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ぷるーと
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一つひとつのはなしから、東京會舘のすごさが鮮やかに浮かび上がってくる
下巻は、越路吹雪のショーにまつわる話、東日本大震災の日の話、直木賞受賞作家(フィクションの)の話、建て替え前最後の営業日の話など、5つの話からなる。

東京會舘では数多くのリサイタルショーが開かれてきたが、中でも宝塚関係のスターのショーが多かったという。その中でも東京會舘との繋がりが強かったのが、越路吹雪だった。越路吹雪なんて、本当に名前ぐらいしか知らないのだが、それでも「サン・トワ・マミー」や「ならずもの」は亡くなったあとに数回耳にしたことがあったと思う。ステージ上では光輝いている大スターが実はとても繊細で怖がりで・・・という話は何度か聞いたことがあるが、「星と虎の夕べ」は本当にいい話だった。

「煉瓦の壁を背に」は、作家なら憧れてやまない受賞の舞台としての東京會舘が描かれているが、賞の候補となり受賞が決まってからしばらくの裏事情が詳しく描かれていて、そちらの方もなかなか興味深かった。

一つひとつの話は独立しているのだが、いくつかの話に共通して登場する人物がいて、すべての話がつながり、東京會舘の歴史が緩やかに流れる川のように描かれている。その流れは決して穏やかなものではなかったはずなのに全体としてみると温かく穏やかな印象を受けるのは、東京會舘に関わってきた人々の東京會舘への思いが真摯で温かいものだったからだろう。

今度東京に行ったら、東京會舘に行ってみたいと心から思う。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2910 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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