かもめ通信さん
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緑雨?いったいどんな人となり?その代表作品は??ということで、まずはお馴染み魯庵に聞いてみた。
ikuttiさん主催の掲示板企画「生誕150周年祭!みんなまとめておめでとう」に
早々に参加表明したのは良いが
今から150年前、慶応三年に生まれたという
夏目漱石・宮武外骨・南方熊楠・幸田露伴・正岡子規・尾崎紅葉・斎藤緑雨の7人のうち
私がその作品を読んだことがあるのは
漱石と露伴と子規だけで
紅葉について書かれたものを読んだことはあるがその作品には触れたことがないし
熊楠の名前や代表作は知っているが、読んだことはなく
宮武外骨や斎藤緑雨にいたっては、ほとんどなにも知らなかった。
と言うわけで、まずは身辺調査ということで
私にとってはすっかりお馴染みとなった内田魯庵に緑雨について聞いてみた。
斎藤緑雨(さいとうりょくう)は自ら
「僕は、本月本日を以て目出たく死去仕(つかまつり)候」という
死亡広告を出したことで有名なのだとか。
(そういわれてみればそんな話を聞いたことがある)
魯庵に言わせると
あれは“江戸ッ子作者の最後のシャレの吐きじまい”で
“緑雨以後真の江戸ッ子文学は絶えてしまった”ということになるらしい。
魯庵は特に緑雨の随筆などにしばしばあらわれる「警句」に感服していたようで
と記している。
自分が親しくしていた頃は
貧乏なくせになかなかの“紳士”で
着たきりの着物でも粋に着こなし、
出先ではいつも車夫を外に待たせたままにし、
外食するにも店選びにうるさいといった見栄っ張りだったという話。
疎遠になった後のことではあるが
樋口一葉のためにずいぶん骨を折ってやっていたようだという話など
興味深いエピソードを紹介しつつも、
“逍遥や鴎外と結んで新らしい流れに棹さしていた”が、
根が昔の戯作者系統であったから、
“人生問題や社会問題を文人には無用な野暮臭い穿鑿と思っていた”
“露骨にいうと、こういうマジメな問題に興味を持つだけの根柢を持たなかった”
となかなかに手厳しい。
その魯庵に言わせると
緑雨の傑作は何といっても『油地獄』だというのだが、
緑雨自身は
『かくれんぼ』や『門三味線』を得意がっていたのだという。
となると、やはり読んでみるべきは
『油地獄』と『かくれんぼ』あたりかなと、
予習を終えて宿題を積んだ。
早々に参加表明したのは良いが
今から150年前、慶応三年に生まれたという
夏目漱石・宮武外骨・南方熊楠・幸田露伴・正岡子規・尾崎紅葉・斎藤緑雨の7人のうち
私がその作品を読んだことがあるのは
漱石と露伴と子規だけで
紅葉について書かれたものを読んだことはあるがその作品には触れたことがないし
熊楠の名前や代表作は知っているが、読んだことはなく
宮武外骨や斎藤緑雨にいたっては、ほとんどなにも知らなかった。
と言うわけで、まずは身辺調査ということで
私にとってはすっかりお馴染みとなった内田魯庵に緑雨について聞いてみた。
斎藤緑雨(さいとうりょくう)は自ら
「僕は、本月本日を以て目出たく死去仕(つかまつり)候」という
死亡広告を出したことで有名なのだとか。
(そういわれてみればそんな話を聞いたことがある)
魯庵に言わせると
あれは“江戸ッ子作者の最後のシャレの吐きじまい”で
“緑雨以後真の江戸ッ子文学は絶えてしまった”ということになるらしい。
魯庵は特に緑雨の随筆などにしばしばあらわれる「警句」に感服していたようで
我々鈍漢が千言万言列ならべても要領を尽せない事を
緑雨はただ一言で窮処に命中するような警句を吐いた。
警句は天才の最も得意とする武器であって、
オスカー・ワイルドもメーターランクも人気の半ばは警句の力である。
蘇峰も漱石も芥川龍之介も頗る巧妙な警句の製造家である。
が、緑雨のスッキリした骨と皮の身体からだつき、
ギロリとした眼つき、絶間たえまない唇辺くちもとの薄笑い、
惣てが警句に調和していた。
と記している。
自分が親しくしていた頃は
貧乏なくせになかなかの“紳士”で
着たきりの着物でも粋に着こなし、
出先ではいつも車夫を外に待たせたままにし、
外食するにも店選びにうるさいといった見栄っ張りだったという話。
疎遠になった後のことではあるが
樋口一葉のためにずいぶん骨を折ってやっていたようだという話など
興味深いエピソードを紹介しつつも、
“逍遥や鴎外と結んで新らしい流れに棹さしていた”が、
根が昔の戯作者系統であったから、
“人生問題や社会問題を文人には無用な野暮臭い穿鑿と思っていた”
“露骨にいうと、こういうマジメな問題に興味を持つだけの根柢を持たなかった”
となかなかに手厳しい。
その魯庵に言わせると
緑雨の傑作は何といっても『油地獄』だというのだが、
緑雨自身は
『油地獄』を褒めるような批評家さまだからカタキシお話しにならぬといって、
『かくれんぼ』や『門三味線』を得意がっていたのだという。
となると、やはり読んでみるべきは
『油地獄』と『かくれんぼ』あたりかなと、
予習を終えて宿題を積んだ。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:
- ページ数:13
- ISBN:B009MDBMW6
- 発売日:2012年10月05日
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