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ぷるーと
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アニメでも有名な「フランダースの犬」と、美しい陶器のストーブを愛する少年の話「ニュルンベルクのストーブ」。
岩波少年文庫100冊マラソン15冊目。

イギリスの作家ウィーダが書いた「フランダースの犬」は、テレビアニメになったこともあり、日本では有名な話。ネロの純真さと大人の身勝手さが互いに際だって、悲しくも美しい話になっている。改めて何やかやいうこともないが、今回読んで、パトラッシュの境遇を初めて知った。

「ニュルンベルクのストーブ」
イン川上流のハルという町に住むアウグストは、10兄弟、母親はなくなり、父親は飲んでばかりでろくに仕事をせず、兄たちが働いているとはいっても、一家はとても貧しい。

そんな家だったが、この家には、ニュルンベルクの名陶工ヒルシュフォーゲルが作ったストーブがあった。それは、かつておじいちゃんが壊れた家で見つけたもので、アウグストはこの美しい装飾がほどこされたストーブが大好きだった。
子どもたちはそのストーブのおかげでなんとか寒さをしのいでいたのだが、クリスマス前の寒い夜に父親はストーブを売ってしまった。

アウグストは絵を描くのが大好きで、ヒルシュフォーゲルのストーブは暖房器具というだけでなく芸術作品でもあった。絶望したアウグストは、ストーブからなにがあっても離れないと心に固く決め、ストーブの中に潜り込んで一緒に旅をする。

ヒルシュフォーゲルは実在の人物だし、ストーブを買ったババリア王はどうやらルードヴィヒ2世のようだ。芸術に深く傾倒しているババリア王だからこそ、アウグストの思いに共感することができたのだろう。
ちなみに、ヒルシュフォーゲルの陶器のストーブというものはなく、作ったかどうかもわからないという。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2931 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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