妻奈緒美に確認したが行方が分からない。そして奈緒美に娘を誘拐したとの電話が入った。朝倉はそれを知らされたが警察には届けるなと奈緒美に強く言う。朝倉は警察に不信感を持っていたのだ。
それは刑事時代にある交通事故が単なる事故ではないという情報屋からの情報により調査していると警察内部から圧力がかかり調査内容を教えろという。拒否すると全く身に覚えのない罪で逮捕、起訴された。重大な事実につながる何かを手に入れたことが今回の事態を招いたことを悟った朝倉は家族に類が及ぶことを恐れ、離婚し、一切家族に接触しないようにしていた。
朝倉は刑事時代に逮捕したことがある探偵の岸谷、会社の同僚の戸田と共に警察の力を借りずに娘を助けるために行動を起こす。少なすぎる身代金1千万、犯人からの奇妙な要求、朝倉は警察が組織ぐるみで動いているのではないかとの疑念を持つが辻褄が合わない。果たして犯人は誰なのか?交通事故の隠された重大な事実とは?
事件が起こった時からの通常の営利誘拐とは違った展開はもちろん後になって理由は分かるのですが、警察と検察が共謀した朝倉の濡れ衣、主犯及び共犯者、隠蔽された重大な事実とその隠蔽に関わった人物、すべてにおいて現実離れしている感がありどうしてもプロットありきの印象が拭えません。確かにプロットは良く練られているとは思うのですが。
警察にとって都合の悪い情報という爆弾を抱えた孤独な警察官なら「新宿鮫」を思い出しますが、情報が爆発しないためには「新宿鮫」のように飼い殺しにして監視するほうが普通でしょう。警察としてもいきなり濡れ衣で懲戒免職、服役では出所後朝倉がどのような行動に出るのか分かりませんし、またその情報のために娘を誘拐したのだろうと推測する朝倉もどうなのでしょう。
多分こういうことを思ってしまう私はこの手のミステリの読み手には向いてないのでしょう。また複雑なプロットを成立させるため話のスピード感が犠牲になっている感があり物語にのめり込んで一気読みとはいきませんでした。
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昔からずっと本は読み続けてます。フィクション・ノンフィクション問わず、あまりこだわりなく読んでます。フィクションはSF・ホラー・ファンタジーが比較的多いです。あと科学・数学・思想的な本を好みます。
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- 出版社:KADOKAWA/角川書店
- ページ数:408
- ISBN:9784041030288
- 発売日:2015年06月27日
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