efさん
レビュアー:
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ついにエリザベス女王が読書に目覚めた!
なんともカッ飛んだ設定の小説です。
これまであまり本を読んでこられなかった(と、いう設定なのです!)エリザベス女王が初めて読書に目覚めたという物語なんですから。
ひょんなことから宮廷前に止まっていた移動図書館の車に立ち寄った女王。
厨房付きの職員のノーマンも本を借りに来ていました。
大して興味を持ったわけでもないのですが、立ち寄ったのに借りないのは申し訳ないと考えた女王は一冊借りていきます。
それで火がついたのでしょうか、女王は読書にのめりこんでいくのです。
最初の頃の女王の本の読み方、選び方を見れば、こちらにいらっしゃる皆さんならお分かりのとおり、読めていないんです。
これまで本を読んでこなかったという設定なので、自分の好みも分からず、読む本も手当たり次第で、あまり系統的とも言えません(でも、一冊読んでそこから次の本を手繰り寄せる芋づる式読書はできたようですが)。
女王もそれはある程度自覚していて、自分の読書指南とするために、移動図書館で本を借りていたノーマンを厨房から引き上げ、自分のお付きの職員にします。
二人は本を読み耽るのですね~。
そうなると回りの者たちは不安になっていきます。
女王は一体どうしたのだ?
読書なんてよくない。
女王は、本を読みながらメモを採っているのですが、これがまた疑心暗鬼を招きます。
一体何を書いているのか?
ということで、何とか女王の読書をやめさせようと画策します。
ノーマンにも「女王の意向だ」と嘘をついて留学させてしまい、女王から引き離してしまいます。
でも、本の魅力に目覚めた女王を止めることなど誰にもできません。
女王は、初めてヘンリー・ジェイムズを読んだ時に、そのかったるい筋回しにイライラして、「さっさと先に行きなさいよ」とつぶやいてしまうのですが(笑:たまたま近くにいたメイドは自分のことを言われたと思い、驚いて部屋から飛び出してしまうんです)、その後に再びヘンリー・ジェイムズを読んだところ、その面白さに気付くんですね~。
女王は自分が本を読めるようになると、初期に読んだ本の読み方がいかに読めていなかったのかに気付きますし、これまで本を読んでこなかった自分に対しても、なんともったいないことをしてしまったのかと思います。
そして女王は遂にある決断をすることになるのですが……。
読書の愉しみということを素直に表した好著ではないでしょうか。
本好きの皆さんならにやにやしながら読んでしまう事必定でしょう。
こんなこと書いちゃっていいのかな~なんてちょっと心配にもなりますが、描かれている女王は大変愛らしいのでいいのかな?
大変楽しい一冊でした。
読了時間メーター
□□ 楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
これまであまり本を読んでこられなかった(と、いう設定なのです!)エリザベス女王が初めて読書に目覚めたという物語なんですから。
ひょんなことから宮廷前に止まっていた移動図書館の車に立ち寄った女王。
厨房付きの職員のノーマンも本を借りに来ていました。
大して興味を持ったわけでもないのですが、立ち寄ったのに借りないのは申し訳ないと考えた女王は一冊借りていきます。
それで火がついたのでしょうか、女王は読書にのめりこんでいくのです。
最初の頃の女王の本の読み方、選び方を見れば、こちらにいらっしゃる皆さんならお分かりのとおり、読めていないんです。
これまで本を読んでこなかったという設定なので、自分の好みも分からず、読む本も手当たり次第で、あまり系統的とも言えません(でも、一冊読んでそこから次の本を手繰り寄せる芋づる式読書はできたようですが)。
女王もそれはある程度自覚していて、自分の読書指南とするために、移動図書館で本を借りていたノーマンを厨房から引き上げ、自分のお付きの職員にします。
二人は本を読み耽るのですね~。
そうなると回りの者たちは不安になっていきます。
女王は一体どうしたのだ?
読書なんてよくない。
女王は、本を読みながらメモを採っているのですが、これがまた疑心暗鬼を招きます。
一体何を書いているのか?
ということで、何とか女王の読書をやめさせようと画策します。
ノーマンにも「女王の意向だ」と嘘をついて留学させてしまい、女王から引き離してしまいます。
でも、本の魅力に目覚めた女王を止めることなど誰にもできません。
女王は、初めてヘンリー・ジェイムズを読んだ時に、そのかったるい筋回しにイライラして、「さっさと先に行きなさいよ」とつぶやいてしまうのですが(笑:たまたま近くにいたメイドは自分のことを言われたと思い、驚いて部屋から飛び出してしまうんです)、その後に再びヘンリー・ジェイムズを読んだところ、その面白さに気付くんですね~。
女王は自分が本を読めるようになると、初期に読んだ本の読み方がいかに読めていなかったのかに気付きますし、これまで本を読んでこなかった自分に対しても、なんともったいないことをしてしまったのかと思います。
そして女王は遂にある決断をすることになるのですが……。
読書の愉しみということを素直に表した好著ではないでしょうか。
本好きの皆さんならにやにやしながら読んでしまう事必定でしょう。
こんなこと書いちゃっていいのかな~なんてちょっと心配にもなりますが、描かれている女王は大変愛らしいのでいいのかな?
大変楽しい一冊でした。
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:白水社
- ページ数:169
- ISBN:9784560092255
- 発売日:2009年03月11日
- 価格:1995円
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