あかつきさん
レビュアー:
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寧ろ行きたい!! 危険な絶景
最近サイトで「言ってはいけない」なんとか本が盛り上がっていますけれど,焼き粉は「行ってはいけない」ですわよ.
第一章 高所の絶景
一番面白かったのは「フサニ村の吊り橋(パキスタン)」かな。
「吊り橋」を名乗る物は多いが、真に「吊られている」だけの橋は少ない。
世の中の自称「吊り橋」共よ、括目し恥じ入るがよい!
安全装置・補強策一切、ゼロ。足を踏み外せば十分体が落ちるだけの隙間は優に残されている。
カラコルム山脈から約150m離れた対岸へ延びるこの橋は、村人手作りのまさに数本のワイヤーで吊られただけの橋。足場は頼りないまばらな木片のみで、しかもその現役の橋の隣に、一代前の朽ちかけた吊り橋がプラプラしており、「いつかはこうなるよ、明日かもしれないけど」と教えてくれて非常に親切。
ドバイの超弩級高級ホテル地上210メートルにあるテニスコートも意味が解らない。
落下防止の外柵はない。
アウトボールはおろか、アウトボールを追いかけてしまったプレイヤーも間違いなく「回収不能」だ。
こんなところでアラブの金持はテニスをして何が楽しいのだろう。
第二章 灼熱と極寒の絶景
ここではトルクメニスタンの「地獄の門」かな。
1971年、旧ソ連の地質学者が天然ガスに満ちた洞窟を発見。しかし、調査の過程で地盤沈下が起こり、巨大な穴が穿たれてしまう。そこで、有毒ガスが地上に噴出することを恐れ燃焼させて消滅する方法がとられたのだが。
以来、40年以上その直径80m、深さ20mの穴は煉獄のような炎を吐き出し続けている。ガスの埋蔵量は未知数で、いつまで燃え続けるのかはわからない。
なお、穴の縁まで近づくことはできる。その気になれば。
第三章 異世界の絶景
フラミンゴを赤く染める「ナトロン湖」。
海水の10倍の塩分と言われるバラ色の湖「レトバ湖」。
硫黄臭に満ちた(と言ったら地質学者に怒られますよ、硫黄は無臭だってね)毒々しい黄色の「ダナキル砂漠」。
七色の巨大な石の乳房のような噴泉塔から迸る“熱汁ぶしゃー!”の「フライガイザー」。(だってそう書いてあるんだもん)
奇怪な巨木が生い茂るエルフの森な「カドー湖」。など
第四章 廃墟の絶景
友ケ島の旧日本軍軍事要塞痕もいいが、ドイツの廃病院「ベーリッツ・サナトリウム」が素敵。
鬱蒼とした木々の中に聳え立つ荘厳ささえ感じる建物だが、どことなく戦慄が走る。今も一部は病院として機能しているらしいが…。
ナミビアの、砂漠に埋もれ往く廃墟の町「コールマンスコップ」も絵画の中の世界のよう。
しかし、一番怖いのはメキシコはソチミルコの人形島だろう。
その運河に浮かぶ小さな島には、一人の男が棲んでいたという。
その男は、運河でおぼれた少女の霊が取りついたという妄想に囚われ、その供養のために島の建物の壁に人形を吊るし始めた。その数、1000体以上。やがて男も運河で水死体となって発見される。
60年がたち、今では朽ちかけた人形たちが作られた当時の微笑を浮かべて風に踊り続けている…。
第一章 高所の絶景
一番面白かったのは「フサニ村の吊り橋(パキスタン)」かな。
「吊り橋」を名乗る物は多いが、真に「吊られている」だけの橋は少ない。
世の中の自称「吊り橋」共よ、括目し恥じ入るがよい!
安全装置・補強策一切、ゼロ。足を踏み外せば十分体が落ちるだけの隙間は優に残されている。
カラコルム山脈から約150m離れた対岸へ延びるこの橋は、村人手作りのまさに数本のワイヤーで吊られただけの橋。足場は頼りないまばらな木片のみで、しかもその現役の橋の隣に、一代前の朽ちかけた吊り橋がプラプラしており、「いつかはこうなるよ、明日かもしれないけど」と教えてくれて非常に親切。
ドバイの超弩級高級ホテル地上210メートルにあるテニスコートも意味が解らない。
落下防止の外柵はない。
アウトボールはおろか、アウトボールを追いかけてしまったプレイヤーも間違いなく「回収不能」だ。
こんなところでアラブの金持はテニスをして何が楽しいのだろう。
第二章 灼熱と極寒の絶景
ここではトルクメニスタンの「地獄の門」かな。
1971年、旧ソ連の地質学者が天然ガスに満ちた洞窟を発見。しかし、調査の過程で地盤沈下が起こり、巨大な穴が穿たれてしまう。そこで、有毒ガスが地上に噴出することを恐れ燃焼させて消滅する方法がとられたのだが。
以来、40年以上その直径80m、深さ20mの穴は煉獄のような炎を吐き出し続けている。ガスの埋蔵量は未知数で、いつまで燃え続けるのかはわからない。
なお、穴の縁まで近づくことはできる。その気になれば。
第三章 異世界の絶景
フラミンゴを赤く染める「ナトロン湖」。
海水の10倍の塩分と言われるバラ色の湖「レトバ湖」。
硫黄臭に満ちた(と言ったら地質学者に怒られますよ、硫黄は無臭だってね)毒々しい黄色の「ダナキル砂漠」。
七色の巨大な石の乳房のような噴泉塔から迸る“熱汁ぶしゃー!”の「フライガイザー」。(だってそう書いてあるんだもん)
奇怪な巨木が生い茂るエルフの森な「カドー湖」。など
第四章 廃墟の絶景
友ケ島の旧日本軍軍事要塞痕もいいが、ドイツの廃病院「ベーリッツ・サナトリウム」が素敵。
鬱蒼とした木々の中に聳え立つ荘厳ささえ感じる建物だが、どことなく戦慄が走る。今も一部は病院として機能しているらしいが…。
ナミビアの、砂漠に埋もれ往く廃墟の町「コールマンスコップ」も絵画の中の世界のよう。
しかし、一番怖いのはメキシコはソチミルコの人形島だろう。
その運河に浮かぶ小さな島には、一人の男が棲んでいたという。
その男は、運河でおぼれた少女の霊が取りついたという妄想に囚われ、その供養のために島の建物の壁に人形を吊るし始めた。その数、1000体以上。やがて男も運河で水死体となって発見される。
60年がたち、今では朽ちかけた人形たちが作られた当時の微笑を浮かべて風に踊り続けている…。
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色々世界がひっくり返って読書との距離を測り中.往きて還るかは神の味噌汁.「セミンゴの会」会員No1214.別名焼き粉とも.読書は背徳の蜜の味.毒を喰らわば根元まで.
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- 出版社:竹書房
- ページ数:111
- ISBN:9784801900271
- 発売日:2014年10月16日
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