darklyさん
レビュアー:
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独特の病んだ世界の住民となれるかどうか試されているような
シャーリィ・ジャクスンは「たたり」とか「ずっとお城で暮らしてる」を読んで以来しばらく読んでませんでした。相変わらず独特の味があります。すっと読むと、すっと終わって、あれ?どんな話?読み返すと、あ、そういうことかと。
巷ではイヤミスという言葉が飛び交っております。この小説家をイヤミスの一種のように評論する人もいますが根本的に違うかなと思います。私はイヤミスと呼ばれる小説は数冊ほどしか読んだことがありませんが、ああいう小説は売れる作家になるための一つの戦術だろうと思っています。例えば湊かなえさんのインタビューを見てもごく普通の方のように見えます。
私が思うに、シャーリィ・ジャクスンはもともとかなり病んだ人なんじゃないかと思います。つまり病んだ人が病んだ人なりに書いた普通の小説なんじゃないかと。本人としては至って真面目に思っていることを書いているだけなのに他の人から見ればこの人おかしいんじゃないかと思われるような。
この短編集は20を超える短編が収められていますが、ピンとくるのもあり、何回読んでもイマイチ分からないのもあります。変な話ピンとくるというのは、自分にも病んでいる部分(悪意だとか妄想だとか)があるからではなかろうかと。ものすごく健全な人が読むとほとんどなんの話か分からないのではないかと。
通常短編集を読んでピンとくるものが沢山あれば嬉しいものですが、この本についてはちょっと複雑かもしれません。
短編の中では、本のタイトルでもある「くじ」はやっぱり名作だと思います。仕事においても手段と目的がいつのまにか入れ替わっているなどありがちな人間の集団心理を突いてると思います。あと、「魔性の恋人」「魔女」「ドロシーと祖母と水兵たち」「ジミーからの手紙」などが個人的な好みでした。
余談ですがシャーリィ・ジャクスン賞なるものがあり、これの長編賞に数年前鈴木光司さんの「エッジ」が選ばれました。この本もなかなかの力作で好みの小説でした。
巷ではイヤミスという言葉が飛び交っております。この小説家をイヤミスの一種のように評論する人もいますが根本的に違うかなと思います。私はイヤミスと呼ばれる小説は数冊ほどしか読んだことがありませんが、ああいう小説は売れる作家になるための一つの戦術だろうと思っています。例えば湊かなえさんのインタビューを見てもごく普通の方のように見えます。
私が思うに、シャーリィ・ジャクスンはもともとかなり病んだ人なんじゃないかと思います。つまり病んだ人が病んだ人なりに書いた普通の小説なんじゃないかと。本人としては至って真面目に思っていることを書いているだけなのに他の人から見ればこの人おかしいんじゃないかと思われるような。
この短編集は20を超える短編が収められていますが、ピンとくるのもあり、何回読んでもイマイチ分からないのもあります。変な話ピンとくるというのは、自分にも病んでいる部分(悪意だとか妄想だとか)があるからではなかろうかと。ものすごく健全な人が読むとほとんどなんの話か分からないのではないかと。
通常短編集を読んでピンとくるものが沢山あれば嬉しいものですが、この本についてはちょっと複雑かもしれません。
短編の中では、本のタイトルでもある「くじ」はやっぱり名作だと思います。仕事においても手段と目的がいつのまにか入れ替わっているなどありがちな人間の集団心理を突いてると思います。あと、「魔性の恋人」「魔女」「ドロシーと祖母と水兵たち」「ジミーからの手紙」などが個人的な好みでした。
余談ですがシャーリィ・ジャクスン賞なるものがあり、これの長編賞に数年前鈴木光司さんの「エッジ」が選ばれました。この本もなかなかの力作で好みの小説でした。
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昔からずっと本は読み続けてます。フィクション・ノンフィクション問わず、あまりこだわりなく読んでます。フィクションはSF・ホラー・ファンタジーが比較的多いです。あと科学・数学・思想的な本を好みます。
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- 出版社:早川書房
- ページ数:432
- ISBN:9784151823015
- 発売日:2016年10月21日
- 価格:1080円
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