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ぽんきち
レビュアー:
生命の長い長い歴史。そしてその一部である私たち。(オンライン読書会<「科学道100冊2019」に挑んでみる!?>参加レビュー #科学道100冊 #本が好き)
バージニア・リー・バートンによる古典的絵本。

地球上に生命が生まれたときから今までのおはなしを美しい絵とともに語っていきます。
5幕の劇仕立てになっているのが楽しいところ。
プロローグは宇宙の始まりから。
第1幕は古生代。
第2幕は中生代。
第3幕は新生代。
第4幕はにんげんの時代。
第5幕は現代のひとびとの生活。
そしてエピローグ。

各幕は4~8の場で構成され、その時代の大きな出来事を紹介します。
各場は見開きで、右に時代を象徴する1枚の絵、左に挿絵入りの説明文が入ります。

バートンはこの作品に8年もの時間を掛けたといいます。
子どもたちが歴史の流れを楽しく学べるように、よく考えられた構成だと思います。

おもしろいのは、宇宙の始まりから現代に近づくにつれて、時間の単位が短くなっていくのですね。説明文には、何年前から何年前までというタイムスケールも書き加えられており、連綿と続く流れを感じるところができる点も工夫されています。
宇宙はずいぶん前に生まれて、生命が生まれたのはそれに比べると最近のことだけれど、ヒトが生まれたのはさらにごくごく最近のことなのだ、と感じられます。
数十億年、数億年、数千万年、数万年、100年、1年、1か月、1週間、1日、1時間、1分、1秒。
実感できないほどの長い時間から、私たちが暮らすタイムスパンまで。
歴史の流れの中で、私たち自身の生は一瞬だけれども、過去から続く現在を生き、それを未来につないでいく、そんな存在でもあります。
そうした大きな視点から、自分の生を大切に、そして他者の生も大切に、といった深い思いが感じられるようにも思います。

バートンが本書を完成させたのは1962年のこと。
それから長い年月が経ち、新たな知見も得られました。
原書では2009年に改訂版が出ており、本書は2015年に出た邦訳改訂版になります。
バートンは1968年に亡くなっています。絵については手を加えることは難しいでしょうし、おそらくは説明部分に多少改変があったのではないかと思います。邦訳版では古生物学者の真鍋真さんが監修に携わっています。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1825 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。現在、中雛、多分♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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