かもめ通信さん
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いずれも猫好きという人気作家8人が挑むのは、『吾輩は猫である』にちなんだ「猫」語りの短篇だというのだが……!?
夏目漱石没後100年&生誕50年記念として編まれたというアンソロジー。
いずれも猫好きという人気作家8人が挑むのは
『吾輩は猫である』にちなんだ「猫」語りの短篇だ。
この「猫」どうやらほんの数日前まで人間であったらしい!?
(「いつか、猫になった日」)
彼女の作品を読むのは○十年ぶりではあるけれど、「……」の多用が妙に懐かしい。
(「妾は、猫で御座います」)
もしかすると私にとって、これがはじめての石田作品かもしれない。
(「ココアとスミレ」)
(「吾輩は猫であるけれど」)
なるほどこういう作風なのか。
(「惻隠」)
(「飛梅」)
(「猫の神さま」)
(「彼女との、最初の一年」)
いずれの作品からも猫愛がにじみ出ているだけでなく、中には人よりも猫を愛する偏愛ぶりがうかがえるものもある。
なかなか面白く読みはしたものの、この構成は少々腑に落ちない気がしないでもない。
なぜっておそらく漱石は、猫なんて大して好きではなかったように思えるから。
いずれも猫好きという人気作家8人が挑むのは
『吾輩は猫である』にちなんだ「猫」語りの短篇だ。
どうやら、私は「猫」と呼ばれるものであるらしい。と語り始めるのは、赤川次郎。
この「猫」どうやらほんの数日前まで人間であったらしい!?
(「いつか、猫になった日」)
妾(わたくし)は、猫で御座います。と切り出すのは新井素子。
名前は、まあ……「ファー」って呼んでいただければよろしいのではないかと。
彼女の作品を読むのは○十年ぶりではあるけれど、「……」の多用が妙に懐かしい。
(「妾は、猫で御座います」)
「わたしたちネコ族と違って……」というのは、石田衣良。
階段のうえのほうから先住猫・ココアの声がした。
もしかすると私にとって、これがはじめての石田作品かもしれない。
(「ココアとスミレ」)
吾輩は猫であると書くのは荻原浩だが、驚いたことにコレみんな、クスッと笑える4コマ漫画で構成されている。
鼠は嫌い
(「吾輩は猫であるけれど」)
ワタクシは猫であります。実は初めての恩田陸。
ええ、確かに。はい、この肉球にかけて。
なるほどこういう作風なのか。
(「惻隠」)
俺は猫だ。名前だって、ちゃんとある。実家の主がつけてくれた、れっきとした名前が。だけど、ここでは「若」とか「若君」って呼ばれている。と、語り始めるのは原田マハ。あれこれ蘊蓄が練り込まれているあたりがいかにもという感じも。
(「飛梅」)
あたしは、猫として生まれた。ではじまる、村山由佳の作品は、これまたらしくて思わずニヤリ。そういえば村山作品を読むのもひさしぶりだ。
(「猫の神さま」)
あたしは猫。サビ猫。名前なんてないわ、だってノラだもん。山内マリコも初めてだったが、読友さんたちのレビュー等からなんとなく想像していた語り口そのままだったので笑ってしまった。
いつどこで生まれたかも知らなぁい。
(「彼女との、最初の一年」)
いずれの作品からも猫愛がにじみ出ているだけでなく、中には人よりも猫を愛する偏愛ぶりがうかがえるものもある。
なかなか面白く読みはしたものの、この構成は少々腑に落ちない気がしないでもない。
なぜっておそらく漱石は、猫なんて大して好きではなかったように思えるから。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント
- かもめ通信2019-07-09 18:40
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- 出版社:新潮社
- ページ数:211
- ISBN:9784101010502
- 発売日:2016年11月28日
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