たけぞうさん
レビュアー:
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#カドブン夏フェア2022 逃げ恥の話もあるよ。
ショートカット先「カドブン夏フェア2022」参加書評です。
星野源さんはミュージシャンだと思っていました。
ミュージシャンやお笑いの人の中には演技をできる人がいるので、
そういうタイプなのかなという認識です。
一方で、紅白歌合戦のメイキングの番組を思い出します。
内村光良さんが、星野さんと昔わいわい一緒にやっていたから、
ミュージシャンとしてこれだけ売れてしまうと変な感じがすると
TVで言っていたのです。
その時、コメディ枠の人だったのかなと思いました。
本物のマルチタレントなのでしょうね。
あとがきの時点で、エッセーを十年くらい書いているとのこと。
この作品は、2014年12月から2017年2月に、雑誌ダ・ヴィンチに
掲載されたものです。
星野源さんが大きい病気をしていたとは知らなかったし、
真田丸に俳優で出ていたのも知りませんでした。
初めて認識したのが恋の大ヒットで、続いてドラマ逃げ恥、
そして紅白歌合戦といういきなり出てきた感がある人です。
でも、エッセーを読むと、昔からずっと何かを表現しようと
頑張り続けていた人と分かり、非常に刺激的でした。
売れなかった頃の状況をきちんと心に置いて、
決して舞い上がることなく表現に向きあっていると知り、
スーパーヒットの理由が分かった気がしました。
本人もこんなことを言っています。
ふと思う、自分の周りにはたくさんの人がいると。
ひとりではないと感じることがあると。
でも、10代から20代にかけて、いつもひとりぼっちだと思っていたと。
本当は周りにたくさんの人がいたのにも関わらず。
そのままの自分を認められず、どこか偽っていた日々。
誰かに馬鹿にされる前に自分のことを悪く言い、
わかっていますよとバリアを張ったあの日。
今はそんなことはまったく思わなくなったと言います。
幸福でありながらも、ハングリーな表現ができる人が本物だという
結論に達したそうです。
そして自分の心に偽りなく好き嫌いを感じられるようになり、
嫌いなものの話はなるべく心の中に留め、誰かに馬鹿にされたら
そうですかと笑いながら心の中でただ普通に傷つくようになったのです。
でも、自分はひとりではありません。
しかし、ずっとひとりだとも言います。
いろいろと考えてしまう言葉です。
形を変えてこの考えは書かれるので、理解が深まります。
真に信頼できる人には、嫌なことを吐き出しています。
ただしそのルールが大事です。
怒りを吐き出すと、ぶつける相手の気持ちを大きく揺り動かすほどに
負のエネルギーが強い、でも自分の中にだけ留めておくと
心は不安定になり、体の具合も悪くなっていくから、
なるべく楽しく面白く吐き出すことが必要だと言います。
勉強になります。間や話の運びかた、理不尽に巻きこまれたときの
自分のリアクションの再現や表情のつくり方で、
相手が楽しく「ひどい!」と笑えるようにと言っています。
話を盛る必要はないほど、強烈で意味不明で、
笑っちゃうほど納得のいかない事件が日々起こるという文章は、
読んでいるこちらの気持ちを和らげるのに充分です。
創作の話も非常に参考になります。
「ゾーン」に入ると、おなかも減らなくなるし、時間の感覚もなくなり、
無心になって、音のことだけを考える真空の瞬間が訪れるという話。
想像や予感というものは、合っていようが間違っていようが
未来を作る力になるもので、どれだけイタいとか中二病と馬鹿にされたって
負けずにどんどん妄想すればいい、現実を作る根本のおおもとは
想像力だという話。
文章には、これを伝えることによってこう思われたいという
自己承認欲求に基づいたエゴやナルシズムの過剰提供が生まれやすく、
それらを不純物と称し、限りなくそぎ落とすことが
プロ中のプロであるという話。
もやもやしていたことをすべて的確に文章化してもらった感じです。
おまけで、新垣結衣さんの人となりを書いているのも
読みごたえがありました。お互い、スイッチが入ったことが分かります。
新垣さんのことを、おごらず、高ぶらず、普通の感覚を持ち続ける
素晴らしい人だと書いています。
きっとそれが、星野源さんにとって一番大事なことなのでしょう。
いいものを読ませてもらいました。幸せな気持ちになります。
星野源さんはミュージシャンだと思っていました。
ミュージシャンやお笑いの人の中には演技をできる人がいるので、
そういうタイプなのかなという認識です。
一方で、紅白歌合戦のメイキングの番組を思い出します。
内村光良さんが、星野さんと昔わいわい一緒にやっていたから、
ミュージシャンとしてこれだけ売れてしまうと変な感じがすると
TVで言っていたのです。
その時、コメディ枠の人だったのかなと思いました。
本物のマルチタレントなのでしょうね。
あとがきの時点で、エッセーを十年くらい書いているとのこと。
この作品は、2014年12月から2017年2月に、雑誌ダ・ヴィンチに
掲載されたものです。
星野源さんが大きい病気をしていたとは知らなかったし、
真田丸に俳優で出ていたのも知りませんでした。
初めて認識したのが恋の大ヒットで、続いてドラマ逃げ恥、
そして紅白歌合戦といういきなり出てきた感がある人です。
でも、エッセーを読むと、昔からずっと何かを表現しようと
頑張り続けていた人と分かり、非常に刺激的でした。
売れなかった頃の状況をきちんと心に置いて、
決して舞い上がることなく表現に向きあっていると知り、
スーパーヒットの理由が分かった気がしました。
本人もこんなことを言っています。
ふと思う、自分の周りにはたくさんの人がいると。
ひとりではないと感じることがあると。
でも、10代から20代にかけて、いつもひとりぼっちだと思っていたと。
本当は周りにたくさんの人がいたのにも関わらず。
そのままの自分を認められず、どこか偽っていた日々。
誰かに馬鹿にされる前に自分のことを悪く言い、
わかっていますよとバリアを張ったあの日。
今はそんなことはまったく思わなくなったと言います。
幸福でありながらも、ハングリーな表現ができる人が本物だという
結論に達したそうです。
そして自分の心に偽りなく好き嫌いを感じられるようになり、
嫌いなものの話はなるべく心の中に留め、誰かに馬鹿にされたら
そうですかと笑いながら心の中でただ普通に傷つくようになったのです。
でも、自分はひとりではありません。
しかし、ずっとひとりだとも言います。
いろいろと考えてしまう言葉です。
形を変えてこの考えは書かれるので、理解が深まります。
真に信頼できる人には、嫌なことを吐き出しています。
ただしそのルールが大事です。
怒りを吐き出すと、ぶつける相手の気持ちを大きく揺り動かすほどに
負のエネルギーが強い、でも自分の中にだけ留めておくと
心は不安定になり、体の具合も悪くなっていくから、
なるべく楽しく面白く吐き出すことが必要だと言います。
勉強になります。間や話の運びかた、理不尽に巻きこまれたときの
自分のリアクションの再現や表情のつくり方で、
相手が楽しく「ひどい!」と笑えるようにと言っています。
話を盛る必要はないほど、強烈で意味不明で、
笑っちゃうほど納得のいかない事件が日々起こるという文章は、
読んでいるこちらの気持ちを和らげるのに充分です。
創作の話も非常に参考になります。
「ゾーン」に入ると、おなかも減らなくなるし、時間の感覚もなくなり、
無心になって、音のことだけを考える真空の瞬間が訪れるという話。
想像や予感というものは、合っていようが間違っていようが
未来を作る力になるもので、どれだけイタいとか中二病と馬鹿にされたって
負けずにどんどん妄想すればいい、現実を作る根本のおおもとは
想像力だという話。
文章には、これを伝えることによってこう思われたいという
自己承認欲求に基づいたエゴやナルシズムの過剰提供が生まれやすく、
それらを不純物と称し、限りなくそぎ落とすことが
プロ中のプロであるという話。
もやもやしていたことをすべて的確に文章化してもらった感じです。
おまけで、新垣結衣さんの人となりを書いているのも
読みごたえがありました。お互い、スイッチが入ったことが分かります。
新垣さんのことを、おごらず、高ぶらず、普通の感覚を持ち続ける
素晴らしい人だと書いています。
きっとそれが、星野源さんにとって一番大事なことなのでしょう。
いいものを読ませてもらいました。幸せな気持ちになります。
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ふとしたことで始めた書評書き。読んだ感覚が違うことを知るのは、とても大事だと思うようになりました。本が好き! の場と、参加している皆さんのおかげです。
星の数は自分のお気に入り度で、趣味や主観に基づいています。たとえ自分の趣味に合わなくても、作品の特徴を書評で分かるようにしようと務めています。星が低くても作品がつまらないという意味ではありません。
自己紹介ページの二番目のアドレスは「飲んでみた」の書評です。
三番目のアドレスは「お絵描き書評の部屋」で、皆さんの「描いてみた」が読めます。
四番目のアドレスは「作ってみた」の書評です。
よかったらのぞいてみて下さい。
この書評へのコメント
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:200
- ISBN:9784040690667
- 発売日:2017年03月30日
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