レビュアー:
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岸田道生が描いた銅版画「夜行」に登場する女性は誰?
森見作家生活10年を記念して刊行された作品。直木賞候補作品となった。
10年前、英会話スクールに通っていた仲間6人が連れ立って鞍馬の火祭の見学に行く。そこで女性の仲間だった長谷川さんが失踪する。そして全く行方がわからないまま、さらに10年がたちまた仲間が京都に集まり、鞍馬の火祭を見学に行くことになる。
主人公の大橋は、待ち合わせの場所に行く前に、市内で長谷川さんらしい人を見かける。その長谷川さんらしい人をつけてゆくと、ある画廊に入ってゆく。大橋が入ってゆくと、すでに女性は消えてしまっていた。画廊では、岸田道生という作家の個展が開かれていた。飾られていたのは銅版画でタイトルは「夜行」。日本の48か所の夜の風景を描いた連作で、すべての作品に、一人の女性が描かれていた。
更に「夜行」に対応する作品として「曙光」という作品がたった1作があるのだが、それは誰も見たことは無い。
鞍馬に集まった大橋以外の4人が、夜が深まったとき、それぞれが旅した時の不思議な体験を語りだす。それは、尾道、奥飛騨、津軽、そして天竜峡。これらの地で、みんなの話には必ず幽霊が登場。そして、不思議の話では岸田道生の銅版画と同じ風景が登場する。
物語、夜が永遠に続くのではないかと思われるような4人の体験話と、長谷川さんはどこに消えてしまったのか、もしや銅版画で描かれていた女性ではないかと思わせながら、幻想的に進行する。
森見が得意とする明るいユーモアのある雰囲気は全く無く、どんどん不思議な闇にはまってゆくような雰囲気の中へ、読者は導かれる。
幻想的な物語だった。
10年前、英会話スクールに通っていた仲間6人が連れ立って鞍馬の火祭の見学に行く。そこで女性の仲間だった長谷川さんが失踪する。そして全く行方がわからないまま、さらに10年がたちまた仲間が京都に集まり、鞍馬の火祭を見学に行くことになる。
主人公の大橋は、待ち合わせの場所に行く前に、市内で長谷川さんらしい人を見かける。その長谷川さんらしい人をつけてゆくと、ある画廊に入ってゆく。大橋が入ってゆくと、すでに女性は消えてしまっていた。画廊では、岸田道生という作家の個展が開かれていた。飾られていたのは銅版画でタイトルは「夜行」。日本の48か所の夜の風景を描いた連作で、すべての作品に、一人の女性が描かれていた。
更に「夜行」に対応する作品として「曙光」という作品がたった1作があるのだが、それは誰も見たことは無い。
鞍馬に集まった大橋以外の4人が、夜が深まったとき、それぞれが旅した時の不思議な体験を語りだす。それは、尾道、奥飛騨、津軽、そして天竜峡。これらの地で、みんなの話には必ず幽霊が登場。そして、不思議の話では岸田道生の銅版画と同じ風景が登場する。
物語、夜が永遠に続くのではないかと思われるような4人の体験話と、長谷川さんはどこに消えてしまったのか、もしや銅版画で描かれていた女性ではないかと思わせながら、幻想的に進行する。
森見が得意とする明るいユーモアのある雰囲気は全く無く、どんどん不思議な闇にはまってゆくような雰囲気の中へ、読者は導かれる。
幻想的な物語だった。
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昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。
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- 出版社:小学館
- ページ数:256
- ISBN:9784093864565
- 発売日:2016年10月25日
- 価格:1512円
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